神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた 武田家 41

2024年03月14日 21時50分52秒 | 甲越軍記
 晴信の陣配り、備えは六段構え、先陣は飫富兵部少輔、二陣は甘利備前守、三陣は小山田備中守、四陣は板垣駿河守、その次は晴信旗本隊、後陣は今井伊勢守、日向大和守、旗本の左右は教来石民部少輔、原美濃守、小幡織部正、
横田備中守、安間、鎌田の輩、六隊の勢、真っ黒に構え、18日の丑の刻に甲府館を発った。
急ぎ駆け付け、立て梨河原に押し出すと、鹽川、鎌梨という二つの川を挟んで、敵勢と対峙した。

遥かに敵陣を見渡せば、小笠原、諏訪の軍勢九千六百余騎に加え、信州、上州の地侍どもが此度の合戦に加わり、甲府の豊かなる寺領、民家の金銀を奪おうと信州勢に加わる、その勢二千ほどで併せて一万二三千、船山の上に陣を構えて軍旗なびかせ整然と備えている。
両軍は川を隔てて睨み合ったまま一夜を過ごし、夜明けと共に川を渡り正々堂々と会戦に及ばんと構えているところに、小笠原、諏訪方より使い番の母衣衆が二名、武田陣へ使いにやって来た。
使者の口上は「我ら小笠原、諏訪の二家はもとより武田の一族であったが、信虎の非道なやりかたで、わが領土を奪い蹂躙したことは許しがたく、我ら日頃より恨みに思っていたが、天罰が下って嫡子晴信によって駿府に廃去されたのはもっともなことである
されど親に不孝をはたらいた晴信もまた非道の輩であることは疑いなく、我々は今後とも武田との仲を取り戻す気はさらさら無い
此度の合戦において、この三家の存亡を定めようではないか
付いては、明朝卯の刻、台ケ原において決戦をしようではないか、いかがであるか」と問うてきた
晴信は、これを承諾したので使者は川を渡り陣営に戻っていった。

晴信は、使者が去ったあと重臣を集めて言うに「このような申し出を承ったが、小笠原、諏訪の腹の内は我らをだまし討ちしようとしているのは手に取る様にわかっておる
彼らは船山の高台より駆け下りる地の利がある、ゆえにこの儂が信を守る者と信じて裏をかき、我らの軍勢が時間通り川を渡り、いよいよ浅瀬に差しかかった頃合いを見て、一気に敵は押し出し、足元のおぼつかぬ味方を殲滅せんという作戦である」
晴信若年と言えども智勇に優れ、孫呉の軍法に精通していればこそ、敵の朝知恵を見抜いていたことに重臣らも驚くばかりである
「さて、我らは敵の裏の裏をかくこととする、今宵夜半にこの陣のかがり火を盛んに炊き、捨て置き、味方は声も立てず静かに速やかに鹽川を渡り、台ケ原の上の丘に陣を移す
丘からは南へ鎌梨河原に向けて道なき道に一夜の間に道をつけよ
明け方と共に前陣から後陣まで一斉に鎌梨川を渡れば、敵の知らぬ間に鹽川を越えて攻め太鼓を打ち鳴らし鎌梨に攻め寄せる味方に敵は驚き、慌て騒ぐであろう。
後陣には我が家の割菱の旗、諏訪の旗を打ち立てて、さも儂の本陣である様に謀れば、敵は本道よりわが本陣に攻めかかろうと前陣に押し寄せるは必定である
敵の先陣と、わが先陣が激しく競り合う時に予は旗本三百騎の精鋭で丘より馳下り横合いから敵先陣に突き寄せ、敵を乱して早々に丘に引き上げ
敵二陣が攻め寄せれば同じく攻めては引くを繰り返すなり、そしていよいよ諏訪、小笠原の本陣が出てくれば同じようにして一気に決着をつける、敵の敗北は定かである」
これを聞いた諸士、老臣は一同に声を上げて、晴信の策略に感心することしきりであった。


タイムマシーン浦島太郎

2024年03月14日 08時49分24秒 | 宇宙.神秘
 いまさら時の流れに逆らってみたとて、せんもないことであるが、昨日古希がやって来たと思うのに、五月には早七十四とは、いかなることであろうか。
七十四と言われても「百まで二十六年ある」とまだまだ余裕だが、一晩寝て起きれば九十九になっていても不思議はない。

浦島太郎の寓話には不思議なことを多々思う、いったい作者は何を言いたかったのだろうかと考えてみるが
漁師浦島が浜辺で亀を虐めていた子供から、亀を買い取って助けて海に逃がしてやった。
浦島太郎は決して裕福ではない、かといって貧乏でもないようだ
助けた亀が浦島を迎えに来て、海の中へ乗せて行ってくれた
着いた先は竜宮城で、乙姫様という女主が歓待してくれて、連日連夜の宴会三昧、お料理も見たことがない豪華で美味しいものばかり(焼き魚や刺身があったかは不明)
鯛や平目が舞を見せてくれる、しかし浦島もこんな大尽遊びに飽きて「帰らせてもらいます」
乙姫様は名残おしそうにしたが、玉手箱という立派な?箱をお土産に手渡して「決してこの蓋を開けてはいけませんよ、開ければたちまち老人になりますから」と念を押してまた亀に乗せて海岸へ連れて行った。
考えたら不思議だ、浦島は亀を
助けたが、漁師だから生活のためとはいえ毎日、魚を釣っていた、乙姫さまは、それを恨みに思わなかったのか?

懐かしい浜辺に着いて家に戻ってみたが、家がないし辺りの景色も全く変わっているし、自分を知る人も、自分が知っている人も誰もいない
浦島には子供も妻も居たはずだがが、彼らもいない
これは過去に来たのか、未来に来たのか?
寂しくなった浦島は「開けてはならない玉手箱」を開けてしまった
煙が「もわ~」と出てきて、太郎はたちまち老人になってしまった。

*太郎が竜宮城で過ごした期間は3年
*人間界はすでに700年が過ぎていた
これはまさにタイムマシーン、浦島太郎は700年後の世界に来ていた
但し、過去には行けず、現代にも戻れない片道切符のタイムマシーン
竜宮城は人間界に比べて700分の3の速度で時が流れている、しかし竜宮城でも人間界と同じく一日は一日なのだ
人間界での一日は地球が地軸を中心にして一回転する時間であるが、日の出も日の入りもない竜宮城に時間がない、なぜ3年経ったとわかるのかも疑問だが、それはそれで海底には海底の時があるのだろう。
ただ竜宮城と言えども、地球の中に存在しているから場所によって時の流れが変わるとしか言いようがない。

地球は直径が13000kmなのだとか、だが地表からの深さによって形成している土壌や物質が異なり、その自転速度は異なるという
場所によっては超スロー、超高速もあるかもしれない、但し見た者はいない。

そもそも時間など最初から無い、人間が月の回帰や太陽の運動、地球の周回および自転をもとに作り出したのが時間だ
季節は規則正しく巡る、星座も規則正しく一回転する、生物の命だけが個々それぞれに不規則である
人間は気まぐれに生きているが、動物や草花たちは季節や時間に合わせて規則正しく生きている
自然の法則はある、それは天や神があるということだ、人だけがそれに従わず、時に「バベルの塔」のような災いに遭う
この地球も、太陽も我らが住む銀河さえも永遠ではない、数十億年後には跡形もなく消え去り、またあらたな命の巡りが始まる。
人間とは何なのか、想像してほしい
我々は「大地を踏みしめて」とか「その一歩を踏み出せ」という、しかし我々の足は地表についているが、宇宙から見れば地表に足の裏だけでさかさまに貼り付いてぶら下がっている、いわば洞窟のコウモリと同じ生態なのだ
誰も是を不思議と思わないが、地球の引力が無くなれば、たちまち我々も車も犬も猫も宇宙に放り出されてしまう
まことに危うい生き方をしているのだ。


浦島太郎
・善行は報われる
・人生一度は思いがけないことが起る
・どんな遊びも、いつかは飽きる
・月日が経つのは早いもの、楽しい時は尚更速い
・故郷が一番良い場所
・念を押されると逆らって見たくなる
・中身が見えないものは見たくなる
・長生きしても知人がいないのは苦痛
・生うけて死なぬ者はない
・これだけ楽しい思いをしつくして死んでも悔いはない
・浦島太郎の人生は、生まれて、漁師になって、竜宮城で一生遊び続けて、帰ってきて老人になった。