正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」
とはいえ全国の大学を対象にしたのではなく、参加校は関東学生陸上競技連盟の大学である
しかし今年は100回記念大会なので特別に全国の大学の参加を認めた、もちろん本戦に出場するためには予選会に出場して上位13校に入る必要がある
関西などから8校が予選会に出場したが、結局すべて13位以内に入れず例年通りの関東学連校で占められた。
例年出場する特別枠「関東学連選抜」は今回に限り無い、そのかわり3校多い23校で争った。
今は駒澤大学が絶対王者と言って良い
三大駅伝、出雲駅伝は22,23年と連覇中、全日本駅伝は20年から23年まで4連覇中、そして箱根は去年優勝、今回も優勝なら連覇となりしかも2年連続三冠達成の史上初の大記録が生まれる。
単年度三冠は過去に5回あった(大東文化大、順天堂大、早稲田大、青山学院大、22年の駒澤大)
駒澤大は三大駅伝を通じて5連勝中である、これを阻止するライバル校の一番手は全日本で2位の青山学院だが差は大きい
なにしろ1万m記録では全エントリー選手の中でトップ3人が駒澤大で占めているのだ、藤田監督も負けるはずがない最強メンバーと自信満々だ。
ただ駒澤大は大エース田沢が卒業して今年は居ない上に、大監督大八木監督から藤田監督に代わったばかり、そして青山学院はこの10年間のスパンで見れば駒澤大を凌いでナンバーワンの強さである
2013年からの10年間で4連覇を含む6回の優勝を数える、今回勝てば10年間で7回箱根を制する
原監督を中心に王座奪還が青山学院の中で燃え上がっている
これに続く実績校は城西、國學院、中央、創価の四校だがいずれも強力な駒澤との差は歴然としている。
一区は21.3km 23選手中、駿河台がケニア留学生をさっそく投入、期待通りトップを行く、5km地点では駿河台、駒澤、青学、國學院の四校がトップグループに
10kmで駿河台と駒澤の2校が前に出る、5秒差で青学、國學院が追う
18kmでついに駒澤がスパートして駿河台のケニア選手を突き放した
六郷橋では単独3位だった青学に後続9校が追いついて大集団に
中継点では1位駒澤大.・篠原選手が区間賞、23秒差で創価大が2位、3位は城西
4位日大、5位東海大、6位はケニア選手の駿河台大
TOPから1分1秒差以内に14校の混戦。
2区 順調に3連覇に向けてトップの駒澤ライバルの青山学院は35秒差の9位で2区につないだ。
2区6.5kmで2位、3位は創価大、日大が並走だが二人共ケニア選手だ
この区間での注目は去年区間賞の中央大・吉井大和選手、中央は1区で19位と出遅れた、しかし期待した吉居のごぼう抜きが無い
15km手前で青学と城西が日大を抜いて3位、4位に上がる
ついに青学・黒田朝日選手が2位の創価大ムチーニを抜いて駒澤を追う
2区は1位駒澤大、2位青山学院、3位創価大、4位早大・山口智規、5位城西大
青山の黒田は区間賞、区間2位の駒澤の鈴木芽吹との差を13秒縮めて、その差は1分27秒
区間3位は國學院の平林選手、4位は早大・山口選手 5位は創価大・ムチーニ選手 平林選手は9人抜き、黒田選手は7人抜き、東洋大の梅崎選手は8人抜き
中大・吉居は振るわず区間15位だった。
3区21.4km 2位青学の太田蒼生がひたひたと先を行く駒澤・佐藤圭汰に近づいていく、しかし佐藤の走りも順調で区間賞ペース。
佐藤は今大会全選手の中で1万mの持ちタイムがトップ、最強の選手なのだ
太田の持ちタイムは佐藤より50秒ちかく遅い、普通なら勝負にならないが今日は違っていた。
ついに7.8kmで太田は佐藤に追いついた、その後、太田はぴったりと佐藤の後ろについて離れない
実力ナンバーワンで負けず嫌いで誰の背中も見たくないという佐藤、それを利用してスタミナ温存作戦の太田、10km以上この形が続いて並走。
ついに18.5kmで太田が前に出て、みるみる佐藤を引き離す、ついに青学が駒澤の前に出た。
中継点まじかで佐藤も意地を見せる、グングンスパートして太田に迫って来た
あと100mあれば佐藤が抜いたかもしれない、しかし太田が4秒差をつけてトップで青学がタスキリレー、2位は駒澤、3位は城西だが駒澤に35秒差
4位日大、5位東洋大、6位國學院大、7位早大
青学の太田が日本選手初めて1時間を切る59分47秒で区間賞、これは区間記録ケニア選手のビンセントの59分25秒に迫る大記録で、各校の監督も舌を巻いた。
2区も3区も青学区間賞、駒澤大・佐藤も区間2位で1時間13秒の好記録、だから大きな差にはならないがボディブローのように駒澤の希望を奪っていく。
区間3位は城西のキムタイ
4区は20.9km 雨が降り出し気温が下がっていく
青学・佐藤一世が勢いをそのままに快走、駒澤との差を広げていく
1位、2位。3位は単独走となった
15kmでは青山と駒澤の差は1分を越えた3位から5位は並走、城西、國學院、東洋の3校
この区間も青学の佐藤が区間賞をとる、区間2位は東洋大の松山選手、区間3位は中大の湯浅でチームを18位から13位に、駒澤は区間6位でチームは2位をキープしたが青学とは1分26秒と開いた
チーム順位は1位青学、2位駒澤、3位城西、4位東洋、5位國學院
5区山登りは20.8km 雨がひどい、4区ランナーはゴール後、疲労困憊で崩れていく
この区間の注目は「山の妖精」の異名が付いた城西の山本唯翔、新潟の開志国際高校出身の選手、昨年も5区山登りを担当して区間新で区間賞
中継所から往路ゴールまで上位4校の順位は変わらず、5位に早稲田が入った
区間個人記録は青学・若林宏樹、区間新2位 駒澤・金子伊吹が3位
城西・山本が区間新の2年連続区間賞だった
1位青学と2位駒澤は2分38秒に広がり、駒澤と3位城西は39秒まで縮まった。
青山学院は往路新記録で往路優勝。
2日目 復路6区から10区は絶好の天気になった
復路は青山学院が圧倒的強さで区間ごとに2位以下に差を広げた
青山学院が強すぎたため異常事態発生
それは往路で1位から10分以上遅れたチームは復路の第6区は繰り上げ一斉スタートとなるルールなのだが、例年だと5校~多くても10校以内、ところが今年はシード権内の8位以下3校を含む16校が一斉スタートとなった、しかも7位の創価大も一斉スタートの僅か5秒前のスタートだったから、たちまち17校の集団になってしまった。
このためシード校の計算が非常に面倒になった。
逆に1位から6位は順位変動が少なく、スリリングな展開はシード権争いの10位、11位の東海大、大東大の争いくらい 最後に大東大が逆転でシード権を得た。
ゆえに細かな説明は省略とする。
6区1位青山学院 4分17秒差2位駒澤大 3位城西大 4位東洋大 5位法政大
区間賞 法大・武田 2位 青学・野村 3位 創価・川上
7区1位青山学院 4分44秒差2位駒澤大 3位城西大 4位中大 5位東洋大
区間賞 中大・吉居駿恭 2位 帝京大・小野隆一朗 3位 青学・山内健登
8区1位青山学院 5分33秒差2位駒澤大 3位城西大 4位東洋大 5位國學院
区間賞 青学・塩出翔太 2位 日体大・分須尊紀 3位 明大・綾一輝
9区1位青山学院 6分23秒差2位駒澤大 3位城西大 4位東洋大 5位法政大
区間賞 青学・倉本玄太 2位 東洋大・吉田周 3位 帝京大・小林大晟
10区1位青山学院 6分35秒差2位駒澤大 3位城西大 4位東洋大 5位國學院
区間賞 東洋大・岸本遼太郎 2位 青学・宇田川瞬矢 3位 立大・関口絢太
総合順位 優勝 青山学院大 大会新記録10.41.25
2位 駒澤大学 10.48.00 3位 城西大学 10.52.26
4位 東洋大 5位 國學院大 6位 法政大 7位 早稲田大
8位 創価大 9位 帝京大 10位 大東大 以上次回シード校
さあ駅伝が終わって、今度は大相撲が始まるぞ。