漁師が漁をするのも、私が干物を作るのも風と天気に左右される。
漁師などは「船板の下一枚地獄」というように嵐に出会えば、命さえ左右されるから、今の時間の天候もさることながら、この先何時間後の天気にも気を配る。
カレイを捌いて、塩水につけ夕方から2時間干したけど、雨模様で湿度が高い上に風もさほどなく失敗。
朝は5時半から、もう一度干した、風は結構あるが湿度高く、8時には雨の予想なので7時までが勝負。
干物失敗ので、から揚げ用にして冷凍と相成る。
北海道では昨年来イワシの大群が押し寄せる現象が起きている
記憶が確かなら年末にも海岸に上がったとか・・・そして大地震
富山定置網にもイワシが大量だった、けっこう大きめでそれなりに脂がある、5~6匹おすそわけいただいて食べてみる。
縁あって漁師の手伝いをすることになったが、長年の私は魚屋さん、料理人として漁師の魚を市場で競り落とす側だったから、今は提供者側にへんし~~~んしたわけで、人生の奇縁を思う。
魚屋には魚屋の苦労と工夫あり、漁師には漁師の苦労と工夫がある
いろいろ新しい情報や人間関係を知ることが出来て、3時起きも苦にならなくなった。
港にいると漁師同士の会話が聞こえてくる、一番多いのは「網」と「潮」
「何網を何百mに刺したが坊主だ」とか「今日は四つ刺したがカニはまったくいない」とか「網幾つ上げた」
「潮がよくない」「潮は悪くない」「潮が早い」「なになに潮だ」「うねりがある」「潮がぶつかる」「潮を見んとわからん」
この二つが漁には重要なのだろう。
近年はレーダーや魚深を装備しているから、昔みたいに星を見たり、陸を見たりとかは言わなくなった、昔の漁師はよく「天気が悪て、岡(陸)が見えん」などと話していたものだ、そんな言葉は今の漁師からは聞こえない。
「月夜がに(カニ)は身が無い」というのは魚屋の会話、魚屋は魚屋で、魚の良し悪しに関する言葉が定着している。
立場立場で、それぞれの生活の知恵があるのが面白い。
天地真理 ☆ 愛の渚