神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた 武田家 33

2024年03月06日 19時43分37秒 | 甲越軍記
 武田左京太夫信虎、忠功の臣を軽んじて土くれのように滅ぼしてしまう、貴重な進言を取り上げず、さらに嫡男晴信を廃して自分が愛する二男の信繁に家督を譲る企み、すべて驕慢で残忍な性格がなする技であった。

しかしそれもいよいよ廃れる時が近づいていた、臣子に疎まれて今度は自分が廃される計画が進んでいるなどつゆ知らず、いよいよ晴信へ駿河入りする催促は増えるばかりである。
ところが晴信は、病気を盾にして駿河行きを断固として断り続けているので信虎は怪しみ、(奴は儂のたくらみを察しているのではないだろうか、ならばいよいよ謀を持って、なんとか晴信めを駿河に贈らねばならぬ)と阿諛(おべっか使い)の家臣を呼び寄せて「いかにして晴信を追い払うか」と聞けば、「国の一大事につき、我らよりも長臣の方々を呼び寄せて晴信君廃嫡と申されれば、御屋形様の御威光に彼らもひれ伏して背く者などおりますまい」

信虎は、まさにその通りであるとさっそく2月11日に板垣を呼び寄せて小声で
「我は未だ壮健であり、年齢も十分余りあるが若い時から長い年月、戦に明け暮れて最近疲れが抜けることが無くなり、物忘れもするようになった
それで早いとは思うが早々に隠居して、三人の息子の内の一人に家督を譲ろうと考えて居るが、未だ誰にするか思い迷っておるのだ
誰であれ、この国を守り、隣国の敵を撃ち払う力を持つものに譲ろうと考えて居るが、そなたは誰がふさわしいと思うか、そなたは我が家において一番の古老であるから忌憚なく、意見を申すがよい」と日頃とは打って変わって物腰柔らかく言うので、板垣は
(これは家嫡廃去の密談であろう、下手なことを言えば我らの密儀が明るみに出る、これを逆手に取れば我らの思い成就させる渡りに船となろう)と思い
謹んで言うには
「これはまた御屋形様の御言葉とは思えませぬ、『子を見ること親にしかず』と申します、子の善悪は親がもっとも知るところであります、まして眼力高い御屋形様であれば、御子らの器はすでにお見通しであられましょうし見誤ることなど決してございませぬ、御心のままにお決めになるのが宜しいと存じます」
板垣の殊勝な言葉に信虎は嬉し気な顔となり「わが数子の中で抜きんでている者はただ一人、左馬之助信繁である、この者に家督を譲ろうと思う、予の心中はさように決まっておるが、世間は長子あるのに二子に譲るのは不条理と申すであろう
晴信は嫡子であり武勇にも優れているから、すんなりとは信繁の家督に納得せずひと悶着起こるのは必定と見ゆる、そこでまず家督を定める前に、晴信を今川家に送り、晴信を廃去してのち家督を信繁に定めようと思って居るが、晴信めもこれを薄々気づいておるのか、ああこう言ってなかなか腰をあげようとしない
いかなる計略で彼を今川に行かせるか、汝は家の為に熱く計略を巡らせるべし」
板垣はこれに答えて「諺に『智者も千慮すれば一失を生じ、愚者も千慮に一得を生ずる』と申します、君は明智と言えども御身にかかる事故に智術心策を失い給う、某のような下愚であっても晴信公を欺き、今川家へ送ることは何の知謀もめぐらすまでもありません
世の諺に『目を塞いで燕雀を捕らんとするときは、燕雀も是を欺く』と申します、小畜と言えども慢心をもっていれば欺くことはできません、まして怜悧の晴信公では欺こうとすればたちまち見破られてしまいます
某の考えは、まず今川殿の方に使者を送り、晴信公を駿河に遣わせたら長くそこにとどめ置かれるように、他国へも出さぬように、よくよく示し合わせておかねば成就しません、それはなぜかと申しますと・・・・」




映画とドラマ

2024年03月06日 09時33分50秒 | 映画/ドラマ/アニメ
 この一週間は、ずっと天気が悪くて寒い、一日おきには歩いているが、ほのぼのとしない。
その代りブログ更新とテレビでの映画、ドラマを見る回数がぐっと増えた
最大15本から始めた春ドラだが、面白くない物を削って行ったので、今は
「春よ来い」「ブギウギ」「大奥」「おっさんのパンツ・・・」
「新空港占拠」「光る君へ」「さよならマエストロ」「Eye love you」
「不適切にもほどがある」の9本になった。
そうだ「舟を編む」も見だして10本だ
病院物は3本あったが、すべて途中棄権した、先週はついに「院内警察」もやめた、謎が無い、謎が薄っぺらい、謎が支離滅裂なミステリーは飽きてしまう
残ったのはどれも面白い。

「おっさんのパンツ・・」はジェンダー問題とハラスメントを扱っている
「不適切にも・・・」ハラスメントと親子世代の時空と社会常識のズレを扱っている

最近見た映画「空気殺人」(韓国)は加湿器用殺菌剤で数千人の被害者が出た実話をもとにしたフィクション映画
製造会社の悪を暴く人権派女性弁護士の法廷もの。利益しか頭にない巨大企業、その弁護士は女性弁護士が尊敬していたベテラン弁護士であった。

「高速道路家族」(韓国)貧困ファミリーが転落していく社会問題提起
高速道SAで寸借詐欺をしてその日暮らしをしている家族、その後夫は警察に逮捕されて、残された身重の妻と二人の子は、どう生きていくのか。

「さびしんぼう」16歳の謎の少女「さびしんぼう」(富田靖子)実は16歳当時の母(藤田弓子)の化身、と主役の高校生(尾身としのり)が名付けた女子高生「さびしんぼう」(富田靖子)の青春ファンタジー
1985年作品で、若い富田靖子(おっさんのパンツ)尾身としのり(鬼平犯科帳)が初々しい。

だめヒモ夫(または同棲?)DVと貧困で売春に身を落す沖縄の17歳の子持ち少女を描いた「遠いところ」カルロヴィヴり国際映画祭出品作品

「雑魚どもよ、大志を抱け」主人公は平凡な小学生(池川侑希弥)、ヤクザな父を持つ隆造、小柄でドモリみんなにバカにされるトカゲ、東大を目指す変わった少年、映画監督を夢見る気弱な少年の5人グループが様々なトラブルに出会う青春ドラマ。
 
「散り椿」岡田准一主演の武士道映画 藩の悪に立ち向かう剣術の達人である側用人(西島秀俊)と。それを助ける脱藩浪士新兵衛(岡田准一)
この二人に愛された武家娘(麻生久美子)、その妹(黒木華)は新兵衛に想いを寄せる。
いずれも印象深い良い映画だった。