17日、雪安居中の安泰寺のユーチューブ動画に典座教訓の輪講がアップされていました。
雪に閉ざされた雪安居の間に行われるているそうで、輪講とは修行者が当番を決めて講義するものである。
典座教訓は道元禅師が叢林における料理を司る典座という役職者の心構えを教示されたものである。
それの解説を内山興正老師が書かれたがそれが「人生料理の本」である。
昭和45年の秋に初めて当時京都市北区玄琢にあった安泰寺を訪れた時出版間もない本が廊下に積まれていたのを求めて帰ったのが最初である。
その折、内山老師に出逢い、本にも出逢ったのであるが、非常に深い感銘を受けた。青天の霹靂と言ってもいいだろう。
それまでは世界があってその中に自分がいると思っていたのが、自分がいて世界がある。天地がひっくり返った。
典座は坐禅できない、他の修行者が坐禅している間に食事の用意しなければならない。在家の人間に生き方にピッタリの教えになっているところが素晴らしいと思った。以来、私の座右の書である。
典座教訓の解説本は多くの著者によって書かれている。4,5冊持っているが、やはり、人生料理の本が一番である。
ところで、この中でけしからんのが、料理研究家の平野雅章の書である。
典座教訓 赴粥飯法 (古典) 単行本 – 1973/1
この本の中に内山老師の「人生料理の本」から、丸々パクっているのである。
中根環堂氏の「赴粥飯法現代講話」からも、パクパクやっているようです。
「人生料理の本」から盗作したのは、次の部分である。
しかし、よくもまあ、とびっくりしたことだったので披露しておくと、
昭和50年台後半の頃だと思うが、正法眼藏味読会に参加するために京都の宗仙寺に赴いた時のこと。
玄関によく「禅の友」という曹洞宗宗務庁発行の小冊子(月刊)が置かれており、あればそれを頂いていた。ある時その中に老師のパクリ文がそのまま掲載されていたのである。
元々老師が「禅の友」に月々書いておられたものを纏めて単行本にまとめられたものであり、こともあろうにそれに堂々とそっくり写したのですから。
早速、老師にご注進とも思ったのであるが、流石にお弟子さんの中に気づく人もいるだろうと思いとどまった。後、どうなったか知らないが、宗務庁もどうかしていると思わざるを得ない。
さて、老師の本は再刊行されているものも多いが、いつまで経っても「人生料理の本」は出てこない。老師の本の再刊行は愛弟子の櫛谷宗則さんが関わっておられたので聞いていみたら宗務庁がうんといわないということなのである。私としてはどんな本より刊行してほしい本なのであるが・・・。
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