ふろしき王子のブログ◎
出前講座開催☆
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インターネットが普及した現在、様々なことを検索一つで見出すことができますが、
直接人と人が同じ場で交流できる風呂敷講座では、ただ結び方のハウツーだけでなく、
元に戻せるふろしきを通し、後始末ができて人や自然に負担をかけない
ものづくりの心を感じていただきたいと願っています。



大切なのは、その場限りの完結ではなく、そこからの増幅や変異、進化です。

ふろしきって色んな使い方ができて便利、で終わりではなく、
材料をむすんで、必要な形をつくり、その用が済んだらふたたび元の材料に還る、
このことは様々なことへも応用ができ、
現在の諸々の問題や環境汚染の解決を考える、大きなヒントになると思われます。

以前、レンガと板を重ねるだけの本棚を使っていたことがあります。
いつでも形を変えられるし、たとえ地震があっても前にバッタンと倒れず、
一つずつがガラガラと崩れるだけで安心。

そこまでいかなくても、木と木を組むだけの家具であれば、
引っ越しのときは外してコンパクトに運ぶこともできる。

道具は道具として固定せず、必要なときに、材料を組み合わせて好きな道具にして、
終わったらまた材料に戻す。

そのためには、シンプルな仕組みを、ただ増幅しさえすればよい。

増幅といっても、拡大路線というよりは、視点を増やすことでもある。



体を暖めるストーブで、同時にお菓子を焼いたり(ストーブの形式によっては注意)、
一人だけでなくなるべく大勢で共有することも、最大限生かすことへつながっていく。

たとえば家のあり方を考えるとき、
常緑樹の下は雨やどりができ、一つの居場所となるが、それだけでは家にまではならない。
それでも、樹の下に住む、というのを一つのシンプルな家の単位としてとらえたとき、
そこから増幅させると、周りにも生垣としての植物が繁っていれば
風もよけられるし、雨でぬかるんだら少し登った部分に居ればよい。

食べものもまた、最小単位として椎の実を考えたとき、
それを増幅させるなら、庭の西や北に、街路樹に、公園に植えたり、
どんぐりを拾えるスポットの地図を作成する。
常緑樹で暗くなるのが困るところには、落葉樹の栗やクルミを植える。
そういう運動を、地域、市町村、都道府県でしっかりと取り組めば、
食糧問題に対するひとつの安全保障のかたちとなります。

ふろしきも、ただの布きれを最大限に増幅させて生かしているものです。
元々そこにあるものに、新たに意味を、価値を、命をふきこんで生かすことは、
ブリコラージュと呼んだりもします。

そういう志向を身につけるきっかけとして、身近ですぐその場で思いつきを試せる
ふろしきは、適していると思っています。

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