漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「士シ」 <おとこ> と 「志シ」

2013年08月20日 | 漢字の音符
 シ  士部            

解字 小さな鉞(まさかり)の象形。刃を下にして置く形で、「士」の身分を示す儀式の器物。士は戦士階級として王に仕えたものと思われる[字統]。
意味 (1)おとこ。青年の男子。立派な男子。「志士シシ」「紳士シンシ」 (2)さむらい(士)。軍人。「武士ブシ」「兵士ヘイシ」 (3)ある資格をもつ人。「修士シュウシ

イメージ  「さむらい」(士・仕)
音の変化  シ:士・仕

さむらい
 シ・ジ・つかえる  イ部
解字 「イ(人)+士(さむらい)」 の会意形声。目上の人のそばにいてその人の用をたす士(さむらい)の意。
意味 (1)つかえる(仕える)。官職に就く。「仕官シカン」「奉仕ホウシ」「給仕キュウジ」 (2)する。「仕事しごと」「仕儀シギ」(事の成り行き) (3)つかまつる(仕る)。「する」の謙譲語。



              シ <心が向う>
 シ・こころざし・こころざす  心部          

解字 金文・篆文は「心(こころ)+之(あしが出る)」の会意形声。之は、甲骨文字で「足のかたち+一(スタートライン)」で、足がスタートラインから出る意。(之を参照)。そこに心がついた志は、心がある方向へむかって出ること。こころざす意となる。また、止(とまる・とどまる)に通じ、心にとどめる・しるす意味もある。現代字は、金文・篆文の之⇒士に変化した。したがって、「士」と「志」の上部は意味の関連はない。
意味 (1)こころざし(志)。こころざす(志す)。「大志タイシ」「志願シガン」「志向シコウ」(意識が何かに向かっていること) (2)おもいやる気持ち。「寸志スンシ」「篤志トクシ」(手厚いおもいやり) (3)しるす。おぼえる。書きしるす。(=誌)。「三国志サンゴクシ

イメージ  「こころざす」(志)
       心にとどめる意から「しるす」(誌・痣)
音の変化  シ:志・誌・痣

しるす
 シ・しるす  言部
解字 「言(ことば)+志(しるす)」 の会意形声。言葉でしるすこと。
意味 しるす(誌す)。書き残す。また、書きしるしたもの。「日誌ニッシ」「地誌チシ」「雑誌ザッシ」「墓誌ボシ
 シ・あざ  疒部
解字 「疒(症状)+志(しるす)」の会意形声。皮膚にしるされた赤・青・黒などの症状。
意味 あざ(痣)。皮膚にできる赤や青・黒色の変色。ほくろ(黒子)。
<紫色は常用漢字>

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