折 セツ・おる・おれる 扌部

解字 甲骨文は「木を分割した形+斤(おの)」の会意で、斧で木を切る様子を表す。金文で木から屮(くさ)二つに変化し、篆文の一字で屮(くさ)が上下連結した手の形が表れ、現代字は「扌(手)+斤」になった。字は甲骨文の木を斤(おの)で切断する形が原点で、切る・折る両方の意味がある。日本では折る意が中心だが、分ける意もある。音符では「おる」「きる」イメージがある。
意味 (1)おる(折る)。おれる(折れる)。「屈折クッセツ」「曲折キョクセツ」 (2)くじく。くじける。「挫折ザセツ」「折衝セッショウ」(衝くほこさきをくじく。外交その他の交渉やかけひき) (3)わける。「折半セッパン」「折衷セッチュウ」(わかれている双方の中ほどをとる)「和洋折衷の家」 (4)死ぬ。「夭折ヨウセツ」 (4)[国]おり(折)。とき。「折節おりふし」
イメージ
「おる」(折・誓)
斤(おの)で木を「切る」(逝・哲)
「セツの音」(浙)
音の変化 セツ:折・浙 セイ:誓・逝 テツ:哲
お る
誓 セイ・ちかう 言部
解字 「言(ことば)+折(おる)」の会意形声。[明史]に「矢を折りて誓う」という言葉がある。明代(14~17世紀)のことであるが、古くからこのような習慣があったと考えると、矢を折って戦う意志のないことを示し、言葉でちかう意となる。
意味 ちかう(誓う)。ちかい。約束する。「誓約セイヤク」「宣誓センセイ」
切 る
逝 セイ・ゆく 之部
解字 「之(ゆく)+折(切る)」の会意形声。この世と切り離され、あの世へ行くこと。
意味 ゆく(逝く)。去る。人が死ぬ。「逝去セイキョ」「急逝キュウセイ」「夭逝ヨウセイ」
哲 テツ・あきらか・さとい 口部
解字 「口(いう)+折(切る)」の会意。言葉で世の中の事象を切り分けること。さとい。
意味 (1)あきらか(哲らか)。さとい(哲い)。道理に明るい。「明哲メイテツ」「英哲エイテツ」「哲学テツガク」(根本の道理を求める学問)「変哲ヘンテツ」(変わった哲学。主に否定形で使う)「変哲もない」(何ら変わったところもない) (2)道理の明らかな人。「哲人テツジン」「先哲センテツ」
セツの音
浙 セツ 氵部
解字 「氵(水)+折(セツ)」の形声。セツという名の川。
意味 (1)川の名。「浙江セッコウ」(中国の杭州をへて杭州湾に注ぐ川。下流を銭塘江といい、河口で年1回発生する逆流現象[海嘯]で有名) (2)地名。「浙江省セッコウショウ」(浙江下流域を含む中国東南部、東シナ海に面する省。省都は杭州、略称は浙。)「浙東運河セットウウンガ」(紹興市寧波から大運河の出発点である浙江省の杭州に至る運河)
<紫色は常用漢字>

解字 甲骨文は「木を分割した形+斤(おの)」の会意で、斧で木を切る様子を表す。金文で木から屮(くさ)二つに変化し、篆文の一字で屮(くさ)が上下連結した手の形が表れ、現代字は「扌(手)+斤」になった。字は甲骨文の木を斤(おの)で切断する形が原点で、切る・折る両方の意味がある。日本では折る意が中心だが、分ける意もある。音符では「おる」「きる」イメージがある。
意味 (1)おる(折る)。おれる(折れる)。「屈折クッセツ」「曲折キョクセツ」 (2)くじく。くじける。「挫折ザセツ」「折衝セッショウ」(衝くほこさきをくじく。外交その他の交渉やかけひき) (3)わける。「折半セッパン」「折衷セッチュウ」(わかれている双方の中ほどをとる)「和洋折衷の家」 (4)死ぬ。「夭折ヨウセツ」 (4)[国]おり(折)。とき。「折節おりふし」
イメージ
「おる」(折・誓)
斤(おの)で木を「切る」(逝・哲)
「セツの音」(浙)
音の変化 セツ:折・浙 セイ:誓・逝 テツ:哲
お る
誓 セイ・ちかう 言部
解字 「言(ことば)+折(おる)」の会意形声。[明史]に「矢を折りて誓う」という言葉がある。明代(14~17世紀)のことであるが、古くからこのような習慣があったと考えると、矢を折って戦う意志のないことを示し、言葉でちかう意となる。
意味 ちかう(誓う)。ちかい。約束する。「誓約セイヤク」「宣誓センセイ」
切 る
逝 セイ・ゆく 之部
解字 「之(ゆく)+折(切る)」の会意形声。この世と切り離され、あの世へ行くこと。
意味 ゆく(逝く)。去る。人が死ぬ。「逝去セイキョ」「急逝キュウセイ」「夭逝ヨウセイ」
哲 テツ・あきらか・さとい 口部
解字 「口(いう)+折(切る)」の会意。言葉で世の中の事象を切り分けること。さとい。
意味 (1)あきらか(哲らか)。さとい(哲い)。道理に明るい。「明哲メイテツ」「英哲エイテツ」「哲学テツガク」(根本の道理を求める学問)「変哲ヘンテツ」(変わった哲学。主に否定形で使う)「変哲もない」(何ら変わったところもない) (2)道理の明らかな人。「哲人テツジン」「先哲センテツ」
セツの音
浙 セツ 氵部
解字 「氵(水)+折(セツ)」の形声。セツという名の川。
意味 (1)川の名。「浙江セッコウ」(中国の杭州をへて杭州湾に注ぐ川。下流を銭塘江といい、河口で年1回発生する逆流現象[海嘯]で有名) (2)地名。「浙江省セッコウショウ」(浙江下流域を含む中国東南部、東シナ海に面する省。省都は杭州、略称は浙。)「浙東運河セットウウンガ」(紹興市寧波から大運河の出発点である浙江省の杭州に至る運河)
<紫色は常用漢字>