

上は世、下は止
解字 金文は、止(あし:あゆむ)に三つの肥点をつけた形。一つの肥点が十を表し、三つで三十年の時のあゆみの意。篆文は肥点の部分が十に変化し、さらに現代字の世となった。三十年、一世代を示す。人の代が変われば社会も様相が変わる。そこで三十年が、世の中の意を表わす。 <参考> 止(あし)の形の変化は、音符「止シ」を参照。
意味 (1)よ(世)。よのなか。「世間セケン」「世代セダイ」「世界セカイ」 (2)時代。「中世チュウセイ」「近世キンセイ」 (3)よよ。代々。「世襲セシュウ」
イメージ
「三十年」(世)
「時間をかける」(貰・泄・紲)
「その他」(笹)
音の変化 セイ:世・貰 セツ:泄・紲 ささ:笹
時間をかける
貰 セイ・もらう 貝部
解字 「貝(財貨)+世(時間をかける)」の会意形声。物を売り買いするとき、お金の支払いをすぐしないで後にのばすこと。つまり、かけ売りや、つけ買いで支払いをのばすこと。買った側はすぐに支払わないことから、日本では「もらう」意で用いる。(30年も支払わなくていいなら、貰ったも同然すね!)
意味 (1)支払いをあとにする。掛けで売買する。「貰買セイバイ」(つけで買う) (2)(あとにする事から転じて)ゆるす。「貰罪セイザイ」(罪をゆるす) (3)[国]もらう(貰う)。「賞金を貰う」「書いて貰う」
泄 セツ・エイ・もれる 氵部
解字 「氵(水)+世(時間をかける)」の会意形声。水が時間をかけて少しずつもれ出ること。
意味 (1)もれる(泄れる)。もらす。液体・気体などがもれ出てくること。「泄漏セツロウ」(秘密などがもれる。=漏泄ロウセツ・ロウエイ」「排泄ハイセツ」(生き物が物質代謝で生じた不用物を体外に出すこと)
紲 セツ・きずな 糸部
解字 「糸(ひも)+世(時間をかける)」の会意形声。長い間、結びつけておく紐の意で、馬のたずなや犬の首輪の紐などをいう。きずなの意となる。
意味 (1)きずな(紲)。馬や牛をつなぐなわ。たずな。「羇紲キセツ」(馬のたずな。羇も紲も、たずなの意)「羇紲キセツを負う」(乗馬の人に従って行く) (2)ものをしばる縄。罪人をつなぐ縄。「縲紲ルイセツ」(獄につながれること。縲も紲も、罪人をしばる縄の意)
その他
笹 <国字> ささ 竹部
解字 「竹(たけ)+世(枼の略体・薄い葉)」の会意。葉ばかりで幹がない竹。ささ。
意味 (1)ささ(笹)。背の低い竹の総称。「笹舟ささぶね」「笹飴ささあめ」 (2)笹の葉のような形。「笹身ささみ」(ニワトリの、笹の葉のような形をした、やわらかい胸の肉) (3)名字。地名。 「笹川ささがわ」「笹崎ささざき」「笹原ささはら」「笹部ささべ」「笹野ささの」
※笹は、音符「葉ヨウ」にも重出した。
<紫色は常用漢字>
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