漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「自ジ」<はな> と「鼻ビ」「息ソク」「熄ソク」「臭シュウ」「嗅キュウ」

2023年02月09日 | 漢字の音符
  自ジからなる音符字の「鼻ビ」「息ソク」「臭シュウ」をまとめました。
 ジ・シ・みずから  自部

解字 甲骨文は人の鼻をかたどった象形。金文以降、形が徐々に変化し現代字は自になった。「私が」というとき鼻を指すので、自分の意に転用された。また、「自分から・ひとりでに」「~から」の意も生じた。
意味 (1)みずから(自ら)。自分で。「自立ジリツ」「自由ジユウ」 (2)おのずから。ひとりでに。「自生ジセイ」「自然シゼン」 (3)もともとから。「自明ジメイ」(明らかで疑いない) (4)~より(自り)。~から。時間や場所の起点。「自今ジコン」(今(いま)自(よ)り。以後)
参考 自は、部首「自みずから」になる。この部は非常に少なく主なものは臭シュウしかない。

イメージ 
 「はな」
(自・鼻・嚊・嬶・息・熄)
 「はなでかぐ」(臭・嗅)
音の変化  ジ:自  キュウ:嗅  シュウ:臭  ソク:息・熄  ヒ:嚊  ビ:鼻  かかあ:嬶 

はな 
  ビ・ヒ・はな  鼻部
  
解字 篆文から旧字まで「自(はな)+畀(ヒ)」の形声。自は、もともと鼻の象形で「はな」の意。畀は、あたえる意だが、ここでは鼻の発音を表す。しかし、もともと鼻の意であった自の発音はジ・シである。これがなぜヒの発音になったのか。はっきりわからないが、ヒの音は鼻息の音を表しているとされる。この字の音符は畀ヒだが重出した。
 新字体は、畀の丌⇒廾に変化した鼻。日本語の「はな」は、端(はな。先端)から来ている。漢字でも同じく先端の意から「はじめ」の意がある。
意味 (1)はな(鼻)。「鼻息はないき」「鼻孔ビコウ」(鼻のあな) (2)はじめ。「鼻祖ビソ」(始祖。元祖)
 ヒ  口部
解字 「口(くち)+鼻の旧字(はな)」の会意形声。口から鼻の息がでること。
意味 (1)はないき。(2)[国]かかあ。(=嬶)。
<国字> かかあ  女部
解字 「女(おんな)+鼻の旧字(=嚊の略体)」の会意。この字で鼻は、嚊ヒ・はないきの略体。嬶かかあは、鼻息のあらい女の意で、妻をたわむれ親しんでよぶ呼称。
意味 かかあ(嬶)。かか。自分の妻をたわむれ親しんで呼ぶ呼称。「嬶天下かかあデンカ」(妻が夫より権力をもち、いばっていること。⇔亭主関白)
 ソク・いき  心部
解字 「心(心臓)+自(はな)」の会意。心臓の動きにつれて、鼻からすうすうと息をすることから、呼吸の意となる。心臓が速く動けば息もはやい。普通は静かに息をすることから、やすむ意ともなる。
意味 (1)いき(息)。呼吸。「息をする」 (2)息をして生存する。「生息セイソク」(生きて住む) (3)(静かに息をすることから)やすむ。「休息キュウソク」 (4)(やすんでじっとすることから)やむ。やめる。「息災ソクサイ」(災いがやむ)「終息シュウソク」 (5)(生息することから子孫がふえる)むすこ。「子息シソク」「息子むすこ」「利息リソク」(お金から息子がうまれるように利がでる)
 ソク・やむ  火部
解字 「火(ひ)+息(息の意味④、やむ)」の会意形声。火がやむ、即ち、きえること。
意味 (1)火がきえる。きえる。「熄滅ソクメツ」(消えてなくなる) (2)やむ(熄む)。「終熄シュウソク」(事が終っておさまる。=終息)

はなでかぐ
[臭]  シュウ・くさい・におう  自部  
解字 旧字は臭で「犬(いぬ)+自(はなでかぐ)」の会意形声。犬の鼻は嗅覚がするどいことから、におう、くさい意となる。新字体は、犬が大に変化した。
意味 (1)におう(臭う)。におい。「臭気シュウキ」※よい香りの時は「匂う」を使う。 (2)くさい(臭い)。いやなにおい。「悪臭アクシュウ」「体臭タイシュウ
 キュウ・かぐ  口部
解字 「口+臭の旧字(自+犬。におい)」 の会意形声。鼻のあな(口)から臭いを「かぐ」こと。この字は追加指定の常用漢字のため犬がそのまま残っている。犬を大と書いても可。
意味 かぐ(嗅ぐ)。においをかぐ。「嗅覚キュウカク」(かぐ機能)「嗅診キュウシン」(においを嗅いで診察する)「嗅石キュウセキ」(石を嗅ぐ。石を嗅いで、その中の金や玉を知ることができる神話の獣)
<紫色は常用漢字>

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