鶇つぐみ、を追加しました。
東 トウ・ひがし 木部
東は筒状の袋に荷物を入れ、両端を結んだ形。
(李楽毅著「漢字演変字典1000例」の東より)
解字 甲骨文・金文とも筒状の袋の両端を縄でしばった形の象形。袋の中ほどもしばっており甲骨文第二字はタスキがけに結んでいる。この袋は普段は両端が開いている袋で、荷物を入れて運ぶのに使用した。袋に荷物を詰めると両端を結び、人が背負って運んだ。この字形が「重い」という字になる(音符「重ジュウ」を参照)。また、家畜の背に積むときは中ほどに荷物をいれないようにして、背で振り分けた。
甲骨文字では仮借カシャ(当て字)して方角の東の意味で使われた。字形は篆文から木のあいだに日が入った「東」の形に変化した。
意味 ひがし(東)。「東天トウテン」(東の空)「極東キョクトウ」「関東カントウ」「東遷トウセン」(都などが東へ移動する)「東征トウセイ」(東の敵を征伐する)
イメージ
「仮借カシャ」(東)
「形声文字」(棟・凍・鶇)
本来の意味の「荷物を入れたふくろ」(陳)
音の変化 トウ:東・棟・凍・鶇 チン:陳
形声文字
棟 トウ・むね・むな 木部
解字 「木(き)+東(トウ)」の形声。トウは通トウ・ツウ(とおる)に通じ、屋根の最も高い所をつらぬいて通る木。甲骨・金文の袋は普段は両端が開いている袋であり、通る意味があるのではないだろうか[私見]。なお[説文解字]は「極キョク也。木に従い東の聲(声)」とし、「同注」は「極者(は)屋の至高之(の)處(ところ)を謂(い)う」と補足している。
意味 (1)むね(棟)。むなぎ(棟木)。屋根の最も高い水平部分。また、その部分の木。「棟上(むねあ)げ」「棟瓦むねがわら・むながわら」「棟幹トウカン」(棟に使う太い木。すぐれた才能) (2)かしら。「棟梁トウリョウ」(棟むねと梁はり。集団のささえとなる統率者)
凍 トウ・こおる・こごえる 冫部
解字 「冫(こおり)+東(トウ)」の形声。トウは通トウ・ツウ(とおる)に通じ、氷の冷たさが隅々まで通ること。[説文解字]は「仌(冫=こおり)也。仌に従い東の聲(声)」としている。
意味 (1)こおる(凍る)。いてる(凍てる)。「凍結トウケツ」「凍土トウド」 (2)こごえる(凍える)。「凍傷トウショウ」「凍死トウシ」
鶇 トウ・つぐみ 鳥部
解字 「鳥(とり)+東(トウの音)」の形声。トウという名の鳥。つぐみをいう。
ツグミ(「野鳥図鑑・日本野鳥の会」より)
意味 つぐみ(鶇)。鶫とも書く。スズメ目ヒタキ科の鳥。シベリアで繁殖し秋に大群で中国や日本に飛来する渡り鳥。上記の「野鳥図鑑」は「日本では秋に林に渡来するが、冬には農耕地、河川敷、芝生などの開けた地上で見る。「クィクィ」または「キュッキュー」と2声で鳴くことが多い」と説明している。
荷物を入れたふくろ
陳 チン・のべる・つらねる・ひねる 阝部
解字 金文は、「阝(神が降りるはしご)+土(つち)+東(ふくろ)」の会意。「阝+土」は梯子から神が降り立つ地、そこに東(ふくろ)がついた陳は、神が降り立つ地の前に袋の中の供物をつらね、神に願い事をのべること。つらねる意と、のべる意になる。篆文と現代字は土が省略された陳となる。また、供物を長いあいだ供えて置くと、古くなり陳腐の意となる。
意味 (1)ならべる。つらねる(陳ねる)。「陳列チンレツ」「出陳シュッチン」 (2)のべる(陳べる)。申し立てる。「陳述チンジュツ」「陳情チンジョウ」「陳謝チンシャ」(事情を陳べて相手に謝る) (3)ふるい。ひねる(陳ねる)。「陳腐チンプ」(古くて腐る。ふるくさい)「陳皮チンピ」(ミカンの皮を乾かした生薬。(ミカンの)皮が古い意)
<紫色は常用漢字>
<東が含まれる音符>
重 ジュウ・チョウ・え・おもい・かさねる・かさなる 里部
解字 金文第一字は「人(ひと)+東(中に荷物が入った袋)」で、人が荷物をいれた袋を背負う形。荷物が重い意となる。金文第二字は人が東の上にきた形。篆文は、さらに下に土がつき人が持つ袋の重みが土にかかる意で、重い意を表す。現代字は形が変わり、千と里がつながった重になった。したがって部首は里になっている。
意味 (1)おもい(重い)。おもさ。「重量ジュウリョウ」 (2)おもおもしい「重厚ジュウコウ」 (3)大切にする。「重用チョウヨウ」 (4)かさなる(重なる)。「重箱ジュウばこ」「八重やえ」
https://blog.goo.ne.jp/ishiseiji/e/c389762c6e634eb7148b25ab803b4ffb
曹 ソウ・ゾウ・ともがら 曰部
解字 甲骨文字は、「東(荷物を入れた袋)+東(荷物を入れた袋)+口(くち)」の形。東東は荷物二つで荷物を運ぶ二人を表す。そこに口がついて、荷物を運ぶ人が互いに話をしている形で、ともがら・なかまの意。金文は口⇒口にものを含む形になり、篆文は曰(いう)になったが意味は話す意で変わらず、同じ職業のなかまの意。後に裁判用語として使われたため、司法関係の役所やひろく役人の意味となった。楷書から曰⇒日となり上部が簡略化された曹となった。東が荷物を入れた袋であることについては、音符「東トウ」を参照。
意味 (1)なかま。ともがら(曹)。 (2)つかさ。裁判官。役人。「法曹ホウソウ」(法律家) (3)軍隊などの階級の一つ。「軍曹グンソウ」 (4)「曹司ゾウシ」とは、官吏や女官の部屋の意。「御曹司オンゾウシ」(堂上家の部屋住みの子息。名門の子弟) (5)外国語の音訳。「曹達ソーダ」(オランダ語 soda[ナトリウム塩。通常は炭酸ナトリウムを指す]の音訳語)「重曹ジュウソウ」(重炭酸曹達の略。炭酸水素ナトリウムの俗称)
https://blog.goo.ne.jp/ishiseiji/e/71ee5c5316397553917aa6156f676619
量 リョウ・はかる 里部
解字 甲骨文は、穀物をいれる袋の上に、注ぎ口を表した形。穀物の量をはかる意味を示す。金文は口⇒日に変化。篆文以降、形が変化し、現代字は、「日+一+里」の形になった。漢字検索のための部首は里。形が大幅に変化しているので、ごろ合わせで覚えると便利。
覚え方 ひ(日)に、いち(一)ど、さと(里)で、量って計量す。
意味 (1)はかる(量る)。「計量ケイリョウ」「量器リョウキ」 (2)かさ。容積。人間のもつ力や気持ちの大きさ。「容量ヨウリョウ」「力量リキリョウ」「度量ドリョウ」 (3)ます。「度量衡ドリョウコウ」(長さと容積と重さ)
https://blog.goo.ne.jp/ishiseiji/e/b9aa36b7a202a83af4c856458e3a9657
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東 トウ・ひがし 木部
東は筒状の袋に荷物を入れ、両端を結んだ形。
(李楽毅著「漢字演変字典1000例」の東より)
解字 甲骨文・金文とも筒状の袋の両端を縄でしばった形の象形。袋の中ほどもしばっており甲骨文第二字はタスキがけに結んでいる。この袋は普段は両端が開いている袋で、荷物を入れて運ぶのに使用した。袋に荷物を詰めると両端を結び、人が背負って運んだ。この字形が「重い」という字になる(音符「重ジュウ」を参照)。また、家畜の背に積むときは中ほどに荷物をいれないようにして、背で振り分けた。
甲骨文字では仮借カシャ(当て字)して方角の東の意味で使われた。字形は篆文から木のあいだに日が入った「東」の形に変化した。
意味 ひがし(東)。「東天トウテン」(東の空)「極東キョクトウ」「関東カントウ」「東遷トウセン」(都などが東へ移動する)「東征トウセイ」(東の敵を征伐する)
イメージ
「仮借カシャ」(東)
「形声文字」(棟・凍・鶇)
本来の意味の「荷物を入れたふくろ」(陳)
音の変化 トウ:東・棟・凍・鶇 チン:陳
形声文字
棟 トウ・むね・むな 木部
解字 「木(き)+東(トウ)」の形声。トウは通トウ・ツウ(とおる)に通じ、屋根の最も高い所をつらぬいて通る木。甲骨・金文の袋は普段は両端が開いている袋であり、通る意味があるのではないだろうか[私見]。なお[説文解字]は「極キョク也。木に従い東の聲(声)」とし、「同注」は「極者(は)屋の至高之(の)處(ところ)を謂(い)う」と補足している。
意味 (1)むね(棟)。むなぎ(棟木)。屋根の最も高い水平部分。また、その部分の木。「棟上(むねあ)げ」「棟瓦むねがわら・むながわら」「棟幹トウカン」(棟に使う太い木。すぐれた才能) (2)かしら。「棟梁トウリョウ」(棟むねと梁はり。集団のささえとなる統率者)
凍 トウ・こおる・こごえる 冫部
解字 「冫(こおり)+東(トウ)」の形声。トウは通トウ・ツウ(とおる)に通じ、氷の冷たさが隅々まで通ること。[説文解字]は「仌(冫=こおり)也。仌に従い東の聲(声)」としている。
意味 (1)こおる(凍る)。いてる(凍てる)。「凍結トウケツ」「凍土トウド」 (2)こごえる(凍える)。「凍傷トウショウ」「凍死トウシ」
鶇 トウ・つぐみ 鳥部
解字 「鳥(とり)+東(トウの音)」の形声。トウという名の鳥。つぐみをいう。
ツグミ(「野鳥図鑑・日本野鳥の会」より)
意味 つぐみ(鶇)。鶫とも書く。スズメ目ヒタキ科の鳥。シベリアで繁殖し秋に大群で中国や日本に飛来する渡り鳥。上記の「野鳥図鑑」は「日本では秋に林に渡来するが、冬には農耕地、河川敷、芝生などの開けた地上で見る。「クィクィ」または「キュッキュー」と2声で鳴くことが多い」と説明している。
荷物を入れたふくろ
陳 チン・のべる・つらねる・ひねる 阝部
解字 金文は、「阝(神が降りるはしご)+土(つち)+東(ふくろ)」の会意。「阝+土」は梯子から神が降り立つ地、そこに東(ふくろ)がついた陳は、神が降り立つ地の前に袋の中の供物をつらね、神に願い事をのべること。つらねる意と、のべる意になる。篆文と現代字は土が省略された陳となる。また、供物を長いあいだ供えて置くと、古くなり陳腐の意となる。
意味 (1)ならべる。つらねる(陳ねる)。「陳列チンレツ」「出陳シュッチン」 (2)のべる(陳べる)。申し立てる。「陳述チンジュツ」「陳情チンジョウ」「陳謝チンシャ」(事情を陳べて相手に謝る) (3)ふるい。ひねる(陳ねる)。「陳腐チンプ」(古くて腐る。ふるくさい)「陳皮チンピ」(ミカンの皮を乾かした生薬。(ミカンの)皮が古い意)
<紫色は常用漢字>
<東が含まれる音符>
重 ジュウ・チョウ・え・おもい・かさねる・かさなる 里部
解字 金文第一字は「人(ひと)+東(中に荷物が入った袋)」で、人が荷物をいれた袋を背負う形。荷物が重い意となる。金文第二字は人が東の上にきた形。篆文は、さらに下に土がつき人が持つ袋の重みが土にかかる意で、重い意を表す。現代字は形が変わり、千と里がつながった重になった。したがって部首は里になっている。
意味 (1)おもい(重い)。おもさ。「重量ジュウリョウ」 (2)おもおもしい「重厚ジュウコウ」 (3)大切にする。「重用チョウヨウ」 (4)かさなる(重なる)。「重箱ジュウばこ」「八重やえ」
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曹 ソウ・ゾウ・ともがら 曰部
解字 甲骨文字は、「東(荷物を入れた袋)+東(荷物を入れた袋)+口(くち)」の形。東東は荷物二つで荷物を運ぶ二人を表す。そこに口がついて、荷物を運ぶ人が互いに話をしている形で、ともがら・なかまの意。金文は口⇒口にものを含む形になり、篆文は曰(いう)になったが意味は話す意で変わらず、同じ職業のなかまの意。後に裁判用語として使われたため、司法関係の役所やひろく役人の意味となった。楷書から曰⇒日となり上部が簡略化された曹となった。東が荷物を入れた袋であることについては、音符「東トウ」を参照。
意味 (1)なかま。ともがら(曹)。 (2)つかさ。裁判官。役人。「法曹ホウソウ」(法律家) (3)軍隊などの階級の一つ。「軍曹グンソウ」 (4)「曹司ゾウシ」とは、官吏や女官の部屋の意。「御曹司オンゾウシ」(堂上家の部屋住みの子息。名門の子弟) (5)外国語の音訳。「曹達ソーダ」(オランダ語 soda[ナトリウム塩。通常は炭酸ナトリウムを指す]の音訳語)「重曹ジュウソウ」(重炭酸曹達の略。炭酸水素ナトリウムの俗称)
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量 リョウ・はかる 里部
解字 甲骨文は、穀物をいれる袋の上に、注ぎ口を表した形。穀物の量をはかる意味を示す。金文は口⇒日に変化。篆文以降、形が変化し、現代字は、「日+一+里」の形になった。漢字検索のための部首は里。形が大幅に変化しているので、ごろ合わせで覚えると便利。
覚え方 ひ(日)に、いち(一)ど、さと(里)で、量って計量す。
意味 (1)はかる(量る)。「計量ケイリョウ」「量器リョウキ」 (2)かさ。容積。人間のもつ力や気持ちの大きさ。「容量ヨウリョウ」「力量リキリョウ」「度量ドリョウ」 (3)ます。「度量衡ドリョウコウ」(長さと容積と重さ)
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