増補改訂しました。
翟 テキ・タク・ジャク 羽部

解字 「羽(はね)+隹(とり)」の会意。長く美しい羽をもつ鳥の意で、雉(きじ)を表す。雉の雄は羽が美しく、また、長い羽を高くあげたり、上下させることから、翟を含む字は、(羽を)高くあげる、上げ下げする、イメージを持つ。
尾の長いキジ(中国のネットから。現在なし)

キジの羽をつける京劇の役者
意味 (1)尾の長いキジ。 (2)きじばね。「翟衣テキイ」(きじの羽で飾った衣)「翟者テキシャ」(きじの羽を持って舞う役者。楽吏の下級の者)
イメージ
「きじのはね」(翟)
きじが羽を「高くあげる」(躍・擢)
きじが羽を「上げ下げする」(濯・櫂・糶・糴・戳)
「形声字」(曜・燿・耀)
音の変化 テキ:翟・擢・糴 タク:濯・戳 チョウ:糶 トウ:櫂 ヤク:躍 ヨウ:曜・燿・耀
高くあげる
躍 ヤク・おどる 足部
解字 「足(あし)+翟(高くあげる)」の会意形声。足を高くあげて飛びあがること。
意味 おどる(躍る)。おどりあがる。とびはねる。「躍進ヤクシン」(勢いよく進む)「躍動ヤクドウ」(いきいきと動く)「躍起ヤッキ」(必死になる)「跳躍チョウヤク」(地面を蹴ってとびあがる)
擢 テキ・タク・ぬく・ぬきんでる 扌部
解字 「扌(手)+翟(高くあげる)」の会意形声。手で物を高く抜きあげること。
意味 (1)ぬく(擢く)。ひきぬく。「抜擢バッテキ」(多くの中から特に引き抜いて登用する)「擢用テキヨウ」(=抜擢。選び出して取り立てる) (2)ぬきんでる(擢んでる)。「擢秀テキシュウ」(すぐれぬきんでること)
上げ下げする
濯 タク・あらう・すすぐ 氵部
解字 「氵(水)+翟(上げ下げする)」の会意形声。水につけたものを上げ下げする。
意味 あらう(濯う)。すすぐ(濯ぐ)。「洗濯センタク」「濯澡タクソウ」(=洗濯)「濯足タクソク」(足をあらう)
櫂 トウ・かい 木部
解字 「木(き)+翟(上げ下げする)」の会意形声。水の中を上げ下げしてかき、舟をすすませる木製のかい。
意味 かい(櫂)。オール。かいで舟をこぐ。「櫂舟トウシュウ」(櫂で舟をこぐ)「櫂歌トウカ」(舟歌)「櫂先かいさき」(①櫂のさき。②茶杓の先の抹茶をすくうところ)
糶 チョウ・うりよね・せり 米部
解字 「出(だす)+米(こめ)+翟(あげさげする)」の会意形声。相場が上げ下げする市場に米を出すこと。市場に米を出して競ること。
意味 (1)米を売りに出す。うりよね(糶)。「糶売チョウバイ」(①米を売ること。②せりうりする) (2)せり(糶)。せりうり。競売。「糶市せりいち」(価格のせりあいをする市)「糶取せどり」(同業者間の売買の仲介をして手数料をとる=競取)
糴 テキ・いりよね・かいよね 米部
解字 「入(はいる)+米(こめ)+翟(あげさげする)」の会意形声。相場が上げ下げする市場から米を買い入れること。
意味 かいよね(糴)。いりよね(糴)。「糴糶テキチョウ」(穀物の売買)
戳 タク・(さす) 戈部
解字 「戈(ほこ)+翟(あげさげする)」の会意形声。武器の戈(ほこ)を上げ下げして、刺すこと。転義で印を押す意味がある。
意味 (1)さす。つく。「戳穿タクセン」(さしつらぬく) (2)さして傷つける。「戳傷タクショウ」(さしきず) (3)印を押す。「戳記タクキ」(印章。スタンプ)
形声字
燿 ヨウ・かがやく 火部
解字 「火(ひ)+翟(テキ⇒ヨウ)」の形声。[説文解字]は「照(て)る也(なり)。火に従い翟の聲(声)。発音は弋笑切(ヨウ)」とする。火の光がかがやく意。火がかがやく意で出来たのが燿。しかし、のちに輝ができ、取って代わられた。
意味 かがやく(燿く)。(=輝く)。「燿徳ヨウトク」(徳をかがやかす)
耀 ヨウ・かがやく 羽部(本来は光だが、光は部首にならない)
解字 「光(ひかり)+翟(ヨウ=燿ヨウ)」の形声。光かがやくこと。燿の字の火⇒光に変えてできた後起の字。篆文になく北魏の石碑に見える[字通]。現在は、この字がよく使われる。部首は本来、光だが、この字は部首にならないため、便宜的に翟の羽が部首になっている。
意味 かがやく(耀く)。ひかる。てる。「耀光ヨウコウ」(耀く光り)「栄耀エイヨウ」(栄え耀く)「耀名ヨウメイ」(名を輝かす)
曜 ヨウ・かがやく 日部
解字 「日(日光)+翟(ヨウ=燿ヨウ)」の形声。翟(ヨウ)は燿ヨウの略体。日がかがやく意。転じて、日・月・星の総称。
意味 (1)かがやく(曜く)。日のかがやき。ひかり。 「照曜ショウヨウ」(照りかがやく) (2)日・月・星の総称。空のかがやく七つの星。日・月と五星(火・水・木・金・土)を七曜という。 (3)一週間を七曜に当てはめた各曜日。
<紫色は常用漢字>
疑問 翟を含む常用漢字の曜・濯・躍、およびそれに準じた耀は、羽の部分がヨをならべたヨヨの形になっている。意味も隹(とり)の羽なのだから「羽」と書くべきではなかろうか。中国簡体字は躍[跃]だけが簡略化されているが、あとの全ておよび繁体字も「羽」である。
翟 テキ・タク・ジャク 羽部

解字 「羽(はね)+隹(とり)」の会意。長く美しい羽をもつ鳥の意で、雉(きじ)を表す。雉の雄は羽が美しく、また、長い羽を高くあげたり、上下させることから、翟を含む字は、(羽を)高くあげる、上げ下げする、イメージを持つ。

尾の長いキジ(中国のネットから。現在なし)

キジの羽をつける京劇の役者
意味 (1)尾の長いキジ。 (2)きじばね。「翟衣テキイ」(きじの羽で飾った衣)「翟者テキシャ」(きじの羽を持って舞う役者。楽吏の下級の者)
イメージ
「きじのはね」(翟)
きじが羽を「高くあげる」(躍・擢)
きじが羽を「上げ下げする」(濯・櫂・糶・糴・戳)
「形声字」(曜・燿・耀)
音の変化 テキ:翟・擢・糴 タク:濯・戳 チョウ:糶 トウ:櫂 ヤク:躍 ヨウ:曜・燿・耀
高くあげる
躍 ヤク・おどる 足部
解字 「足(あし)+翟(高くあげる)」の会意形声。足を高くあげて飛びあがること。
意味 おどる(躍る)。おどりあがる。とびはねる。「躍進ヤクシン」(勢いよく進む)「躍動ヤクドウ」(いきいきと動く)「躍起ヤッキ」(必死になる)「跳躍チョウヤク」(地面を蹴ってとびあがる)
擢 テキ・タク・ぬく・ぬきんでる 扌部
解字 「扌(手)+翟(高くあげる)」の会意形声。手で物を高く抜きあげること。
意味 (1)ぬく(擢く)。ひきぬく。「抜擢バッテキ」(多くの中から特に引き抜いて登用する)「擢用テキヨウ」(=抜擢。選び出して取り立てる) (2)ぬきんでる(擢んでる)。「擢秀テキシュウ」(すぐれぬきんでること)
上げ下げする
濯 タク・あらう・すすぐ 氵部
解字 「氵(水)+翟(上げ下げする)」の会意形声。水につけたものを上げ下げする。
意味 あらう(濯う)。すすぐ(濯ぐ)。「洗濯センタク」「濯澡タクソウ」(=洗濯)「濯足タクソク」(足をあらう)
櫂 トウ・かい 木部
解字 「木(き)+翟(上げ下げする)」の会意形声。水の中を上げ下げしてかき、舟をすすませる木製のかい。
意味 かい(櫂)。オール。かいで舟をこぐ。「櫂舟トウシュウ」(櫂で舟をこぐ)「櫂歌トウカ」(舟歌)「櫂先かいさき」(①櫂のさき。②茶杓の先の抹茶をすくうところ)
糶 チョウ・うりよね・せり 米部
解字 「出(だす)+米(こめ)+翟(あげさげする)」の会意形声。相場が上げ下げする市場に米を出すこと。市場に米を出して競ること。
意味 (1)米を売りに出す。うりよね(糶)。「糶売チョウバイ」(①米を売ること。②せりうりする) (2)せり(糶)。せりうり。競売。「糶市せりいち」(価格のせりあいをする市)「糶取せどり」(同業者間の売買の仲介をして手数料をとる=競取)
糴 テキ・いりよね・かいよね 米部
解字 「入(はいる)+米(こめ)+翟(あげさげする)」の会意形声。相場が上げ下げする市場から米を買い入れること。
意味 かいよね(糴)。いりよね(糴)。「糴糶テキチョウ」(穀物の売買)
戳 タク・(さす) 戈部
解字 「戈(ほこ)+翟(あげさげする)」の会意形声。武器の戈(ほこ)を上げ下げして、刺すこと。転義で印を押す意味がある。
意味 (1)さす。つく。「戳穿タクセン」(さしつらぬく) (2)さして傷つける。「戳傷タクショウ」(さしきず) (3)印を押す。「戳記タクキ」(印章。スタンプ)
形声字
燿 ヨウ・かがやく 火部
解字 「火(ひ)+翟(テキ⇒ヨウ)」の形声。[説文解字]は「照(て)る也(なり)。火に従い翟の聲(声)。発音は弋笑切(ヨウ)」とする。火の光がかがやく意。火がかがやく意で出来たのが燿。しかし、のちに輝ができ、取って代わられた。
意味 かがやく(燿く)。(=輝く)。「燿徳ヨウトク」(徳をかがやかす)
耀 ヨウ・かがやく 羽部(本来は光だが、光は部首にならない)
解字 「光(ひかり)+翟(ヨウ=燿ヨウ)」の形声。光かがやくこと。燿の字の火⇒光に変えてできた後起の字。篆文になく北魏の石碑に見える[字通]。現在は、この字がよく使われる。部首は本来、光だが、この字は部首にならないため、便宜的に翟の羽が部首になっている。
意味 かがやく(耀く)。ひかる。てる。「耀光ヨウコウ」(耀く光り)「栄耀エイヨウ」(栄え耀く)「耀名ヨウメイ」(名を輝かす)
曜 ヨウ・かがやく 日部
解字 「日(日光)+翟(ヨウ=燿ヨウ)」の形声。翟(ヨウ)は燿ヨウの略体。日がかがやく意。転じて、日・月・星の総称。
意味 (1)かがやく(曜く)。日のかがやき。ひかり。 「照曜ショウヨウ」(照りかがやく) (2)日・月・星の総称。空のかがやく七つの星。日・月と五星(火・水・木・金・土)を七曜という。 (3)一週間を七曜に当てはめた各曜日。
<紫色は常用漢字>
疑問 翟を含む常用漢字の曜・濯・躍、およびそれに準じた耀は、羽の部分がヨをならべたヨヨの形になっている。意味も隹(とり)の羽なのだから「羽」と書くべきではなかろうか。中国簡体字は躍[跃]だけが簡略化されているが、あとの全ておよび繁体字も「羽」である。