庚コウと康コウの解字をやり直しました。
庚 コウ・かのえ 广部
解字 甲骨文は楽器の象形。下が開いた鐘の象形とするのが妥当であろう。意味は、十干の七番目、人名、祭祀名。[甲骨文字辞典]。金文は甲骨とほぼ同じ形。篆文[説文解字]は「キネのような形+両手」になり両手でキネを持ち(臼を)つく形になった。現代字は、途中の隷書(漢代)を経て「庚」へと大幅に変化した。意味は甲骨文字からある十干の七番目の「かのえ」のほか、とし・年齢の意味で用いられる。なお、篆文以降の形の変化が、意味の変化をともない、音符字である康の意味に影響を与えている。
十干の読み方(オンライン無料塾「ターンナップ」より)
意味 (1)かのえ(庚)。十干の七番目。「庚申コウシン」(かのえさる。十干と十二支とを組み合わせたものの第五七番目。また、それに当たる年、月、日など)「庚申待コウシンまち」(庚申の夜、寝ないで徹夜する習俗)「庚申塚コウシンづか」(路傍などに庚申さん[青面金剛]を祀ってある塚) (2)とし。年齢。「同庚ドウコウ」(おないどし)
康 コウ <米をついてカラが飛び散る>
康 コウ・やすい 广部
解字 甲骨文は楽器の象形である庚に小点を加えた形で、楽器の音を表現した指示記号であろう。庚は発音も表す亦声(声符)の部分。意味は王の名として使用されている[甲骨文字辞典]。
金文は甲骨とほぼ同じ形で、人名、宮の名、および和楽の意に用いられている。篆文は、[説文解字]にこの字がないが、穅コウ(=糠)の字があるので、ここから康を抜き出した。両手でキネのようなものを持ち、(臼を)ついている形と思われ、ついた米のカラが飛び散っているさまを点で表している。庚の字でも分かるように、篆文から脱穀の意味に変化したようである。隷書(漢代)から形が大きく変化し、現代字は康となったが、甲骨文字と見比べると同じ字とは思えないほどの変化である。意味は、やすらかの意で金文と同じであるが、解字としては「庚(キネでつく)+とびちるカラ」の会意形声で、脱穀または精米を表す形だが、転じて、お米が実り臼でついて食事ができて、生活がやすらかの意と解釈したい。
意味 (1)やすい(康い)。やすらか。「安康アンコウ」(安全でやすらか)「康楽コウラク」(やすらかにたのしむ)「小康ショウコウ」(しばしのやすらき) (2)じょうぶ。たっしゃ。「健康ケンコウ」 (3)太い道路。「康衢コウク」(康は五達した道路、衢クは四達した道路で)都のちまた。大通りの意。
イメージ
「米をついてカラが飛び散る」(康・糠)
「同音代替」(慷)
「コウの音」(鱇)
音の変化 コウ:康・糠・慷・鱇
米をついてカラが飛び散る
糠 コウ・ぬか 米部
解字 「米(こめ)+康(米をついてカラが飛び散る)」の会意形声。康がやすらかの意となったので、米をつけて本来の意味を表した。ここでのカラは玄米を搗いたカラ、すなわち米ヌカを意味する。
意味 (1)ぬか(糠)。玄米を精白するとき出る粉状のもの。「糠味噌ぬかみそ」(野菜などを漬けるため米糠に塩をまぜて発酵させたもの。) (2)ぬかのように細かいもの。「糠雨ぬかあめ」 (3)粗末な食べ物。「糟糠ソウコウ」(酒かすと米糠。粗末な食べ物)「糟糠の妻」(貧乏な時から苦労を共にしてきた妻)
同音代替
慷 コウ 忄部
解字 「忄(こころ)+康(コウ)」の形声。コウは亢コウ(たかぶる)に通じ、社会の不正義などに心がたかぶること。いきどおりなげく意に使う。正字(篆文)は忼コウで、慷は同音代替字。
意味 なげく。気がたかぶる。いきどおりなげく。「慷慨コウガイ」(いきどおりなげく)「悲憤慷慨ヒフンコウガイ」
コウの音
鱇 <国字> こう 魚部
鮟鱇(ウィキペディアより)
解字 「魚(さかな)+康(コウ)」の形声。コウという名の魚を表す国字。
意味 鮟鱇アンコウに用いられる字。鮟鱇とは海底にすむアンコウ科の海魚。体は平たく口は大きい。背びれに突起があり、これで小魚を誘引して呑みこむ。「あんこう」の語源は、口をあんぐり開けるから「あん口コウ」という説がある。日本語の「あんこう」という名の魚に、魚へんに安康をつけて表したもの。「鮟鱇形アンコウガタ」(鮟鱇のように太って腹の出ている力士。あんこ形)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
庚 コウ・かのえ 广部
解字 甲骨文は楽器の象形。下が開いた鐘の象形とするのが妥当であろう。意味は、十干の七番目、人名、祭祀名。[甲骨文字辞典]。金文は甲骨とほぼ同じ形。篆文[説文解字]は「キネのような形+両手」になり両手でキネを持ち(臼を)つく形になった。現代字は、途中の隷書(漢代)を経て「庚」へと大幅に変化した。意味は甲骨文字からある十干の七番目の「かのえ」のほか、とし・年齢の意味で用いられる。なお、篆文以降の形の変化が、意味の変化をともない、音符字である康の意味に影響を与えている。
十干の読み方(オンライン無料塾「ターンナップ」より)
意味 (1)かのえ(庚)。十干の七番目。「庚申コウシン」(かのえさる。十干と十二支とを組み合わせたものの第五七番目。また、それに当たる年、月、日など)「庚申待コウシンまち」(庚申の夜、寝ないで徹夜する習俗)「庚申塚コウシンづか」(路傍などに庚申さん[青面金剛]を祀ってある塚) (2)とし。年齢。「同庚ドウコウ」(おないどし)
康 コウ <米をついてカラが飛び散る>
康 コウ・やすい 广部
解字 甲骨文は楽器の象形である庚に小点を加えた形で、楽器の音を表現した指示記号であろう。庚は発音も表す亦声(声符)の部分。意味は王の名として使用されている[甲骨文字辞典]。
金文は甲骨とほぼ同じ形で、人名、宮の名、および和楽の意に用いられている。篆文は、[説文解字]にこの字がないが、穅コウ(=糠)の字があるので、ここから康を抜き出した。両手でキネのようなものを持ち、(臼を)ついている形と思われ、ついた米のカラが飛び散っているさまを点で表している。庚の字でも分かるように、篆文から脱穀の意味に変化したようである。隷書(漢代)から形が大きく変化し、現代字は康となったが、甲骨文字と見比べると同じ字とは思えないほどの変化である。意味は、やすらかの意で金文と同じであるが、解字としては「庚(キネでつく)+とびちるカラ」の会意形声で、脱穀または精米を表す形だが、転じて、お米が実り臼でついて食事ができて、生活がやすらかの意と解釈したい。
意味 (1)やすい(康い)。やすらか。「安康アンコウ」(安全でやすらか)「康楽コウラク」(やすらかにたのしむ)「小康ショウコウ」(しばしのやすらき) (2)じょうぶ。たっしゃ。「健康ケンコウ」 (3)太い道路。「康衢コウク」(康は五達した道路、衢クは四達した道路で)都のちまた。大通りの意。
イメージ
「米をついてカラが飛び散る」(康・糠)
「同音代替」(慷)
「コウの音」(鱇)
音の変化 コウ:康・糠・慷・鱇
米をついてカラが飛び散る
糠 コウ・ぬか 米部
解字 「米(こめ)+康(米をついてカラが飛び散る)」の会意形声。康がやすらかの意となったので、米をつけて本来の意味を表した。ここでのカラは玄米を搗いたカラ、すなわち米ヌカを意味する。
意味 (1)ぬか(糠)。玄米を精白するとき出る粉状のもの。「糠味噌ぬかみそ」(野菜などを漬けるため米糠に塩をまぜて発酵させたもの。) (2)ぬかのように細かいもの。「糠雨ぬかあめ」 (3)粗末な食べ物。「糟糠ソウコウ」(酒かすと米糠。粗末な食べ物)「糟糠の妻」(貧乏な時から苦労を共にしてきた妻)
同音代替
慷 コウ 忄部
解字 「忄(こころ)+康(コウ)」の形声。コウは亢コウ(たかぶる)に通じ、社会の不正義などに心がたかぶること。いきどおりなげく意に使う。正字(篆文)は忼コウで、慷は同音代替字。
意味 なげく。気がたかぶる。いきどおりなげく。「慷慨コウガイ」(いきどおりなげく)「悲憤慷慨ヒフンコウガイ」
コウの音
鱇 <国字> こう 魚部
鮟鱇(ウィキペディアより)
解字 「魚(さかな)+康(コウ)」の形声。コウという名の魚を表す国字。
意味 鮟鱇アンコウに用いられる字。鮟鱇とは海底にすむアンコウ科の海魚。体は平たく口は大きい。背びれに突起があり、これで小魚を誘引して呑みこむ。「あんこう」の語源は、口をあんぐり開けるから「あん口コウ」という説がある。日本語の「あんこう」という名の魚に、魚へんに安康をつけて表したもの。「鮟鱇形アンコウガタ」(鮟鱇のように太って腹の出ている力士。あんこ形)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
PC上で自分の学習帳を作りたい場合に、これを表示したいと考えています。
難から隹を取り去った部分については、「字源ネット 漢字の部品」で見つけました。𦰩 です。ここには、いろんな部品がありますので、便利です。
- https://jigen.net/buhin/
- http://glyphwiki.org/wiki/u5e9a
- https://kanji.jitenon.jp/sp/
なお現在、下記の漢字に含まれる声符部品を探そうとしています。
律
輪
述
陀
朽
庚
聿イツ
侖リン・ロン
朮ジュツ
它タ
丂コウ
なお、庚コウは、これで声符ですので、これ以上の分解はむずかしいですね。
残念ながら,庚から广を取り去った部分については,今のところは台湾中央研究院 CDP 外字にしかないようです。
ところで,
(他人様のブログで自説を炫かすのは無礼ですが……)
現在,計算機上で最も多様かつ互換性のある表現ができる文字符号化体系はUnicodeという体系でしょう。Unicodeにおける,漢字をその構成部品で表現する漢字構成記述文字列という方法がありますが,その構成表現を検索できるWebサービスがあります。使ってみてはいかがでしょう。
<http://www.chise.org/ids-find>
なお、ご推奨いただいたWebサービスをクリックしたのですが、うまくつながりません。
リンクが誤認識されているかもしれませんね。
http://www.chise.org/ids-find
↑これでどうでしょう。
お目汚し失礼しました。
ただし、この字はネットで流通できなくて、ワード上に移植できる性質のものでした。埋め込んで印刷(コピー)に使えますので、役にたちます。