増訂しました。
取 シュ・とる 又部
解字 「耳(みみ)+又(て)」の会意。戦功のしるしとして討ち取った敵の耳を切り取って、しっかり手に持つことを示す。
意味 とる(取る)。つかんで離さない。とりあげる。自分のものにする。「取材シュザイ」「取捨シュシャ」「取得シュトク」「取引とりひき」
イメージ
「耳をとる」(取・最・撮)
「とる」(娶・趣・諏)
「形声字」(叢・陬)
音の変化 シュ:取・娶・趣・諏 サイ:最 サツ:撮 スウ:陬 ソウ:叢
耳をとる
最 サイ・もっとも・も 日部
解字 篆文・旧字は「冃(かぶと)+取(とった耳)」 の会意。冃ボウは頭からかぶるものの意で、冒ボウ・帽ボウ(かぶりもの)の原字。ここではかぶとを表わす(私見)。戦場でとった耳をたくさんかぶとに入れた形。たくさんの敵の耳は、「もっとも」高い軍功のひとつであった。新字体は、上部の冃⇒日に変化。
意味 もっとも(最も)。も(最)。このうえなく。いちばん。「最高サイコウ」「最善サイゼン」「最新サイシン」「最寄(もよ)り」(最も近い)
撮 サツ・とる・つまむ 扌部
解字 「扌(手)+最(かぶとに入れた耳)」 の会意形声。かぶとに入れた耳を手でつまみとる。つまむ意だが、近年は転じて、映画や写真をとる意に使われている。
意味 (1)つまむ(撮む)。「撮要サツヨウ」(重要な点を抜き出して簡潔に書く) (2)とる(撮る)。映画や写真をとる。「撮影サツエイ」 (3)ひとつまみほどの分量。「撮土サツド」(ひとつまみの土。わずかな量のたとえ)
とる
娶 シュ・シュウ・めとる 女部
解字 「女(おんな)+取(とる)」の会意形声。女を嫁にとること。
意味 めとる(娶る)。妻をむかえる。「婚娶コンシュ」(よめいりと、よめとり。夫婦の縁組=嫁娶カシュ)
趣 シュ・おもむく・おもむき 走部
解字 「走(はしる)+取(方向をとる)」 の会意形声。方向をとって走ること。急いで行く。はしる。向かってゆくが原義。[説文解字]は「疾(はや)い也。走に従い取(シュ)の聲(声)」とする。のち、自分の心のむくところの意で用いられる。
意味 (1)おもむく(趣く)。急いで行く。はしる。向かって行く。「趣使シュシ」(急ぎの使い) (2)心の向かうところ。ねらい。考え。「趣旨シュシ」「趣意シュイ」 (3)おもむき(趣)。あじわい。「趣味シュミ」「興趣キョウシュ」(味わいのある趣)
諏 シュ・ス 言部
解字 「言(ことば)+取(とる)」 の会意形声。人びとから意見(言葉)を出してもらい、取り入れること。はかる・相談する意となる。
意味 はかる・問う。相談する。「諏謀シュボウ」(意見を集めて相談する)「諏訪シュホウ」(問いはかる。諏も訪も問う意)「諏訪すわ」(長野県の地名。神社名。)
形声字
叢 ソウ・くさむら・むらがる 又部
解字 「丵サク(のこぎり歯のついた道具)+取(ソウ)」 の形声。丵は以下の多義的な意味をもつ。①草がむらがる。②ギザギザした山が突き出てならぶ形。③鑿サク(のみ)の音符になる。④業ギョウ・對タイ・ツイの構成要素になる。ここでは①の草が群がる意で用いられ、取は音符ソウになっている。音符「丵サク」を参照。
意味 (1)くさむら(叢)。草がむらがっているところ。「叢生ソウセイ」(むらがり生える)「叢林ソウリン」(①木のむらがる林。②[仏]寺院。特に禅寺) (2)むらがる(叢がる)。「叢雲むらくも」(むらがる雲)「叢雨むらさめ」(むれになって降る雨。にわか雨)「叢書ソウショ」(①多くの本をまとめた全書。②シリーズで刊行される書物)「腸内細菌叢チョウナイサイキンソウ」(腸内に棲む細菌が菌種ごとの塊となって腸の壁にむらがって張り付いている状態。腸内フローラとも言う。)
陬 スウ・ソウ・すみ 阝部
解字 「阝(おか)+取(シュ⇒スウ)」の形声。[説文解字]は「阪の隅(すみ)也。阝(おか)に従い取(スウ)の聲(声)とし、坂のくぼんだ所を謂う。
意味 (1)すみ(陬)。くま。くぼんだところ。「僻陬ヘキスウ」(かたいなか。僻地のさらにおくまったところ。辺鄙ヘンピな土地=僻地)「陬遠スウエン」(遠くの片田舎) (2)地名。「陬邑スウユウ」(春秋時代の魯の国の村の名。孔子の生地。現在の山東省曲阜市の東南)
<紫色は常用漢字>
<関連音符>
聚 シュウ・ジュ・あつまる・あつめる 耳部
解字 「取(手にいれる)+乑シユウ(おおい)」の会意形声。音符「乑シユウ」を参照。
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
取 シュ・とる 又部
解字 「耳(みみ)+又(て)」の会意。戦功のしるしとして討ち取った敵の耳を切り取って、しっかり手に持つことを示す。
意味 とる(取る)。つかんで離さない。とりあげる。自分のものにする。「取材シュザイ」「取捨シュシャ」「取得シュトク」「取引とりひき」
イメージ
「耳をとる」(取・最・撮)
「とる」(娶・趣・諏)
「形声字」(叢・陬)
音の変化 シュ:取・娶・趣・諏 サイ:最 サツ:撮 スウ:陬 ソウ:叢
耳をとる
最 サイ・もっとも・も 日部
解字 篆文・旧字は「冃(かぶと)+取(とった耳)」 の会意。冃ボウは頭からかぶるものの意で、冒ボウ・帽ボウ(かぶりもの)の原字。ここではかぶとを表わす(私見)。戦場でとった耳をたくさんかぶとに入れた形。たくさんの敵の耳は、「もっとも」高い軍功のひとつであった。新字体は、上部の冃⇒日に変化。
意味 もっとも(最も)。も(最)。このうえなく。いちばん。「最高サイコウ」「最善サイゼン」「最新サイシン」「最寄(もよ)り」(最も近い)
撮 サツ・とる・つまむ 扌部
解字 「扌(手)+最(かぶとに入れた耳)」 の会意形声。かぶとに入れた耳を手でつまみとる。つまむ意だが、近年は転じて、映画や写真をとる意に使われている。
意味 (1)つまむ(撮む)。「撮要サツヨウ」(重要な点を抜き出して簡潔に書く) (2)とる(撮る)。映画や写真をとる。「撮影サツエイ」 (3)ひとつまみほどの分量。「撮土サツド」(ひとつまみの土。わずかな量のたとえ)
とる
娶 シュ・シュウ・めとる 女部
解字 「女(おんな)+取(とる)」の会意形声。女を嫁にとること。
意味 めとる(娶る)。妻をむかえる。「婚娶コンシュ」(よめいりと、よめとり。夫婦の縁組=嫁娶カシュ)
趣 シュ・おもむく・おもむき 走部
解字 「走(はしる)+取(方向をとる)」 の会意形声。方向をとって走ること。急いで行く。はしる。向かってゆくが原義。[説文解字]は「疾(はや)い也。走に従い取(シュ)の聲(声)」とする。のち、自分の心のむくところの意で用いられる。
意味 (1)おもむく(趣く)。急いで行く。はしる。向かって行く。「趣使シュシ」(急ぎの使い) (2)心の向かうところ。ねらい。考え。「趣旨シュシ」「趣意シュイ」 (3)おもむき(趣)。あじわい。「趣味シュミ」「興趣キョウシュ」(味わいのある趣)
諏 シュ・ス 言部
解字 「言(ことば)+取(とる)」 の会意形声。人びとから意見(言葉)を出してもらい、取り入れること。はかる・相談する意となる。
意味 はかる・問う。相談する。「諏謀シュボウ」(意見を集めて相談する)「諏訪シュホウ」(問いはかる。諏も訪も問う意)「諏訪すわ」(長野県の地名。神社名。)
形声字
叢 ソウ・くさむら・むらがる 又部
解字 「丵サク(のこぎり歯のついた道具)+取(ソウ)」 の形声。丵は以下の多義的な意味をもつ。①草がむらがる。②ギザギザした山が突き出てならぶ形。③鑿サク(のみ)の音符になる。④業ギョウ・對タイ・ツイの構成要素になる。ここでは①の草が群がる意で用いられ、取は音符ソウになっている。音符「丵サク」を参照。
意味 (1)くさむら(叢)。草がむらがっているところ。「叢生ソウセイ」(むらがり生える)「叢林ソウリン」(①木のむらがる林。②[仏]寺院。特に禅寺) (2)むらがる(叢がる)。「叢雲むらくも」(むらがる雲)「叢雨むらさめ」(むれになって降る雨。にわか雨)「叢書ソウショ」(①多くの本をまとめた全書。②シリーズで刊行される書物)「腸内細菌叢チョウナイサイキンソウ」(腸内に棲む細菌が菌種ごとの塊となって腸の壁にむらがって張り付いている状態。腸内フローラとも言う。)
陬 スウ・ソウ・すみ 阝部
解字 「阝(おか)+取(シュ⇒スウ)」の形声。[説文解字]は「阪の隅(すみ)也。阝(おか)に従い取(スウ)の聲(声)とし、坂のくぼんだ所を謂う。
意味 (1)すみ(陬)。くま。くぼんだところ。「僻陬ヘキスウ」(かたいなか。僻地のさらにおくまったところ。辺鄙ヘンピな土地=僻地)「陬遠スウエン」(遠くの片田舎) (2)地名。「陬邑スウユウ」(春秋時代の魯の国の村の名。孔子の生地。現在の山東省曲阜市の東南)
<紫色は常用漢字>
<関連音符>
聚 シュウ・ジュ・あつまる・あつめる 耳部
解字 「取(手にいれる)+乑シユウ(おおい)」の会意形声。音符「乑シユウ」を参照。
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