宣 セン・のたまう 宀部 xuān
解字 甲骨文は「宀(たてもの)+まわりこむ形」であるが、詳細な記述はなく施設名を表している[甲骨文字辞典]。金文・篆文は、宀の中の「まわりこむ」形が複雑になり、上や上下に横線がつき、現代字で「宀+亘セン」になった。亘センは垣(めぐらす)意で周囲を垣(土塀)で取り巻いた宮殿。特に天子が居住する正殿をさす。転じて、宮殿に住む天子から発せられるお触れをいう。
意味 (1)天子が居住する正殿。「宣室センシツ」(古代の宮殿の名) (2)のたまう(宣う)。天子が意向を知らせる。「宣旨センジ」(天皇の命を伝える公文書)「託宣タクセン」(神に祈って受けたおつげ) (3)告げ知らせる。ひろく知らせる。「宣言センゲン」(広く外に表明する)「宣伝センデン」(①広く述べ伝える。②商業的な知らせ。コマーシャル)
イメージ
「広く知らせる」(宣)
「形声字」(喧・諠・萱・暄)
「その他」(鰚)
音の変化 セン:宣 ケン:喧・諠・萱・暄 はらか:鰚
形声字
喧 ケン・かまびすしい・やかましい 口部 xuān
解字 「口(くち)+宣(セン⇒ケン)」の形声。口からやかましい声をだすことを喧ケンという。
意味 かまびすしい(喧しい)。やかましい(喧しい)。さわがしい。「喧伝ケンデン」(やかましく世間にいいふらす)「喧騒ケンソウ」(やかましくさわがしい。=喧噪)「喧嘩ケンカ」(①やかましいこと。②いさかい・争い)
諠 ケン・かまびすしい 言部 xuān
解字 「言(はなす)+宣(=喧)」の会意形声。かまびすしい(喧しい)意味の口⇒言(はなす)に変えた異体字。
意味 (1)かまびすしい(諠しい)。やかましい(諠しい)。やかましく騒ぐ。「諠譟ケンソウ」(やかましいこと)「諠譁ケンカ」(やかましいこと。 いさかいをすること。)
萱 ケン・カン・かや 艸部 xuān
解字 「艸(草)+宣(ケン)」の形声。ケンは蘐ケン(わすれる)に通じ、人に憂いを忘れさせる草のワスレ草をいう。蘐ケンは「艸(くさ)+諼ケン(わすれる)」の会意形声で、わすれ草をいい萱ケンの異体字。日本では、かやをいう。
意味 (1)わすれぐさ(萱草)。ヤブカンゾウ(藪萱草)の別称。身につけると憂いを忘れるという草。「萱堂ケンドウ」(①母親の部屋。②転じて母親。母は家の北堂におり、堂の庭に憂いを忘れるようにと萱草を植えていたのでいう) (2)[国]かや(萱)。ススキ・スゲなど屋根を葺く草の総称。「刈萱かるかや」(山野に自生するイネ科の多年草)「苅萱堂かるかやドウ」(高野山にある苅萱道心とその子・石童丸の伝説ゆかりのお堂)
暄[煊] ケン・カン・あたたかい 日部 xuān
解字 「日(太陽)+宣(ケン)」の形声。陽光のあたたかいさまを暄ケンという。煊ケンは異体字で、火であたたかいさまをいう。
意味 あたたかい(暄かい)。あたたかさ。「暄寒ケンカン」(あたたかさと寒さ)「暄暖ケンダン」(あたたかい)「暄和ケンワ」(あたたかくのどか)
その他
鰚<国字> はらか 魚部 xuān
解字 「魚(さかな)+宣」。はらか(鰚)。はらか(腹赤)とも書き、「はらあか」の変化した語。ニベ(鮸)の異名、また、一説にはマス(鱒)の別称という。毎年正月に、大宰府から朝廷に献上した[日本国語大辞典]。鰚の解字は不明だが、大宰府から朝廷に献上したので、宣センを天子が居住する正殿=朝廷と解釈すると献上魚の意味がでる。
<紫色は常用漢字>
<参考音符>
亘 セン・カン・コウ 音符「亘セン・カン」へ
意味 (1)めぐる。めぐらす。 (2)わたる(亘)。人名に用いる。
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 甲骨文は「宀(たてもの)+まわりこむ形」であるが、詳細な記述はなく施設名を表している[甲骨文字辞典]。金文・篆文は、宀の中の「まわりこむ」形が複雑になり、上や上下に横線がつき、現代字で「宀+亘セン」になった。亘センは垣(めぐらす)意で周囲を垣(土塀)で取り巻いた宮殿。特に天子が居住する正殿をさす。転じて、宮殿に住む天子から発せられるお触れをいう。
意味 (1)天子が居住する正殿。「宣室センシツ」(古代の宮殿の名) (2)のたまう(宣う)。天子が意向を知らせる。「宣旨センジ」(天皇の命を伝える公文書)「託宣タクセン」(神に祈って受けたおつげ) (3)告げ知らせる。ひろく知らせる。「宣言センゲン」(広く外に表明する)「宣伝センデン」(①広く述べ伝える。②商業的な知らせ。コマーシャル)
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「広く知らせる」(宣)
「形声字」(喧・諠・萱・暄)
「その他」(鰚)
音の変化 セン:宣 ケン:喧・諠・萱・暄 はらか:鰚
形声字
喧 ケン・かまびすしい・やかましい 口部 xuān
解字 「口(くち)+宣(セン⇒ケン)」の形声。口からやかましい声をだすことを喧ケンという。
意味 かまびすしい(喧しい)。やかましい(喧しい)。さわがしい。「喧伝ケンデン」(やかましく世間にいいふらす)「喧騒ケンソウ」(やかましくさわがしい。=喧噪)「喧嘩ケンカ」(①やかましいこと。②いさかい・争い)
諠 ケン・かまびすしい 言部 xuān
解字 「言(はなす)+宣(=喧)」の会意形声。かまびすしい(喧しい)意味の口⇒言(はなす)に変えた異体字。
意味 (1)かまびすしい(諠しい)。やかましい(諠しい)。やかましく騒ぐ。「諠譟ケンソウ」(やかましいこと)「諠譁ケンカ」(やかましいこと。 いさかいをすること。)
萱 ケン・カン・かや 艸部 xuān
解字 「艸(草)+宣(ケン)」の形声。ケンは蘐ケン(わすれる)に通じ、人に憂いを忘れさせる草のワスレ草をいう。蘐ケンは「艸(くさ)+諼ケン(わすれる)」の会意形声で、わすれ草をいい萱ケンの異体字。日本では、かやをいう。
意味 (1)わすれぐさ(萱草)。ヤブカンゾウ(藪萱草)の別称。身につけると憂いを忘れるという草。「萱堂ケンドウ」(①母親の部屋。②転じて母親。母は家の北堂におり、堂の庭に憂いを忘れるようにと萱草を植えていたのでいう) (2)[国]かや(萱)。ススキ・スゲなど屋根を葺く草の総称。「刈萱かるかや」(山野に自生するイネ科の多年草)「苅萱堂かるかやドウ」(高野山にある苅萱道心とその子・石童丸の伝説ゆかりのお堂)
暄[煊] ケン・カン・あたたかい 日部 xuān
解字 「日(太陽)+宣(ケン)」の形声。陽光のあたたかいさまを暄ケンという。煊ケンは異体字で、火であたたかいさまをいう。
意味 あたたかい(暄かい)。あたたかさ。「暄寒ケンカン」(あたたかさと寒さ)「暄暖ケンダン」(あたたかい)「暄和ケンワ」(あたたかくのどか)
その他
鰚<国字> はらか 魚部 xuān
解字 「魚(さかな)+宣」。はらか(鰚)。はらか(腹赤)とも書き、「はらあか」の変化した語。ニベ(鮸)の異名、また、一説にはマス(鱒)の別称という。毎年正月に、大宰府から朝廷に献上した[日本国語大辞典]。鰚の解字は不明だが、大宰府から朝廷に献上したので、宣センを天子が居住する正殿=朝廷と解釈すると献上魚の意味がでる。
<紫色は常用漢字>
<参考音符>
亘 セン・カン・コウ 音符「亘セン・カン」へ
意味 (1)めぐる。めぐらす。 (2)わたる(亘)。人名に用いる。
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