先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

制作費用は1話1000万円…“無名の自治体”が本気で作った官製アニメで聖地巡礼は起きた?

2021-07-04 | アイヌ民族関連
文春オンライン 2021/07/03 17:00

 アニメの「聖地巡礼」。作品の舞台となった場所を訪れる旅のことだ。もう、すっかり定着し、観光名所になっている地区もある。だが、「巡礼に来てほしい」と思っても、その土地を舞台にしたアニメはなかなか制作されるわけではない。ならば地元でアニメを作り、観光地に巡礼客を呼び込んではどうか。
 そんな逆転の発想で“官製アニメ”を制作した自治体がある。
 福島県伊達市だ。制作会社の「福島ガイナックス」に委託し、「独眼竜」として有名な戦国大名・伊達政宗を主人公にしたアニメ『政宗ダテニクル』を作った。「ダテニクル」とは、クロニクル(年代記)に、「伊達に来て」という願いを掛け合わせた造語だ。
福島県伊達市が作った“官製アニメ”『政宗ダテニクル』( 公式ホームページ より)
商業ベースで映画化もされた“本気のアニメ”
「官製アニメなんてどうせ面白くない」と決めつけないでほしい。福島ガイナックスの浅尾芳宣社長は人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を世に出した「ガイナックス」のプロデューサーだった人物である。作品は官製アニメという枠を越え、商業ベースで映画化されて、この4月には全国で上映された。かなり珍しい展開だった。
 ただ、誘客という所期の目的は果たせたのか。そもそも、官製アニメを作らなければならなかったのはなぜか。しかも、伊達政宗は仙台藩祖なのに、どうして福島なのか――。
 発端は一つの問いだ。「伊達市」はどこにある? 
 そう尋ねられて、答えられない人が多かったのである。「伊達といえば政宗。
宮城県じゃないの」と言う人がかなりいた。
「伊達市」は北海道と福島県にそれぞれある。同じ名前の市は全国でも珍しく、他には東京都と広島県の「府中市」しかない。紛らわしいので、国の方針で避けてきたからだ。にもかかわらず、同じ名前になってしまった遠因は伊達氏にもある。
「伊達氏のルーツ」は福島にあった
 市の歴史が古いのは北海道だ。
 仙台藩主の分家で重臣でもあった「亘理(わたり)伊達家」は、現在の宮城県亘理町などを領地としていた。しかし、仙台藩は明治維新時の戊辰(ぼしん)戦争で朝敵となり、亘理伊達家もほとんどの家録を失った。このため当時の当主が家臣と共に北海道へ移住。アイヌの土地を避けて未開の原野を開拓したため、「伊達」の地名がついた。市制が敷かれたのは1972年だ。
 福島県の伊達市は2006年、平成大合併でできた。
 伊達郡5町の合併だったので、「北海道と同じ市名になってはいけない」と新市名の候補から「伊達市」を外して案を公募した。ところが、ふたを開けてみると「だて市」の応募数が最も多く、「伊達市」も多かった。伊達郡は10世紀頃までの律令時代に成立した郡なので、由緒ある地名だったのだ。
https://news.goo.ne.jp/article/bunshun/nation/bunshun-46515.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民具資料を原画と共に ゴールデンカムイ特別展始まる ウポポイ

2021-07-04 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2021.07.03
白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館で3日、「ゴールデンカムイ トゥラノ アプカシアン―杉元佐一とアシリパが旅する世界―」と題した特別展が始まった。20世紀初頭の北海道・樺太(サハリン)を舞台にした人気漫画「ゴールデンカムイ」に登場するアイヌ民族の衣装や民具といった資料を原画と共に展示。当時のアイヌ民族の暮らしや文化、和人との関係性を紹介している。会期は8月22日まで。

 野田サトルさん作の「ゴールデンカムイ」は、明治末期のアイヌ民族や和人の暮らし、時代背景などを丁寧に描いた作品で、アイヌ文化研究者からも高い評価を受けている。展示は、▽北海道と砂金▽ゴールデンカムイの登場人物▽コタンでの出会い▽日露戦争と北海道アイヌ▽樺太での出会い▽北海道の街―の6テーマで構成。作品に描かれた時代や文化について約200点の資料と原画で紹介しながら、主人公・杉元佐一とアシリパの2人が旅した世界を追体験できるようにした。
 「北海道と砂金」では、世界各地のゴールドラッシュ(金の採掘ブーム)にあやかり、北海道でも行われた砂金掘りの道具カチャやユリイタを展示。「ゴールデンカムイの登場人物」では、アシリパの着物のモデルとなった草皮衣をはじめ、軍服や軍帽、マキリ(小刀)、看守制服など登場人物らの服装、装備品の資料を並べた。
 日露戦争のコーナーでは、アイヌの男性63人が従軍するなど、戦争と北海道アイヌの関わりについて紹介。戦争で樺太に日本とロシアの国境が敷かれ、ニヴフやウイルタの居住地が分断されるなど、時代に翻弄(ほんろう)された先住民族に関するコーナーも設けた。また、「北海道の街」では、漫画に描かれた明治末期の和人の生活道具などを展示した。
 会場では1930年代に樺太アイヌが着た貴重な草皮衣や、伝統的家屋チセの内部をイメージした展示なども目を引く。同博物館は「20世紀初頭のアイヌと和人の関係史を軸に、先住民族アイヌの歴史と文化に触れていただきたい」としている。
 関連イベントとして23日午後1時半から、ゴールデンカムイのアイヌ語監修者で千葉大学名誉教授を務める中川裕氏の講演会を開く。事前の申し込みが必要で、同博物館ウェブサイトで応募を受け付けている。
 特別展の観覧料は大人300円、高校生200円、中学生以下は無料。ウポポイ入場はオンラインによる事前予約が必要で、特別展観覧チケットは入場当日に博物館内で購入する。
▼「ゴールデンカムイ」とは
 2014年から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載する漫画で、明治末期の北海道・樺太が舞台。元陸軍兵の杉元佐一とアイヌの少女アシリパが共に旅をしながら、アイヌから奪われた金塊の在りかと謎に迫る物語で、世界各国で翻訳されている。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/22258

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴールデンカムイ展 ファン「うれしい」 アイヌ民具など200点ウポポイで /北海道

2021-07-04 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2021/7/4 地方版 有料記事 297文字
 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の国立アイヌ民族博物館で3日、人気漫画「ゴールデンカムイ」に登場するアイヌ民具など約200点を並べた特別展が始まった。8月22日まで。漫画は日露戦争後の北海道を舞台にアイヌ民族の少女と元軍人らが活躍するストーリーで、週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載している。
 作者の野田サトルさんの取材に協力した田…
この記事は有料記事です。 残り128文字(全文297文字)
https://mainichi.jp/articles/20210704/ddl/k01/040/023000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先住民の言語が消滅することで「貴重な医学的知識が失われてしまう」と研究者が指摘

2021-07-04 | 先住民族関連
サイエンス 2021年07月03日 21時00分

地球上に存在する言語は、英語やフランス語などのメジャーなものから少数民族によって話されているマイナーなものまで、数千もの種類があると考えられています。ところが、少数の人々しか話さない言語は消滅の危機にあり、これらの言語が消滅することで「貴重な医学的知識」が失われてしまうと指摘されています。
Language extinction triggers the loss of unique medicinal knowledge | PNAS
https://www.pnas.org/content/118/24/e2103683118
The Global Extinction of Languages Is Threatening a Vital Type of Human Knowledge
https://www.sciencealert.com/languages-are-disappearing-and-they-re-taking-unique-medicinal-knowledge-with-them
2013年の報告では世界中で3054個の言語が消滅の危機に瀕していると指摘されており、およそ4カ月に1つのスピードで言語が消滅しているとのこと。言語の消滅は単に言語的な多様性を失うだけでなく、その言語が数百年、数千年にわたって伝えてきた固有の知識を失うことでもあります。
研究チームは論文で、「先住民族は植物とその効能に関する高度な知識を蓄積してきました。これには重要な健康上の利点をもたらす知識が含まれており、言語によってエンコードされています。しかし、土着の知識は言語の消滅や植物種の絶滅などによって脅かされています」と述べ、言語の消滅が先住民族によって蓄積されてきた知識の消滅をもたらすと指摘。
一方で複数の言語において知識が共有されている場合、特定の言語が消滅しても知識自体は存続します。そこでスイス・チューリッヒ大学の研究チームは、言語の消滅と「薬用植物」に関する知識の消滅がどのように関連しているのかを調べるため、北米・北西アマゾン・ニューギニアを対象にして、「236個の先住民の言語」「3597種の薬用植物」「1万2495個の薬用植物の効用」にまたがる分析を行いました。
分析の結果、薬用植物の効用に関する知識は1つの言語とのみ結びついているケースが多く、薬用植物の効用は北米では73%、北西アマゾンでは91%、ニューギニアでは84%が1つの言語でのみ伝えられていたとのこと。
また、薬用植物の効用に関する知識を持っている言語の多くが、消滅の危機にあることも指摘されています。北米における薬用植物の効用に関する知識のうち86%が、北西アマゾンでは100%が、ニューギニアでは31%が消滅の危機にある言語で伝えられていると研究チームは指摘しています。ニューギニアでは消滅の危機にある言語以外でも知識が伝えられていますが、ニューギニアではそもそもの言語調査が十分でない点や、現代の若者は親世代と比較して先住民の言語に堪能である割合が33%も低いことから、決して楽観視はできないそうです。
一方、今回の研究で分析された3597種の薬用植物のうち、国際自然保護連合によって絶滅のおそれがあるレッドリストに指定されたものは5%未満だったそうで、環境破壊よりも言語の消滅の方が危機的状況だとのこと。研究チームは、「それぞれの先住民の言語は、医学的知識のユニークな貯蔵庫です。自然の人類に対する貢献を解明し、保存するロゼッタストーンなのです」「今回の結果は、南北アメリカが先住民の知識のホットスポットであり、将来に向けた知識の文書化における重要な優先エリアであることを強調しています」と述べています。
2015年の研究では、オーストラリアの先住民であるアボリジニのコミュニティで使われてきた薬用植物が、抗生物質のような特性を持っていることが示されるなど、先住民の知識が将来的な薬の開発に貢献する可能性は十分にあります。研究チームは、「21世紀の終わりまでに、先住民の言語のうち最大30%が消滅すると予測されているため、人類が薬を発見する能力は大きく損なわれるでしょう」と警鐘を鳴らしました。
https://gigazine.net/news/20210703-language-extinction-loss-medicinal-knowledge/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする