北海道新聞04/25 05:00
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/17/7c55ef303d9e4823671a03b6f5d20984.jpg)
星野岳夫さん
苫小牧はものづくり産業が盛んだが、知名度のある観光スポットは少なく、観光を通じた交流人口の拡大が課題となっている。苫小牧商工会議所青年部の会長で、今年3月に設立された北海道中小企業家同友会苫小牧支部の「食と観光部会」の部会長も務める星野岳夫さん(49)に、東胆振・日高の観光の今後について聞いた。
――地域の観光振興に関わり始めたきっかけを教えてください。
「2010年に苫小牧青年会議所の広域政策委員長に就任したことです。東胆振1市4町で連携し、洋菓子店のスタンプラリーなどを企画しました。その後は苫小牧の飲食店主らでつくる『とまこまいカレーラーメン振興局』を立ち上げるなど、さまざまな形で『食と観光』に携わっています」
――観光の広域連携にも力を入れていますね。
「大学卒業後、10年以上道外で暮らし、観光について外からの目線を持つことができました。例えば愛媛県は東予、中予、南予の3エリアに分かれており、農業や産業、歴史などそれぞれ特色があります。そこで、同じまちでも違った文化を楽しめることが観光の面白さだと気づきました。これは東胆振・日高にも当てはまります。港があり産業が集積する苫小牧、農業が盛んな安平、厚真、むかわ、アイヌ文化復興拠点『民族共生象徴空間(ウポポイ)』がある白老など、各地の地域性を感じてもらうことで地域全体に人を呼び込めると考えています」
――人を呼び込むため、商工会議所青年部の会長として、本年度は何に取り組みますか。
「苫小牧のソウルフードのホッキカレーとカレーラーメン、苫小牧産のクラフトビール、そしてサウナ。この三つを軸に町を盛り上げたい。そのため、『カレー』『クラフト』『サウナ』の頭文字からとった『CCSJapan』という取り組みを始動させます。今後、実行委を立ち上げ、秋ごろに、市中心部にテントサウナを設置するイベントを企画したり、サウナ後の食事としてクラフトビールやカレーをPRしたりすることを考えています」
――苫小牧の観光の課題は何でしょう。
「やはり、工業都市としての歴史が長いことから、観光に関する情報の発信力が弱い。フェリーの港があり、北海道の入り口ではありますが、苫小牧が観光の目的地になることは少なく、札幌などの観光地に人が流れてしまいがちです」
――解決策は。
「現代では、民間や自治体が個々に取り組んでも、効果的で持続可能な観光振興策は難しくなっています。産学官民が連携してアイデアを出し合い、同じ方向を向くことが大切になっています。例えば、『CCSJapan』の取り組みでは、飲食店経営者や観光協会のほか、地域の学生らにも参加してもらい、『オール苫小牧』でまちの魅力を発信していきたいと考えています」(聞き手・斎藤佑樹)
<略歴>ほしの・たけお 苫小牧市出身。同志社大卒業後、保険会社社員として岡山県や愛媛県などで勤務。33歳で苫小牧に戻り、小売業・不動産賃貸業「ほしの」の代表取締役社長。苫小牧観光協会副会長や「とまこまいカレーラーメン振興局」の幹事長を務める。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/673698

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星野岳夫さん
苫小牧はものづくり産業が盛んだが、知名度のある観光スポットは少なく、観光を通じた交流人口の拡大が課題となっている。苫小牧商工会議所青年部の会長で、今年3月に設立された北海道中小企業家同友会苫小牧支部の「食と観光部会」の部会長も務める星野岳夫さん(49)に、東胆振・日高の観光の今後について聞いた。
――地域の観光振興に関わり始めたきっかけを教えてください。
「2010年に苫小牧青年会議所の広域政策委員長に就任したことです。東胆振1市4町で連携し、洋菓子店のスタンプラリーなどを企画しました。その後は苫小牧の飲食店主らでつくる『とまこまいカレーラーメン振興局』を立ち上げるなど、さまざまな形で『食と観光』に携わっています」
――観光の広域連携にも力を入れていますね。
「大学卒業後、10年以上道外で暮らし、観光について外からの目線を持つことができました。例えば愛媛県は東予、中予、南予の3エリアに分かれており、農業や産業、歴史などそれぞれ特色があります。そこで、同じまちでも違った文化を楽しめることが観光の面白さだと気づきました。これは東胆振・日高にも当てはまります。港があり産業が集積する苫小牧、農業が盛んな安平、厚真、むかわ、アイヌ文化復興拠点『民族共生象徴空間(ウポポイ)』がある白老など、各地の地域性を感じてもらうことで地域全体に人を呼び込めると考えています」
――人を呼び込むため、商工会議所青年部の会長として、本年度は何に取り組みますか。
「苫小牧のソウルフードのホッキカレーとカレーラーメン、苫小牧産のクラフトビール、そしてサウナ。この三つを軸に町を盛り上げたい。そのため、『カレー』『クラフト』『サウナ』の頭文字からとった『CCSJapan』という取り組みを始動させます。今後、実行委を立ち上げ、秋ごろに、市中心部にテントサウナを設置するイベントを企画したり、サウナ後の食事としてクラフトビールやカレーをPRしたりすることを考えています」
――苫小牧の観光の課題は何でしょう。
「やはり、工業都市としての歴史が長いことから、観光に関する情報の発信力が弱い。フェリーの港があり、北海道の入り口ではありますが、苫小牧が観光の目的地になることは少なく、札幌などの観光地に人が流れてしまいがちです」
――解決策は。
「現代では、民間や自治体が個々に取り組んでも、効果的で持続可能な観光振興策は難しくなっています。産学官民が連携してアイデアを出し合い、同じ方向を向くことが大切になっています。例えば、『CCSJapan』の取り組みでは、飲食店経営者や観光協会のほか、地域の学生らにも参加してもらい、『オール苫小牧』でまちの魅力を発信していきたいと考えています」(聞き手・斎藤佑樹)
<略歴>ほしの・たけお 苫小牧市出身。同志社大卒業後、保険会社社員として岡山県や愛媛県などで勤務。33歳で苫小牧に戻り、小売業・不動産賃貸業「ほしの」の代表取締役社長。苫小牧観光協会副会長や「とまこまいカレーラーメン振興局」の幹事長を務める。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/673698