北海道新聞04/20 09:22

道内のアイヌ民族のポートレート(肖像写真)を10年以上、撮り続けている東京在住の写真家。作品展「現代アイヌの肖像」を東京都人権プラザ(港区)で開いている。
時間をかけて信頼関係を築き、「ここぞという時」にシャッターを切る。陰影の表現が持ち味で、フィルムにこだわる。「仕事ではなく、アイヌの人たちと関わる中で続けていること。彼らの思いを届けたい」
佐賀県出身。北海道に縁はなかったが、都内の写真スタジオに勤務していた2008年、撮影テーマを模索する中で立ち寄った日高管内平取町二風谷で忘れられない出来事があった。アイヌ民族の女性に「純粋なアイヌの方はいるんですか?」と尋ねたところ「じゃあ、純粋な日本人って何ですか?」と聞き返された。答えられず、女性が憤慨した理由も分からなかった。
理解したくて、北海道通いを始めた。2カ月おきに道内各地のアイヌ民族を訪ね、半生を聞いた。カメラの前に立ってくれるまで、時には何年もかけて1枚を撮った。「以前は『アイヌ民族はこうだ』という思い込みがあった。今は一人一人が違う個の集まりだと実感している」
大阪外国語大在学中、中国からポルトガルまで約1年間、旅をしながら出会った人を撮影した。その経験が原点という。3年前に写真集「AINU」(リトルモア)を発刊。開催中の作品展ではアイヌ民族へのインタビューをパネル展示し、写真と組み合わせた本作りも進める。「かっこいいから、美しいから、知りたいから、撮りたい」。作品展は28日まで。無料。41歳。(大沢祥子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/671676

道内のアイヌ民族のポートレート(肖像写真)を10年以上、撮り続けている東京在住の写真家。作品展「現代アイヌの肖像」を東京都人権プラザ(港区)で開いている。
時間をかけて信頼関係を築き、「ここぞという時」にシャッターを切る。陰影の表現が持ち味で、フィルムにこだわる。「仕事ではなく、アイヌの人たちと関わる中で続けていること。彼らの思いを届けたい」
佐賀県出身。北海道に縁はなかったが、都内の写真スタジオに勤務していた2008年、撮影テーマを模索する中で立ち寄った日高管内平取町二風谷で忘れられない出来事があった。アイヌ民族の女性に「純粋なアイヌの方はいるんですか?」と尋ねたところ「じゃあ、純粋な日本人って何ですか?」と聞き返された。答えられず、女性が憤慨した理由も分からなかった。
理解したくて、北海道通いを始めた。2カ月おきに道内各地のアイヌ民族を訪ね、半生を聞いた。カメラの前に立ってくれるまで、時には何年もかけて1枚を撮った。「以前は『アイヌ民族はこうだ』という思い込みがあった。今は一人一人が違う個の集まりだと実感している」
大阪外国語大在学中、中国からポルトガルまで約1年間、旅をしながら出会った人を撮影した。その経験が原点という。3年前に写真集「AINU」(リトルモア)を発刊。開催中の作品展ではアイヌ民族へのインタビューをパネル展示し、写真と組み合わせた本作りも進める。「かっこいいから、美しいから、知りたいから、撮りたい」。作品展は28日まで。無料。41歳。(大沢祥子)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/671676