北海道新聞08/12 05:00
10日に発足した第2次岸田改造内閣で新設されたアイヌ施策担当相について、道内のアイヌ民族からは政策推進が加速するとの期待の声が出た。一方、大臣は他の担当と兼務のため、どこまでアイヌ施策を実行できるかは未知数だと国の動きを注視する見方も出た。
「国が真剣に取り組むという姿勢の表れだと心強く感じた」。北海道アイヌ協会の大川勝理事長=日高管内新ひだか町=は担当相の新設をこう歓迎した。差別や貧困に苦しむ人は高齢者を中心に今も多いとし「この国に生まれて良かったと誰もが思える社会を創造してほしい」と話した。
担当相は岡田直樹沖縄北方担当相が兼務する。岡田氏は就任後の記者会見で、胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の活性化などに意欲を示した。
日高管内平取町の萱野茂二風谷アイヌ資料館長の萱野志朗さん(64)は「アイヌ施策はこれまで内閣官房長官が担っていた。担当相新設と言っても兼務では格下げに感じる。どこまでできるのか」と不安視する。2019年施行のアイヌ施策推進法は5年後の見直しが迫るなど、これからがアイヌ施策の重要な時期になると指摘し「付け焼き刃の知識では解決できない。地域の声を丁寧に聞きながら対応してほしい」と注文した。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/716905/
10日に発足した第2次岸田改造内閣で新設されたアイヌ施策担当相について、道内のアイヌ民族からは政策推進が加速するとの期待の声が出た。一方、大臣は他の担当と兼務のため、どこまでアイヌ施策を実行できるかは未知数だと国の動きを注視する見方も出た。
「国が真剣に取り組むという姿勢の表れだと心強く感じた」。北海道アイヌ協会の大川勝理事長=日高管内新ひだか町=は担当相の新設をこう歓迎した。差別や貧困に苦しむ人は高齢者を中心に今も多いとし「この国に生まれて良かったと誰もが思える社会を創造してほしい」と話した。
担当相は岡田直樹沖縄北方担当相が兼務する。岡田氏は就任後の記者会見で、胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の活性化などに意欲を示した。
日高管内平取町の萱野茂二風谷アイヌ資料館長の萱野志朗さん(64)は「アイヌ施策はこれまで内閣官房長官が担っていた。担当相新設と言っても兼務では格下げに感じる。どこまでできるのか」と不安視する。2019年施行のアイヌ施策推進法は5年後の見直しが迫るなど、これからがアイヌ施策の重要な時期になると指摘し「付け焼き刃の知識では解決できない。地域の声を丁寧に聞きながら対応してほしい」と注文した。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/716905/