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<ウポポイ オルシペ>46 知里真志保を描くウタリ 思いと苦悩、語り継ぐ

2022-08-17 | アイヌ民族関連
北海道新聞08/17 05:00

「知里を描いた9名の紹介」の展示
 1970年(昭和45年)に伝記が出版されて以来、知里真志保に「天才アイヌ学者」のキャッチコピーがつきまとってきました。
 しかし、知里自身は自分が「アイヌ出身であるため」に「アイヌ語と文化を内側から見ている」と言われていたことについて、「おかしな話さ」と語りました。「学問は外側から見て記述し、内側にある真理をつかむ」。これが彼の生涯にわたるスタンスでした。
 知里の人生は、アイヌの歴史と文化において重要な人々との出会いに満ちあふれていました。本展示の第5章では、アイヌ民族9人(吉田菊太郎、砂沢クラ、荒井源次郎、森竹竹市、平村幸雄、高橋真、萱野茂、江口カナメ、結城庄司)が知里について語ったことを、ゆかりのある資料とともに紹介しています。
 そのうち3人について紹介します。知里が自分の経歴を吉田菊太郎に伝えた58年(同33年)の手紙を展示しています。「若いウタリ―たちを少しでも鼓舞することになれば」と締めくくっています。吉田が幕別町の蝦夷文化考古館の建設資金調達のために書いた「アイヌ文化史」の執筆にあたり、知里に依頼したときの返信です。
 白老民俗資料館の初代館長を務めた森竹竹市は、知里と同年代の詩人でした。歌集「原始林」には、知里が大学を卒業したときのことを詠んだと考えられる歌があります。
只一人アイヌの学士出たからと大騒ぎする新聞の記事
 アイヌ民族が和人より劣っているという当時の偏見がありますが、知里をその反証のような存在として大きく報じた新聞に対する森竹のいら立ちが感じられます。一方で、17世紀の指導者「シャクシャイン」を「知里真志保」と書き換えて敬意を表す森竹自筆の歌(仙台藩白老元陣屋資料館所蔵)も今回の資料調査で見つかり、展示しています。
 アイヌ解放同盟の代表だった結城庄司は、知里についての連載を81年(同56年)から書き始めました。実際に知里に会ったことのあるアイヌ民族が抱く、彼に対する見方を語り継ぐ重要性を説きました。「それらのウタリから天才学者・知里真志保としてではなく、アイヌ・知里真志保の苦悩を発見して、少しでも多くのことを語り継がなければならない」。今回の展示でも、これまでとは違った知里真志保像を発見することができるかもしれません。

 第4回特別展示「CHIRI MASHIHO 知里真志保―アイヌ語研究にかけた熱意―」は国立アイヌ民族博物館特別展示室で21日まで開催しています。(文・マーク・ウィンチェスター=国立アイヌ民族博物館アソシエイトフェロー、写真・赤田昌倫=同研究員)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/718456/

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『ゴールデンカムイ』が魅せる 新たなアイヌ文化へのまなざしと未来「連載完結記念 ゴールデンカムイ展」が京都文化博物館で2022年9月11日(日)まで開催中

2022-08-17 | アイヌ民族関連
FEATURE2022/08/16

明治末期の北海道・樺太を舞台とし、魅力的な登場人物と緻密なアイヌ文化の描写で人気を博す冒険漫画『ゴールデンカムイ』。イラスト約120点のほか、関連する資料を一挙に公開する「連載完結記念 ゴールデンカムイ展」が、2022年9月11日(日)まで京都文化博物館で開催されている。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ 展覧会情報
「連載完結記念 ゴールデンカムイ展」
開催会場:京都文化博物館
開催期間:2022年7月9日(土)〜9月11日(日)
2014年に集英社の青年漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」に連載が開始された『ゴールデンカムイ』は、2016年のマンガ大賞で注目された。2018年には第22回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞、同年にテレビアニメ化もされ、2022年には第51回日本漫画家協会賞コミック部門大賞、そして実写映画化も発表された人気のメディアミックス作品である。物語の舞台は明治末期の北海道・樺太、日露戦争の帰還兵で、“不死身”の異名を持つ杉元佐一が、戦死した親友の妻の病気治療費を工面するため、砂金を掘る場面から始まる。そこで出会った酔っ払いから、隠された金塊の存在とその地図を刺青された囚人達の話を聞き、北海道で金塊を探し出すことを決意する。その場で熊に襲われそうになった杉元は、アイヌの少女アシㇼパの弓矢に助けられる。彼女はこの金塊を盗まれ殺されたアイヌの娘だった。ここから、二人による壮大な冒険の旅が始まっていく。
スピード感のあるストーリー展開はもちろんのこと、幅広い層でファンを獲得した画風と脇を固める個性的なキャラクター、そして現代の青年誌らしいニーズを反映したリアルな戦闘描写だけではなくギャグを含めた軽妙なやり取りも人気要素である。しかし、この作品の大きな魅力と言えば、緻密なアイヌ文化の描写が挙げられる。歴史感溢れるストーリーを彩るディテールとして、狩猟における手法や道具、信仰の儀式や考え方、アイヌ語によるセリフや料理などの風俗文化が、読者に強烈な印象を残す。単行本巻末の膨大な参考資料からも、作者野田サトル氏の丁寧な文献確認、こだわりが感じられる。今回の展示においても、国立アイヌ民族博物館、平取町立二風谷アイヌ文化博物館などの資料のほか、野田サトル氏が所蔵する民芸品、参考資料が多数展示されている。
会場に足を踏み入れると、メインキャラクターの主要場面のイラストとその参考資料から始まる。アイヌの少女アシㇼパの愛らしい立ち姿とともに、彼女が纏う伝統のマタンプシ(鉢巻)やテクンペ(手甲)などの実物資料が飾られ、ユーモア溢れるキャプションとともに、漫画で描かれた世界が眼前に迫ってくる。また、その横で存在感を放つ巨大なヒグマの剝製が、厳しい自然と隣り合わせの時代を感じさせる。そして奥へ続くのは、金塊の在りかを暗示する刺青を施された24名の囚人達の紹介だ。驚くのは、モデルとなった実在の人物に関する資料も展示されていること。誰もが知る新撰組の土方歳三であればフィクションとしての存在も理解できるが、刺青囚人の一人である柔道家の牛山辰馬や、稲妻強盗の坂本慶一郎夫妻も実在モデルの記事資料の紹介により、この物語の虚構と現実の境界で揺らぐ感覚が面白い。なお、会場では一部を除き写真撮影が可能であり、自身の気に入ったキャラクターと記念撮影をする来場者が多くいた。多様で個性的な面々が広く愛されているのが感じられる。
また、今回の展示では、『ゴールデンカムイ』を彩る多様な文化についても説明がなされている。アイヌ文化は大別して、主に北海道アイヌ、樺太アイヌ(サハリン)、千島アイヌ(クリル列島)に分けられるが、本作品では特に北海道、樺太に焦点が当てられている。また、樺太においては、主に南部に居住した樺太アイヌのほか、北部や中部に多くいたウイルタ民族やニヴフ民族、そして時代を翻弄した当時のロシアの文化や日本の東北地方のマタギ文化なども丁寧に紹介されている。もう一つの見どころとしては、多様なアイヌ料理の描写も挙げられる。狩猟で獲ったウサギ、カワウソなどの調理方法、美味しそうなオハウ(鍋物)などがふんだんに登場する場面は、これまで民族衣装や舞踊など外見的なイメージが強かったアイヌ文化の紹介とは異なり、アイヌの人々が過ごした日常生活への理解を深めていく。杉元が持ち歩く味噌を勘違いしたアシㇼパの言葉「オソマ」(排便の意)や、食事などに感謝する言葉「ヒンナ」は大きく市民権を得た。アイヌの中で催淫効果の伝承を持つラッコ料理など、興味深いコンテンツを巧妙にストーリーに取り入れ、違和感なく文化の一側面として切り取っている。
他方、あくまでもフィクションであることを理解する必要はある。読者にも親しまれているアイヌのたたき料理、チタタㇷ゚。作品では美味しく作るために「チタタㇷ゚」と唱えながら魚を刻むシーンが随所で描かれるが、展示会場でも紹介されている千葉大学中川裕名誉教授の著書『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』においても、唱えながら刻む文化はなく、あくまでも創作と解説されている。そもそもアシㇼパのように女性が狩猟に出かけることは非常に稀である。男性が狩猟や木彫、女性は家事や裁縫などと役割分担が明確であった社会文化を知った上で、「わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!」と叫ぶ彼女を理解する必要がある。そして、これらの話はあくまでも明治時代が舞台である。漫画からは窺えない現代のアイヌ文化の変容についても自然と意識させられる。
これまでもアイヌ民族を題材としたメディア作品は存在した。しかし、製作当時の時代背景などから、歴史的な迫害、現代に続く差別や偏見がフォーカスされやすく、重い題材として捉えがちであった。『ゴールデンカムイ』においても、差別的表現は皆無ではない。刺青を持った囚人の一人「脱獄王」の白石由竹が、初めて二人と出会ったときに杉元に訊く。「そのアイヌはお前さんの飼いイヌかい?」。2019年に直木賞を受賞した川越宗一氏の樺太を舞台とした小説『熱源』の一場面でも描かれているが、イヌという表現を侮蔑的に使う和人の存在や繰り返された歴史をどれだけの人々が理解しているのか。『ゴールデンカムイ』では、白石に殴りかかる杉元をアシㇼパは静かに諫める。「私は気にしない。慣れている」。杉元が心で呟く。「慣れる必要がどこにある」。こういった描写はこの作品ではむしろ珍しい。大半のアイヌと和人との交流場面は、村の子供たちの遊び、収穫の際に歌う伝承歌など、今まで辛く蔑まれた印象が強いアイヌ文化が、楽しく生き生きとした日常で培われてきたことを感じさせる新たなイメージを描き上げている。

今でもアイヌ文化を語るときに、語り手、受け手の共通理解が及ばず、慎重にならざるを得ない場面があるのも事実である。そしてこれからも、歴史的経緯から連綿と続く現代のアイヌ社会における課題に関し議論の継続が必要である。一方で、アイヌ文化の魅力を真っ向から描き、人種や国を超えて広く愛されたことは、この作品がこれまでのアイヌへのまなざしを大きく変えたと言っても過言ではない。2019年にイギリスの大英博物館で開催されたマンガ展「The Citi exhibition Manga」では、本作品のアイヌの少女アシㇼパがエントランスのメインビジュアルとして大きく飾られた。そして、今回の展覧会場でも外国人のファンも多く見られた。会場で楽しそうに語られる会話が漏れ聞こえてくる。「ストゥ(制裁棒)の本物があるよ」「チタタㇷ゚を食べたいね」。この作品の登場以前に、こんな会話が街中で交わされる機会はあっただろうか。アイヌ語の子音表記である「ㇼ」や「ㇱ」が頻繁に使われるようになったのもこの作品の功績である。アイヌの知人からもこんな言葉を聞いたことがある。「アイヌのことは知る機会がなかったから、『ゴールデンカムイ』が勉強になるよ」。千葉大学中川裕名誉教授、北海道大学北原モコットゥナㇱ准教授を始めとする学術研究者らの監修により、フィクションの中にも魅力的なアイヌ文化が丁寧に描かれたこと、そしてそれを形にしていった作者、編集者の苦労が偲ばれる多数の資料と原画が、ただの娯楽作品ではなく、時代が変わっても語り継がれるであろう作品の未来を物語っている。
「カント オㇿワ ヤク サㇰ ノ アランケㇷ゚ シネㇷ゚ カ イサㇺ」。会場の入口、そして単行本全ての見開きの初めに記載されるこのアイヌ語の言葉は、アイヌとして初の国会議員 萱野茂氏の故郷にある平取町二風谷アイヌ文化博物館にも掲げられている。対訳はこうだ。「天から役目なしに降ろされた物はひとつもない」。愛すべきキャラクターたちの役目、そしてこの作品に込められた思いは何だったのか。是非会場で貴重なイラストや資料に触れながら、壮大な冒険ストーリーを俯瞰する新たな視点でこの作品を楽しんでほしい。
澁谷政治 プロフィール
北海道札幌市出身。学芸員資格を取得後、大学院ではアイヌ文化を中心とした研究で修士課程(観光学)を修了。二風谷、阿寒などのほか、サハリン(樺太)や沖縄など広く訪問し研究調査を行った。現在は、国際協力に関連する仕事に携わっており、中央アジアや西アフリカなどの駐在経験を通じて、特にシルクロードやイスラム文化などにも関心を持つ。
https://www.artagenda.jp/feature/news/20220816

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米アカデミー、先住民の活動家に謝罪 50年前の授賞式めぐり

2022-08-17 | アイヌ民族関連
BBC2022年8月16日

1973年の第45回アカデミー賞で、サチーン・リトルフェザーさんは主演男優賞を拒否したマーロン・ブランドさんに代わり、壇上でスピーチを行った
米映画芸術科学アカデミーは15日、ネイティブアメリカンのサチーン・リトルフェザーさんが50年近く前のアカデミー賞授賞式で受けた扱いについて謝罪した。
俳優で権利活動家でもあるリトルフェザーさんは1973年、第45回アカデミー賞授賞式で、「ゴッドファーザー」で主演男優賞を受賞したマーロン・ブランドさんの代理としてステージに登場。ブランドさんはこの時、米映画業界でネイティブアメリカンの人々が不当な扱いを受けているとして賞を辞退し、授賞式にリトルフェザーさんを送っていた。
当時26歳のリトルフェザーさんは短いスピーチをしたが、途中でブーイングを浴び、ステージを降りた。その様子はテレビで生中継された。リトルフェザーさんはその後、エンターテインメント業界で冷遇された。
アカデミーは、リトルフェザーさんがこの時「不当で正当化できない」扱いを受けたと説明した。
リトルフェザーさんは謝罪を受け、「謝罪の言葉を生きて聞けるとは思っていなかった」と述べた。
大ブーイング、侮蔑的ジェスチャー
リトルフェザーさんのスピーチは、テレビ中継中の授賞式における初の政治的な声明だったとされる。以降、授賞式で政治的な発言をする慣行は、現在まで続いている。
リトルフェザーさんは、「非常に長いスピーチ原稿」を書いてきたブランドさんの代理だと自己紹介し、「残念ながらブランドさんはこの寛大な賞を受け取れない」と観客に伝えた。
「これは、映画業界やテレビでの再上映におけるアメリカン・インディアンの扱い、そして最近ウンデッド・ニーで起きた事件が理由です」
ウンデッド・ニーの事件とは、先住民のスー族の重要な土地で、スー族と連邦当局が対峙(たいじ)し、暴力に発展した出来事を指している。
リトルフェザーさんはこのスピーチで、大きなブーイングを受けた。一方で、応援する声もあった。
リトルフェザーさんは2020年にBBCのインタビューで、このスピーチの後、警備員と共にすぐに会場を立ち去らなければならなかったと話した。一方で、俳優のジョン・ウェインさんが「マーロンと私に怒っていて」、リトルフェザーさんをステージから引きずり下ろそうとしたので、「警備員がいたのはとても良かった」と付け加えた。
リトルフェザーさんが歩いている横で、ネイティブアメリカンへの侮蔑とされる「トマホーク・チョップ」のジェスチャーを取る人もいたという。
ブランドさんは実際、とても長い演説を用意していたが、リトルフェザーさんは授賞式の制作側から、受賞拒否のスピーチを60秒に収めるよう指示されていた。
この授賞式は、テレビ中継で8500万人が視聴した。一部のメディアはこの授賞式の後、リトルフェザーさんは実際にはネイティブアメリカンではなく、俳優としてのキャリアのためにスピーチを承諾したのだと書き立てた。リトルフェザーさんがブランドさんの愛人ではないかと疑うメディアもあった。
BBCの取材で、リトルフェザーさんはこうした主張は誤りだと話した。
「不当な仕打ちだった」
アカデミーのデイヴィッド・ルービン元会長は15日、リトルフェザーさん宛ての書簡で、「あなたが受けた仕打ちは(中略)不当で正当化できないものだ」と述べた。
また、リトルフェザーさんのスピーチは「人間の尊厳が重要な、尊重すべきものだと言うことを思い出させてくれる」と述べた。
アカデミーは9月にリトルフェザーさんを招いたイベントを行う予定。1973年の授賞式や、映画界での先住民族の扱われ方の今後について話し合うという。
アカデミーからの謝罪を受け、リトルフェザーさんは「私たちインディアンはとても我慢強い。たった50年しかたっていない!」と冗談を返した。
その上で、ユーモア精神を持ち続けることが「私たちの生き延びる方法だ」と付け加えた。
(英語記事 Oscars apologises to Littlefeather after 50 years)
https://www.bbc.com/japanese/62559961

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Face ID が認識しないマオリ族に、アップル「技術に問題はない」と塩対応

2022-08-17 | 先住民族関連
ニューズウィーク8/16(火) 18:02配信
<アップルの対応に業を煮やしたマオリ族の男性は、自分の顔や他の民族の顔も認識できるようFace IDのアップデートを共に要求しようと呼びかけている>

Face IDに技術的問題はない?(写真はイメージです) izusek-iStock.
マオリ族の伝統的なタトゥーを入れている男性が、アップルのiPhone 13 Pro Maxの顔認証が使えない、と助けを求めている。
ニュージーランドの先住民族マオリ族のパーカ・エドワーズは、顔にマオリ伝統のタトゥー「モコ・カノヒ」を入れている。
ニュージーランド・ヘラルド紙によれば、エドワーズは2000ニュージーランドドル(1270米ドル相当)の貯金をはたいてiPhone 13 Pro Maxを購入した。事前の調べでは顔にタトゥーが入っていても問題なさそうだったと、彼は同紙に語っている。
アップルの顔認証は、ユーザーの顔を覚えてiPhoneのロックが解除してくれる機能。ユーザーの顔の輪郭を読み取って記憶し、本人識別を行う技術だ。
しかし、エドワーズには顔認証が使えなかった。
「(アップルの顔認証機能)Face IDの設定をしようとしたら、『顔を認識できません。顔を覆っているものを取り外してやり直してください』というメッセージが表示された。『なんだって?そんなはずはない』と思った」と、エドワーズは同紙に語った。
「技術に不具合はない」とアップル
エドワーズはオンラインのヘルプとアップルのカスタマーサービスに問い合わせたが問題は解決せず、結局は製品を交換して貰うことにした。
だが交換しても、はやり顔認証は使えない。エドワーズは再びiPhoneを返品し、同一機種の別ロットの製品と交換した。しかしそれでも機能しない。エドワーズは使用方法について何度もアップルに問い合わせを行ったが、最後は顔認証の技術に不具合はない、という回答が返ってくるばかりだった。
エドワーズは自らのTikTokのアカウントに投稿した動画の中で、アップルの顔認証機能を誰でも使えるものにするよう一緒に声を上げて欲しい、とユーザーたちに呼びかけた。その結果、モコ・カノヒのせいでアップルの顔認証機能を使えないのが自分だけではないこともわかった。
帽子や眼鏡、マスクはOKなのに
エドワーズは、自分のTikTokアカウントをフォローしている33万3400人に対して、アップルに次のようなメッセージを送るよう求めている。「キアオラ(マオリ語の挨拶)。私はパーカ・エドワーズを支持する。アップルはFace IDを宣伝しているが、顔に伝統的なマーキングがある人々はこの機能を使えない。Face IDをアップデートして、マオリ族や他のあらゆる民族の伝統的なマーキングも認識できるようにして欲しい」
その後、アップルから連絡があったそうだ。
アップルのウェブサイトによれば、同社の顔認証技術は帽子、スカーフ、コンタクトレンズや多くのタイプのサングラスおよび眼鏡を使用している場合でも機能する。さらに新型コロナウイルスのパンデミックでマスクを着用する人が増えたことから、マスクをしたままでも顔認証が可能なようにアップデートされている。
本誌はエドワーズの一件についてアップルにコメントを求めたが、本記事の発行時点までに返答はなかった。
ロビン・ホワイト
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb153f7fad9a6a81ef7f00b01b1a4b238f15aa85

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行ってきましたアンデスの“じゃがいも祭り”意外な危機とは?

2022-08-17 | 先住民族関連
NHK2022年8月16日
カレーに肉じゃが、ポテトサラダにポテトチップス。
わたしたちの日々の食卓に欠かせない食材・じゃがいも。世界での消費量は米や小麦に次いで3番目に多く、10億人以上が日々食しているとされています。
そのじゃがいもの原産地は、インカ帝国が栄えた南米のアンデス山脈周辺。
しかし、今、現地では、ある異変が起きています。
ちょうど「じゃがいも祭り」なる催しが開かれると聞いて行ってきました。
(サンパウロ支局長・木村隆介)
標高は富士山の頂上を上回る約4000メートル。高山病対策の薬を飲んでいましたが、酸素が薄いため、すぐに息が切れてはなかなか回復せず、深呼吸を繰り返しながらの取材です。
15世紀から16世紀にかけて栄えたインカ帝国があったこの地では、先住民族の人たちが、独自の食文化を守って暮らしています。
この日、行われていたのは、じゃがいもの収穫を祝う年に1度の「じゃがいも祭り」。アンデスに伝わる色鮮やかな「ポンチョ」を着た村人たちが踊りを披露し、大地の恵みに感謝していました。
じゃがいもは、インカ帝国を侵略したスペイン人がヨーロッパに持ち帰り、その後、世界へと普及していったと言われています。祭りでは、調理した焼きイモ、ならぬ「焼きじゃがいも」が振る舞われました。
「焼きじゃがいも」はさつまいものような風味でほんのりとした甘みがある
アンデス一帯で栽培されているじゃがいもの色や形はさまざまで、種類はなんと4000種以上にのぼるということです。
なぜそんなに種類が多いのか。その理由は、単一の品種だけを育てた場合、病害で全滅するおそれがあるからです。このため同じ耕作地で多様な品種を育てることで、収穫を安定させ、飢餓から身を守ってきたのです。

じゃがいも保存施設 リノ・ママニ代表
「わたしたちの子どもたちのために、多様な品種を育てています。将来の世代が飢えに苦しむことがないように、残していかなければなりません。じゃがいもは私たちの主食であり、命綱です」
アツアツの「焼きじゃがいも」を食べながら、地元の人たちと話していると、ある農家の男性が困ったことが起きていると教えてくれました。
この村で長年にわたってじゃがいもを栽培しているナザリオ・キスペさん。自宅近くの畑で年々、じゃがいもに害虫の被害が目立つようになっていると言うのです。
じゃがいもは害虫が少ない寒冷地で生育しますが、標高3800メートルのこの畑でも20年ほど前から害虫による被害が発生するようになり、被害は年々、増えていると言います。
ナザリオさんが原因とみているのが、地球温暖化による気温の上昇です。被害を避けるため、ナザリオさんは、より標高の高い場所でのじゃがいもの栽培を始めていました。
向かったのは、400メートル上がった、標高4200メートルの地点にある畑。自宅から徒歩で2時間半の険しい道のりを歩かなければなりません。
高度を上げたことで害虫などの被害は減りましたが、今度は別の問題が出ていると言います。山頂に近いため、寒さで畑に霜が降りたり、ひょうが降ったりして被害が出るのです。
ナザリオ・キスペさん
「温暖化の影響でじゃがいもの栽培はどんどん高い土地へと追われています。ここよりも高い山頂付近には岩場が広がっているので、畑はつくれません。将来がとても不安です」
伝統のじゃがいもを守るため、現地ではさまざまな対策が検討されています。
そのひとつが、研究機関と連携した品種改良。厳しい環境下でも栽培ができるじゃがいもを生み出そうとしているのです。
さらに高度100メートルごとに小さな畑をつくり、その土地に適したじゃがいもの品種を探す調査も行われています。
アレハンドロ・アルグメドさん
「例えば高地には寒さに強い品種、比較的低い土地には害虫に強い品種が必要です。科学だけでなく伝統的な手法も用いて、じゃがいもの品種改良に取り組んでいます」
アンデスのじゃがいもは、そのカラフルな色と独特の食感が人気を呼び、南北アメリカやヨーロッパ向けに輸出され、日本にも一部、家庭用などに調理済みのものが輸出されています。先住民の人たちの貴重な栄養源であるだけでなく、貴重な収入源でもあります。
しかし、その栽培は、ナザリオさんのような小さな農家が担い、危機に直面していて、現地の専門家は、このままのペースで温暖化が進めば、40年後にはアンデスでじゃがいも栽培ができなくなるおそれがあると警鐘を鳴らしています。
世界の食卓に広く恩恵をもたらしたじゃがいも。その原産地を守るために何ができるのか。私たちの気候変動への向き合い方も問われているように思いました。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/cor/2022/08/16/23847.html

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池袋で文化サーカス「東京キャラバン the 2nd」 野田秀樹さん演出

2022-08-17 | アイヌ民族関連
みんなの経済新聞ネットワーク8/16(火) 17:31配信
 「東京キャラバン the 2nd」が12月16日・17日、池袋西口公園野外劇場グローバルリングシアター(豊島区西池袋1)で開催される。(池袋経済新聞)
 劇作家・演出家・役者の野田秀樹さんが発案し演出する文化サーカス。「人と人が交わるところに文化が生まれる」をコンセプトに、パフォーマンスを創作・披露する。東京での開催のほか、11月27日には静岡でも実施する。
 ステージには俳優、ミュージシャン、ダブルダッチ、人形劇、琉球舞踊、アイヌ古式舞踊、伝統文化、現代美術など、古今東西さまざまなジャンルの表現者たちが集まるという。
 参加予定のアーティストは、浅草ジンタさん(ミュージシャン)、「REG☆STYLE」(ダブルダッチチーム)、沢則行さん(人形劇師)、宇治野宗輝さん(アーティスト)、鈴木康広さん(アーティスト)など。琉球舞踊とアイヌ古式舞踊のアーティストも参加。第2弾となる参加者の情報は、後日発表する。
 メインビジュアルは、ネオンサイン調の表現のアーティスト・デザイナーのはらわたちゅん子さんが担当する。
 イベントは観覧無料で事前申込制。申し込み期間は9月28日11時~11月14日23時59分。応募者多数の場合は抽選。当日席も若干数用意する。
 開催時間は12月16日=16時30分から、17日=13時から、16時30分から。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2d05a4c10010e170befce6f63b628ea43036709

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【新刊】見開き完結コラム123本、武田砂鉄氏『べつに怒ってない』など4冊

2022-08-17 | アイヌ民族関連
女性セブン8/16(火) 16:15配信
 各地で厳しい暑さが続き、熱中症への警戒が高まっている。こんなときには、涼しい部屋でゆっくり読書でもしていたいところ。この夏に読みたい新刊4冊を紹介する。
『べつに怒ってない』/武田砂鉄/筑摩書房/1760円
見開き完結のコラム123本。他人の誕生祝いに遭遇するレストラン、投票所(体育館)で思いだすマットの耳など。喫茶店でお盆から滑ったナポリタンが背中に垂れても「怒ってどうなる?」と思う著者。気になることは「考え込むようにして」いて、必然的にしたことよりしなかったことを書くほうが多い。そのほうが「頭の中が楽しくいられる」とか。分かるなあ。偏屈党でも作ります?
『掬えば手には』/瀬尾まいこ/講談社/1595円
味は最高、店主の人柄は最低。そんなオムライス専門店でバイトする大学生の梨木匠は昔からある能力を持っていた。人の心の叫びやうめきが分かるのだ。匠は、堅い鎧をまとって現れた女性バイトの常盤さんと打ちとけようとするうち、明るく可愛い女の子の声を聴くようになり……。登場人物達に感じる“好き”が波紋のように広がるノー悪人小説。月明かりの読後感にひたる。
『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』/デボラ・インストール著 松原葉子訳/小学館文庫/1089円
究極の多様性家族小説。人型ロボットが普及した近未来で、旧い箱型をしたタング。彼が獣医ベン一家の一員になった経緯は1、2作目で胸熱になって頂くとして、このシリーズ5作目では子育て中の“あるある”を描いて国境なき共感を呼ぶ。タングが学校で悪さをする理由、夫妻の娘で自閉症のボニーが表に出るきっかけ。生意気タング、思春期タング。愛が止まらなくなる。
『熱源』/川越宗一/文春文庫/902円
単行本時なんとスケールが大きく誇り高い小説だろうと震えたが、デビュー2作目で直木賞を受賞するとは。エラそうに「選考委員お目が高い」とうなった。日本に同化させられた樺太アイヌのヤヨマネクフ(山辺安之助)。ロシア支配下のポーランド人民族学者ピウスツキ。武力と収奪の20世紀初頭を背景に、2人の軌跡と歴史のうねりを描く。ほとんど史実という驚きも味わって。
文/温水ゆかり
※女性セブン2022年8月18・25日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/90663ce035d21ed7367f8826a6786e3cce000bfe

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『ジュラシック・ワールド』『海上48hours』など モンスターパニック映画の市場に迫る

2022-08-17 | 先住民族関連
リアルサウンド8/16(火) 8:00配信
 日本公開から1週間で興行収入20億円を超え、直近3年間に公開された洋画では、土日成績No.1を記録した『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。
 新旧キャストが集結し、初登場の恐竜も多数。恐竜好き、怪獣好きの子どもから大人までが大興奮するアニマルパニック超大作だ。
 一方で同じく公開中の『海上48hours ―悪夢のバカンス―』も毛色は違うが、アニマルパニック映画である。他にもサム・ワーシントン主演で製作されるサメとシャチと人間の三つ巴の戦いを描いた『Alphas(原題)』や殺人ライオンとイドリス・エルバが対決する『ビースト』、そして『MEG ザ・モンスター』(2018年)の続編となる『The Meg 2: The Trench(原題)』など、多くの作品が待機している状態。
 世界各国で製作されていることもあって、毎年、毎年、大量のアニマル/モンスターパニック映画が世に放たれている。劇場公開作品はもちろんのこと、『シャークネード』のようなテレビ映画やインディーズのオリジナルビデオ作品なども含めてしまうと、とてもじゃないが把握しきれない量だ。
 そもそもどうしてこんな市場が出来上がっていったのだろうか……。
 それを知るには1933年の『キングコング』まで遡ることになる。初期のパニック映画というのは、差別的意識や社会風刺が色濃く出た作品が多い。『キングコング』だけに限ったことではないが、大きくて狂暴なゴリラは黒人奴隷のメタファーともされているし、『ノートルダムの傴僂男』(1939年)や狼男、フランケンシュタインの怪物からなる「ユニバーサル・モンスター」シリーズも、見世物小屋の障がい者がモデルとも言われている。
 ホラー映画も同様に、保守的な田舎の住人、先住民族を野蛮で恐ろしい存在として描くことで、アメリカが先住民族から土地を奪った罪悪感を中和していたとも考えられている。
 日本を代表する怪獣・ゴジラも、着想元である『原子怪獣現わる』(1953年)の設定を受け継ぎ、核実験によって目覚めるという設定にされているように、反核映画としての側面もあったのだ。一方でコジラが皇居を襲わないことから、戦没者の魂ではないかという説もあるが、そういった社会風刺を連想させるのも、パニック映画のルーツ自体が暗いテーマから成り立っていたからだ。
 今でこそ情報があふれ、アップデートされ続けることによって、ルーツは薄れているが、私たちが知っている有名なモンスターのルーツは、とても差別的だったり、社会風刺的なものが多い。
 環境問題などに関して扱っているパニック映画は今もあるが、差別意識という点では、あまり感じられなくなってきている。その分岐点はどこだろうか。
 『キングコング』と『ゴジラ』が世界的ヒットしたことで、『恐竜100万年』(1966年)や『恐竜グワンジ』(1969年)など、恐竜や巨大生物を扱った作品は数多く制作されるようになったが、身近な動物の脅威を描くという点で大きな分岐点となったのは、やはりスティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』(1975年)といえるだろう。
 スピルバーグというのは、SF、怪獣オタクである。デビュー作のテレビ映画『激突!』(1971年)もトラック自体が意思を持っているかのように描くために、運転手は映し出されない。言ってしまえばこれもモンスターパニック映画。『キングコング』というよりは、怪獣というイメージの強い『ゴジラ』を意識しており、『ジョーズ』にいたっても同様である。
 当時28歳だったスピルバーグが、せっかく作ったサメロボットがほとんど機能しない、脚本も完成していないまま撮影を開始するなど、トラブル続きの中で撮った『ジョーズ』のヒットを受けて、もともとパニック映画を制作してきたB級映画の帝王、ロジャー・コーマンも飛びついて制作されたのが、ジョー・ダンテと組んだ『ピラニア』(1978年)である。
 ロジャー・コーマンという人物は、映画を観るというより、カップルたちがイチャイチャすることが目的とされていたドライブインシアター用の映画として、とにかくストーリーよりも、お色気やバイレンス表現を詰め込んでいたクリエイターである。そのコーマンが『ジョーズ』にお色気要素をプラスした『ピラニア』を世に放ったことで、パニック映画といえば、ビキニのお色気ガールが襲われるのが定番となり、自然とサメ映画、パニック映画で犠牲になるのはリア充、パリピが相場となることが多くなっていった。
 ここまでくると、元々あった差別意識や社会風刺色は薄れ、ひとつのジャンルとして確立されていったことがわかる。
 ホラーと同様に低予算で儲かるジャンルということで、若手クリエイターたちがパニック映画を作るようになり、しばらくは『グリズリー』(1976年)や『オルカ』(1977年)、『アリゲーター』(1980年)のように、手を変え、品を変え、パニック映画が定期的に作られていたが、90年代に突入して、さらに大きな分岐点が訪れる。
 それがまたしてもスピルバーグの『ジュラシック・パーク』(1993年)である。同作が画期的だったのは、初めて生物をCGで表現することの可能性を示したことだ。
 そこから数々の恐竜映画や『アナコンダ』(1997年)、『ディープ・ブルー』(1999年)、『U.M.A レイク・プラシッド』(1999年)などのパニック映画が量産体制に入った。それに加え、CGも少し手を加えるだけで使い回しもできるということで、シリーズ化がされる作品も多くなり、世界中にアニマル/モンスターパニック映画が溢れるようになっていったのだ。
 現在公開中の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』と『海上48hours ―悪夢のバカンス―』は、制作規模も違えば、公開劇場数も全く異なる作品ではあるが、派生元はどちらもスピルバーグ、もっと遡ると『ゴジラ』に繋がってくるということだ。
 パニック映画ではないが、ティム・バートン作品も『ゴジラ』や『ウルトラマン』といった、円谷作品の影響を多く受けている。日本でも2014年に六本木ヒルズで開催された「ティム・バートンの世界」では、彼がレストランの紙ナプキンに書いた落書きの展示スペースがあり、そこにはバルタン星人や『ウルトラマンガイア』に登場したガンQなどが描かれていた。『シザーハンズ』(1990年)のモデルも実はバルタン星人だったのかもしれない。ギレルモ・デル・トロが『パシフィック・リム』(2013年)の中で“カイジュウ”という表現を使っているのも円谷作品へのオマージュだ。
 他にもハリウッドで活躍する多くの映画人たちが、円谷作品を意識している。つまり何が言いたいかというと、現在のパニック映画の市場は円谷作品とスティーヴン・スピルバーグ、そしてロジャー・コーマンが原型に成り立っているということだ。
バフィー吉川
https://news.yahoo.co.jp/articles/78c4ae6e466c61e09fa14ec732ce6cd038fa8dce

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