北海道新聞08/28 22:36
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今回で閉幕となる予定の「空想の森映画祭」会場の新内ホール。カシワの大木が見守ってきた
【新得】「第25回SHINTOKU空想の森映画祭final」(実行委、北海道新聞帯広支社主催)が9月17~19日、町内の新内ホール(旧新内小)で開かれる。1996年から続く伝統の映画祭だが、実行委メンバーの高齢化などで今回が最後となる予定。アイヌ民族の特集やドキュメンタリー映画監督の原一男さんの作品を上映し、珍しいアイヌ民族衣装のファッションショーやゲスト監督のトークや質疑応答を行う。
映画祭は、東京から移住した映画監督の藤本幸久さん(68)を中心に、町内の農業青年や自営業者らが実行委を結成して始まった。新内ホールの玄関前にある大きなカシワの木に魅せられた藤本さんらが「時代を映した映画を通じ、未来を考えよう」と発案したのがきっかけだった。
以来、新型コロナ禍で中止した昨年、一昨年を除いて毎年開催。国内外の映画300本以上を上映してきた。だが、開始時に40代だった実行委の約20人が60代になり体力的に厳しくなったことや、「今回を含め上映すべき映画はほぼ取り上げた」ことなどを理由に一区切りを付けることにした。
今回は16日の前夜祭を含め4日間で映画8本、ミニライブ、「沖縄の戦後」に関する講演などを行う。
皮切りの16日は五十嵐貴博監督の「ホシッパアンナ―先祖の魂 故郷へ還(かえ)る」で、北大が持ち去った遺骨が浦幌アイヌ協会(現ラポロアイヌネイション)の訴えで返還され、再埋葬されるまでを追ったドキュメンタリー。
18日はアスベスト(石綿)を扱う工場で働き、肺がんや中皮腫を患った大阪・泉南の人たちが国に賠償を求めた裁判闘争を記録した原監督の「ニッポン国VS泉南石綿村」を上映。19日は沖縄・宮古島ピースアクション実行委員会の清水早子代表が「戦争と平和の最前線―宮古島からのリポート」と題して話す。
実行委員長の藤本監督は「観客と監督、関係者が膝を交えて交流できる映画祭を目指してきた。改めてドキュメンタリー映画の魅力や可能性を感じ取ってほしい」と話す。前売り券は発行せず、当日購入する。3日間の通し券は3千円、1日券2千円、1プログラム券1500円、前夜祭(16日)、さよならパーティーはともに千円。問い合わせは藤本さん、電話090・8278・6839へ。(伊藤圭三)
主な上映作品、プログラムは次の通り
◇16日 ▽前夜祭「ホシッパアンナ―先祖の魂 故郷へ還る」、ミニライブ=午後6時半
◇17日 ▽「八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ」「アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン」=午前10時▽「カムイチェプ サケ漁と先住権」=午後1時半▽小川早苗ファッションショー「ピリカ・スウォプ」=同5時
◇18日 ▽「極私的エロス・恋歌1974」=午前10時▽「ニッポン国VS泉南石綿村」=午後1時半▽「ゆきゆきて、神軍」=同7時半
◇19日 ▽「生態系シリーズ 小池照男さん追悼上映」=午前10時▽講演「戦争と平和の最前線」=午後1時▽映像リポート「戦後の沖縄」=同3時半▽さよならパーティー=同7時
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/723062/

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今回で閉幕となる予定の「空想の森映画祭」会場の新内ホール。カシワの大木が見守ってきた
【新得】「第25回SHINTOKU空想の森映画祭final」(実行委、北海道新聞帯広支社主催)が9月17~19日、町内の新内ホール(旧新内小)で開かれる。1996年から続く伝統の映画祭だが、実行委メンバーの高齢化などで今回が最後となる予定。アイヌ民族の特集やドキュメンタリー映画監督の原一男さんの作品を上映し、珍しいアイヌ民族衣装のファッションショーやゲスト監督のトークや質疑応答を行う。
映画祭は、東京から移住した映画監督の藤本幸久さん(68)を中心に、町内の農業青年や自営業者らが実行委を結成して始まった。新内ホールの玄関前にある大きなカシワの木に魅せられた藤本さんらが「時代を映した映画を通じ、未来を考えよう」と発案したのがきっかけだった。
以来、新型コロナ禍で中止した昨年、一昨年を除いて毎年開催。国内外の映画300本以上を上映してきた。だが、開始時に40代だった実行委の約20人が60代になり体力的に厳しくなったことや、「今回を含め上映すべき映画はほぼ取り上げた」ことなどを理由に一区切りを付けることにした。
今回は16日の前夜祭を含め4日間で映画8本、ミニライブ、「沖縄の戦後」に関する講演などを行う。
皮切りの16日は五十嵐貴博監督の「ホシッパアンナ―先祖の魂 故郷へ還(かえ)る」で、北大が持ち去った遺骨が浦幌アイヌ協会(現ラポロアイヌネイション)の訴えで返還され、再埋葬されるまでを追ったドキュメンタリー。
18日はアスベスト(石綿)を扱う工場で働き、肺がんや中皮腫を患った大阪・泉南の人たちが国に賠償を求めた裁判闘争を記録した原監督の「ニッポン国VS泉南石綿村」を上映。19日は沖縄・宮古島ピースアクション実行委員会の清水早子代表が「戦争と平和の最前線―宮古島からのリポート」と題して話す。
実行委員長の藤本監督は「観客と監督、関係者が膝を交えて交流できる映画祭を目指してきた。改めてドキュメンタリー映画の魅力や可能性を感じ取ってほしい」と話す。前売り券は発行せず、当日購入する。3日間の通し券は3千円、1日券2千円、1プログラム券1500円、前夜祭(16日)、さよならパーティーはともに千円。問い合わせは藤本さん、電話090・8278・6839へ。(伊藤圭三)
主な上映作品、プログラムは次の通り
◇16日 ▽前夜祭「ホシッパアンナ―先祖の魂 故郷へ還る」、ミニライブ=午後6時半
◇17日 ▽「八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ」「アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン」=午前10時▽「カムイチェプ サケ漁と先住権」=午後1時半▽小川早苗ファッションショー「ピリカ・スウォプ」=同5時
◇18日 ▽「極私的エロス・恋歌1974」=午前10時▽「ニッポン国VS泉南石綿村」=午後1時半▽「ゆきゆきて、神軍」=同7時半
◇19日 ▽「生態系シリーズ 小池照男さん追悼上映」=午前10時▽講演「戦争と平和の最前線」=午後1時▽映像リポート「戦後の沖縄」=同3時半▽さよならパーティー=同7時
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/723062/