先住民族関連ニュース

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白糠ロケの思い出語る 映画「シサム」 釧路町で監督らあいさつ

2024-09-15 | アイヌ民族関連

三島七海 有料記事

北海道新聞2024年9月14日 21:48

舞台あいさつに登壇した主演の寛一郎さん(右から3人目)ら出演者と、中尾監督(右端)

 【釧路町】白糠町内をロケ地にアイヌ民族と和人の歴史や絆を描いた映画「シサム」の全国公開を記念して14日、イオンシネマ釧路(釧路町桂木1)で中尾浩之監督や主演の寛一郎さんら関係者が舞台あいさつをした。白糠での思い出や映画の見どころなどを語った。

 作品は、江戸時代前期の蝦夷地(えぞち)を舞台に、松前藩に対するアイヌ民族の蜂起を背景とする人間模様を描く。昨年夏に白糠で撮影が行われ、寛一郎さんが松前藩士を演じ、先輩の藩士役として緒形直人さんも出演した。全国公開は13日に始まった。

 舞台あいさつは上映後に行われ、6人が登壇。・・・・・

 

 ☆シサムの「ム」は小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1063121/


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藤戸竹喜の人となり語る 旭川 記念展に合わせトーク

2024-09-15 | アイヌ民族関連

弓場敬夫 有料記事

北海道新聞2024年9月14日 21:12

藤戸竹喜さんの人となりや作品を解説したトークイベント。左から五十嵐聡美さん、藤戸康平さん、山崎真理子部長

 旭川で少年期を過ごしたアイヌ民族の木彫家、藤戸竹喜さんの生誕90年記念展「藤戸竹喜の世界展」が開幕した14日に合わせ、北海道立旭川美術館(旭川市常磐公園内)でトークイベントが開かれた。

 同展を企画、監修した前札幌近代美術館学芸部長の五十嵐聡美さん(60)が進行役となり、藤戸さんの次男でアイヌ工芸家の藤戸康平さん(46)、北海道新聞の連載「私のなかの歴史」で竹喜さんに取材した旭川報道部の山崎真理子部長が、生前の竹喜さんの仕事ぶりや趣味などについて語り合った。

 五十嵐さんは「藤戸さんに初めて会った時に、作・・・・・・

 11月17日まで午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。一般1300円、高大生800円、中学生500円、小学生以下無料(要保護者同伴)。問い合わせは同美術館、電話0166・25・2577へ。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1063104/


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「藤戸竹喜の世界展」 道立旭川美術館で開幕

2024-09-15 | アイヌ民族関連

弓場敬夫 会員限定記事

北海道新聞2024年9月14日 18:59

「フクロウ祭り ヤイタンキエカシ像」(手前)など、藤戸竹喜さんの初期から晩年までの作品が並ぶ会場(西野正史撮影)

 【旭川】北海道を代表するアイヌ民族の木彫家で、少年期を旭川で過ごした藤戸竹喜さん(1934~2018年)の生誕90年を記念する「藤戸竹喜の世界展」が14日、北海道立旭川美術館(旭川市常磐公園内)で始まった。

 藤戸さんは旭川の熊彫り職人だった父竹夫さんの元、12歳で熊の木彫りを始めた。その後、阿寒湖畔(釧路市)にアトリエを設けた。初期から晩年までの91点もの藤戸作品が旭川に集結するのは初めて。

・・・・・・

同展は11月17日まで。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1063047/


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「日本は多民族」認識を 苫小牧でウポポイの村木さん講演

2024-09-15 | アイヌ民族関連

絈谷武史 有料記事

北海道新聞2024年9月14日 18:59

「民族の存在について、日本人一人一人がもっと意識してほしい」と話す村木本部長

 白老町にあるアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の村木美幸運営本部長が、共生社会をテーマに苫小牧市の市民会館で講演した。

 苫小牧で5日、2006年以来、18年ぶりに開かれた第61回税制改正提言全道大会(北海道法人会連合会主催)に招かれた村木さんは「誇りが尊重される共生社会の実現に向けて」と題して登壇した。

 村木さんはアイヌ施策推進法について触れながら「日本人の大半が、アイヌ民族をはじめとした民族について意識することが少ない・・・・・・

 

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1063046/


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北海道知事のSNSにアイヌ民族差別する返信 投稿阻めない、容易ならざる理由<デジタル発>

2024-09-15 | アイヌ民族関連

武藤里美 会員限定記事

北海道新聞2024年9月14日 14:00

 アイヌ民族を題材にした映画について取り上げた北海道の鈴木直道知事のX(旧ツイッター)に8月下旬以降、差別的内容を含む返信が50件余り寄せられている。公人が一般人の投稿を阻むことはハードルが高い上、より悪質な投稿の呼び水となる懸念もあるとされ、問題の返信は今も表示された状態が続く。ネット上の中傷や差別に政治家はどう対処すべきなのか。

 鈴木知事は8月28日、アイヌ民族を題材にした映画「シサム」の出演者から表敬を受けたとXに投稿。直後からアイヌ民族に対する侮辱的発言や、公金を不正に得ているなどと虚偽の内容を示唆する返信が続いた。

 中には問題のある投稿には厳正に対処するよう求める返信もあった。だが鈴木知事は新たなコメントは発表せず、返信を非表示にする機能や、特定の人からのアクセスを制限するブロック機能も使っていない。

 2019年施行のアイヌ施策推進法は4条で差別を禁じているが、罰則規定はなく、差別的な返信は事実上「放置状態」となっている。

 鈴木知事が対処に動かないのはなぜか。理由の一つに、政治家が一般人の投稿を制限することの難しさがある。

 武蔵野美術大学の志田陽子教授(憲法学)は「憲法は思想、表現の自由を保障している。人格権侵害には至らない主観の表明や知事の仕事への批判であれば、言論を制限すべきではない」と説明。アイヌ民族をおとしめる投稿は看過すべきではないが、公人はブロック機能などの使用に慎重であるべきだと指摘する。

 鈴木知事も10日の記者会見で誹謗(ひぼう)中傷と表現の自由の線引きの難しさに言及し「どういった対応が望ましいのか、検討が必要」と語った。

 加えて、ネット上の誹謗中傷に公人が反応することはリスクも伴う。「知事が返信に反応しても、それを火種にまた差別的な投稿が相次ぎ、炎上する恐れがある」。北海道庁の関係者はそう懸念する。

 ただ道外には差別的な投稿に厳しく対処する姿勢を打ち出した知事もいる。

 韓国系の民族学校をルーツとする京都国際高が今夏の全国高校野球選手権大会で初優勝した際、同校に対する民族差別的な投稿が交流サイト(SNS)上で相次いだ。これを受け、京都府の西脇隆俊知事は8月の記者会見で「差別的な投稿はあってはならない。モニタリングしながら対応したい」と表明した。

 府は人種差別や排外主義的な投稿計7件の削除を法務局やSNSの運営事業社に要請し、このうち6件が9月6日までに削除された。府によると、知事発言後は差別投稿は減り、状況は沈静化しているという。

 同志社大の檜垣伸次教授(憲法学)は「差別は許さない、と行政機関のトップが明確に発信することは重要」と指摘。知事自らが態度表明し、削除要請などの対応を公にすることで、軽い気持ちで差別的な発言をする人たちへの抑止効果も生まれるという。

 ・・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062621/


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八雲木彫り熊 次世代へ 作品誕生100年トークイベント

2024-09-15 | アイヌ民族関連

斉藤高広 会員限定記事

北海道新聞2024年9月14日 10:51

ジョバン社製の古い木彫品を町に寄贈したフラビウス・ジョバンさん(右)。左は長年交流を続けてきた元八雲商工会長の鈴木譲さん

 北海道を代表する木彫り熊産地の渡島管内八雲町で第1号の作品が誕生して100周年を記念する町教委主催のトークイベントが開かれ、関係者がその歴史を振り返り、次の100年に向けた展望を語った。

■柴崎、根本ら名工 「芸術家」自認

 木彫り熊作りが八雲に広がるきっかけをつくったのが、尾張徳川家第19代当主徳川義親(よしちか)。八雲に入植した旧家臣たちの困窮を憂い、新婚旅行で訪れたスイスから持ち帰った土産を参考に、農閑期の副業として木彫りを勧めた。戦後、柴崎重行、根本勲らの名工が独自の作風で作品を生み出した。

 義親が約100年前に買い求めたのは、スイス・ベルン近郊のブリエンツで1835年から続く木彫工房・ジョバン社製。8月31日と9月1日に開かれたトークイベントには5代目のフラビウス・ジョバンさん(56)が八雲町に来訪。100年以上前に同社で制作された、動物をかたどった木彫品など43点を町に寄贈した。

 ブリエンツでは木彫りの職人を養成する専門学校、工房、博物館が一体となって伝統を受け継いでいるという。「角ばった面彫りで抽象的な柴崎熊に感動した」というジョバンさんは「工房の職人に八雲の技法を学んでほしい」と語った。

 八雲の木彫り熊を紹介した「熊彫(くまぼり)図鑑」を編集・執筆した東京在住の編集者、安藤夏樹さん(49)は「柴崎と根本は初期の段階から芸術家であることを(自ら)認識し、他の作家と一線を画していた」と話し、共に抽象的な表現にこだわったと分析。「柴崎らの作品が今も評価されていることは、(今年春の)東京の百貨店での展示にすごい数の人が集まったことからも分かる」と語った。

 八雲の木彫り熊は、1971年に開設され一時休止を経て現在も続く公民館講座で後継者が育てられている。・・・・・

・・・・・

 <ことば>八雲の木彫り熊 1878年(明治11年)、尾張徳川家の士族集団移住によって八雲の開拓が始まった。第19代当主の徳川義親(1886~1976年)が1921年(大正10年)から約1年かけて欧州を旅行した際に訪れたスイスで購入した木彫り熊のペザントアート(欧州の農民芸術)を持ち帰り、八雲の農民に農閑期の副業として制作を奨励。24年(大正13年)、八雲で第1回農村美術工芸品評会が開催され、スイスの木彫り熊をモデルに出品された伊藤政雄の作品が第1号となった。同じ頃、旭川でも松井梅太郎によって木彫り熊の制作が始まり、戦後の北海道観光ブームに乗って木彫り熊は北海道土産の定番となり、産地は全道に広がった。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062962/


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緒形直人 寛一郎を絶賛「持っている華がある」 映画「シサム」公開初日舞台あいさつで

2024-09-15 | アイヌ民族関連

スポーツニッポン2024年9月14日

 俳優の寛一郎(28)が13日、主演を務める映画「シサム」(監督中尾浩之)の都内で行われた公開初日舞台あいさつに出席した。

 アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマ。「蝦夷地」と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行っていた史実をもとにした作品だ。

 寛一郎は満員御礼の客席を前に「ちょうど1年前の夏に北海道白糠町でまるまる1カ月撮影をしました。撮影以外にも今日まで凄くたくさんの方々が携わり、協力をしていただき、初日を迎えることが出来ました。本当に嬉しく思います」と感慨無量の表情であいさつ。共演の緒形直人は寛一郎について「彼は芝居に真摯に向き合っていて、目線は良いし、持っている華がある。特別なものを持っていると感じる」と絶賛した。

 和田正人は役柄上、片方の目に眼帯をして撮影。「片方の目がふさがっている状態で山の中のロケ地の道なき道をかきわけての撮影で、遠近感も取れないし、皆さんが移動するスピードにもついていけない。精神的にも肉体的にも追い込まれた状態。過酷な大自然でのロケはハードでした」と振り返った。しかもヒグマ出没の危険性もあったそうで「ここで出てきたら真っ先にやられるのは僕。ヒグマってウサイン・ボルトくらいの速さがあるそうなので」と大自然の中のロケならではのエピソードを明かした。

 アイヌの村のリーダーを演じた平野貴大は「白糠町のアイヌ協会の方々にもご協力をいただき、アイヌ伝統の療法や所作を教わったり、お酒を一緒に飲んだり、凄く仲良くさせていただきました」と現地の協力に感謝した。

 また、サヘル・ローズは本作が公開される意義について「ここで描かれるアイヌと和人の物語は、歴史上の物語ではなく、世界で今起きている出来事と重なる。これは壮大な歴史の物語ではなく現在進行形の意味深い作品。今の時代だからこそ見るべき、問われるべき作品です。それが日本映画として生まれたことを誇り

に思います」と語った。

 中尾監督は「この映画を作る上で大切にしたのは謙虚さ。観客に答えを提示するのではなく、見終わった皆さんに感じていただき、自分なりの答えを見つけてもらえたらうれしい。映画館でエモーショナルな映画体験を感じてほしいです」とアピールした。

 ロケ地の北海道・白糠町の棚野孝夫町長も来場。寛一郎に花束を贈呈し「我々にとって待ちに待った今日の良き日。お祝いを申し上げたい」と念願の全国公開を祝福した。花束を受け取った寛一郎は「白糠町の皆さんの協力なくして、この映画は完成できなかった。アイヌの物語ではありますが、これは過去の問題を描いているのではなく、今に通ずる物語を描いていると思います。その問題を僕らは考え、模索し、未来に提示する義務があると思います。この映画が今日からたくさんの方々に見てもらえるよう、広がって行けば嬉しいです」と大ヒットを願った。

https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/緒形直人-寛一郎を絶賛-持っている華がある-映画-シサム-公開初日舞台あいさつで/ar-AA1qxBuS


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内務省ゲート先住民族が所有する土地の認証のための省

2024-09-15 | 先住民族関連

VOI 14 September 2024, 11:40

ジャカルタ - 内務省(ケメンダグリ)は、インドネシアの慣習法コミュニティ(MHA)に属する慣習的な土地を認証するために、多くの省庁や機関を集めました。

ATR / BPN省、環境林業省、海事水産省を含むいくつかの機関が協力しました。

「会議参加者による慣習的な土地問題の取り扱いに関する情報と経験の交換により、慣習的な土地登録の問題や障害が協力して解決されることが期待されています」と、内務省の地域行政開発局長代理アムランはアンタラを引用して述べた。

経験の交換だけでなく、各省庁がMHAに属する慣習的な土地地域に関するデータを互いに平等にすることができるように協力が行われます。

また、各機関が互いに規制を同期させて、現場での慣習的な土地認証の完了を迅速に完了できるようにすることもできます。

同じプレス声明で、ATR / BPN省の土地利用および共同権利副局長のSetyo Anggrainiは、MHAが慣習的な土地を認証したい場合、MHAが多くの利益を受けると述べた。

彼は、MHAが土地の合法性を持ち、それが争われたり紛争に巻き込まれたりすることができないようにすると述べた。

この慣習的な土地の合法性は、将来土地に問題が発生した場合、MHAの立場も強化するでしょう。

さらに、慣習的な土地認証は、インドネシア全土におけるMHAの存在を政府が認識する一形態とも考えられています。

現在、関係省庁は、慣習的な土地認証を実施するためのデータ同期について議論しています。

「この認証により、政府はMHAの土地所有権に対する権利が保証され続けると信じています」と彼は言いました。

The English, Chinese, Japanese, Arabic, and French versions are automatically generated by the AI. So there may still be inaccuracies in translating, please always see Indonesian as our main language. (system supported by DigitalSiber.id)

https://voi.id/ja/keizai/416523


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文明崩壊なかった?  モアイ像の最後巡り新研究 イースター島

2024-09-15 | 先住民族関連

時事通信 9/14(土) 21:03

チリ・イースター島のモアイ像=2022年8月(AFP時事)

【パリAFP時事】モアイ像で有名な南米チリ沖のイースター島で、先住民の環境破壊による文明の崩壊は起きていなかった可能性を示唆する研究結果が11日、英科学誌ネイチャーに掲載された。17世紀を最後にモアイ像が建造されなくなったのは、先住民社会の崩壊が原因だとする通説に異論を唱える内容だ。

【写真特集】みんな大好きモアイ像

 研究者は17~20世紀に生きた先住民15人の遺伝情報を解析し、この間に人口が大幅に減少していなかったことを解明した。イースター島を巡っては、先住民が森林伐採を進めた結果、飢餓と紛争が発生し、文明の崩壊につながったとの説が一般的。

 研究を行ったスイス・ローザンヌ大の研究者は「解析結果は、13世紀から欧州人が島に到着した18世紀までの間、先住民の人口が着実に増加していたことを示している」と指摘。欧州人との接触前に島の人口が減っていたとする説を覆す結果だと訴えた。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/13561be444ae9ed1e699a4b045f90969ff0167a9


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「アメリカ革命」 自由と平等の建国イメージを解体 朝日新聞書評から

2024-09-15 | 先住民族関連

好日好書 2024.09.14

アメリカ革命-独立戦争から憲法制定、民主主義の拡大まで (中公新書 2817)

著者:上村 剛

出版社:中央公論新社

ジャンル:歴史・地理

ISBN: 9784121028174
発売⽇: 2024/08/20
サイズ: 1.5×17.3cm/264p

「アメリカ革命」 [著]上村剛

 18世紀末のアメリカ革命は、日本では民主主義の起源として描かれることが多い。一般的なのは、イギリスの圧政に対して植民地の人々が立ち上がり、自由の国を打ち立てたという物語だろう。だが、こうした見方は建国に携わった白人男性のエリートたちを過度に英雄視するものだ。本書は、最新の研究成果に基づき、このイメージに二つの角度から挑戦する。
 第一に、本書はこの革命を民主主義の始まりとしてではなく、世界初の成文憲法の成立として描く。重要なのは、多数の人間が憲法制定に携わったことだ。それ以前は、古代ローマを念頭に、立法者は一人であるべきだとされていたが、アメリカでは植民地を構成する諸邦の代表者が集い、憲法制定会議に参加した。本書は、マディソンのような有名人以外にも多くの立法者を取り上げ、思想のパノラマを描く。
 その結果として成立した憲法は、妥協の産物だった。人口の多い邦と少ない邦の利害は鋭く対立し、上下両院への議席配分や大統領の選び方をめぐって最後まで議論が紛糾する。当然、その憲法案には多くの不満が残った。各邦での反対を乗り越えて憲法の批准に漕(こ)ぎ着け、合衆国が成立した後も、連邦議会では大統領の人事権など憲法の運用をめぐる論争が続く。連邦政府の強化に伴う州との権限対立も絶えなかった。憲法体制が完全に定着し、革命が終了するには実に約半世紀を要したと本書は見る。
 第二に、本書は革命から排除された人々に光を当てる。人間の平等を謳(うた)う独立宣言に女性の権利は含まれず、憲法制定後も南部は奴隷制を維持した。中でも本書が力点を置くのが、先住民の運命だ。19世紀前半の一大争点は欧州列強から獲得した領土への奴隷制の導入をめぐる南部と北部の対立だったが、それは先住民から奪った土地の分配をめぐる争いに他ならない。「ジャクソニアン・デモクラシー」に至る民主化は、帝国化の過程だった。
 以上のように、本書はアメリカの建国に関する伝統的な見方を解体した。それと同時に本書が解体したものが、もう一つある。それは、日本が目指すべきモデルとしてのアメリカ像だ。日本では、昔からアメリカは近代国家の模範として理想化されてきたが、本書はそうした態度とは明確に一線を画す。その背景にあるのは、ポピュリズムに揺れる覇権国としての、今日のアメリカの状況だろう。本書は、等身大のアメリカの姿を描くことで、改めて日本政治のあり方を考えることを読者に促している。
    ◇
かみむら・つよし 1988年生まれ。関西学院大准教授(西洋政治思想史)。『権力分立論の誕生 ブリテン帝国の『法の精神』受容』でサントリー学芸賞。ほか共編著『歴史を書くとはどういうことか』など。

https://book.asahi.com/article/15426189


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想像上の生き物など紹介 特別展「驚異と怪異」開幕 アイヌ民族博物館 白老

2024-09-15 | アイヌ民族関連

苫小牧民報2024/9/14配信

 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)で14日、第9回特別展示「驚異と怪異―想像界の生きものたち」が開幕した。世界各地で起きた天変地異などから想起された想像上の生き物の多様性と人間の創造力の…

この続き:770文字

https://www.tomamin.co.jp/article/news/area2/149322/


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さながら縄文人気分 本物の火焔型土器に触れてみて 新潟の体験施設

2024-09-15 | アイヌ民族関連

毎日新聞2024/9/14

手で持てる火焔型土器(津南町・道尻手遺跡出土)=同町下船渡乙のなじょもんで2024年8月29日午後5時14分、中津川甫撮影

 歴史の教科書でもおなじみの「火焔(かえん)型土器」に触れます――。見た目が燃え上がる炎のように見えることからそう名付けられた土器で、日本の縄文時代を代表する。博物館ではガラスケースの中に展示されているのが一般的だが、新潟県津南町の農と縄文の体験実習館「なじょもん」では、発掘された実物に触れることができる。体験してみた。【中津川甫】

 県埋蔵文化財センターによると、火焔型土器のレプリカに触れる施設はあるが、実物は他に聞いたことがないという。火焔型土器は縄文中期の約5000年前に生み出されたとされ、ほとんどが県内の信濃川の上・中流域(津南から長岡付近)で発見されている。十日町市博物館には県内唯一の国宝に指定された土器もあり、「新潟の宝」になっている。

なじょもんの窓口で申し込むと、発掘調査の記録作業をしている「整理室」に案内され、職員の立ち会いの下、火焔型土器を持つことができる。入館料は原則無料(有料の企画展開催時は高校生以上300円必要)。現在は町内で約5500年前の遺跡から見つかった火焔型土器のほか、大小さまざまな約30個の土器に触れる。

 実際に火焔型土器を手に持つと、大きな米袋を持った時のような重みがあり、思ったよりも艶と厚みがあった。炎のような取っ手を軽くつかんだり、文様を指でなぞったりしていると、縄文人になったような気分を味わえた。自分の物だったら装飾の出来栄えを自慢し他人に譲りたくないが、獲物を追って引っ越す時は重くて持ち運びが大変だと感じた。

 担当する町教委の小島裕輔さんは「火焔型土器は研究者だけが触れる物ではなく、みんなの物。見るだけでなく触ることで、縄文時代をもっと身近に感じてほしい」と語る。

 十日町市博物館によると、火焔型土器の魅力は不思議なデザインにある。縄文土器なのに表面は縄目の文様が原則使われず、竹管の使用やひも状にした粘土を張り付けて立体的な線で文様(渦巻(うずまき)文やS字文など)を表現するといった特徴がある。口縁部の取っ手は4カ所あり、ニワトリのトサカにも見えるため「鶏頭冠(けいとうかん)突起」と呼ばれる。その周囲にあるフリル状のギザギザ部分はノコギリの歯に似ていることから「鋸歯(きょし)状突起」と名付けられている。

 一方で長岡市立科学博物館によると、専門家の中には炎に見える取っ手が「信濃川で跳ねるサケの姿」、土器の文様は「水の流れや雲、煙」と見立てる人もおり、デザインの解釈はさまざまだ。火焔型土器は内面に食べ物の焦げが付着していることが多いため、煮炊きに使われたとみられているが、祭りや儀式など特別な時に用いられたとも考えられている。こうした謎の多さが現代人に縄文ロマンを感じさせるという。

 小島さんも「津南のような豪雪地域に、なぜ縄文人が多く住んでいたのか」と強い関心を持つ。農耕でなく狩猟採集で生計を立てた縄文人にとって、雪が積もる冬山は野生動物の足跡が残るため見つけやすく、狩りに好都合だったと見ている。

 小島さんは「雪は現代人にとって厄介に思われがちだが、縄文人は違った見方をしていたのかもしれない。なぜこの地域で火焔型土器が多く見つかるのか。土器を見て触って雪国の風土も知ってほしい」と話している。

 縄文土器に詳しい国立歴史民俗博物館(千葉)の中村耕作准教授は「触れる展示は土器の質感といった見るだけでは得られない価値があり、縄文文化の面白さの発見につながる。歴史の復元の意義や、地域に伝わる宝を知ってもらう上で貴重な取り組みだ」と語る。

 「太陽の塔」を手掛けた芸術家の岡本太郎は、日本文化の源流を示す火焔型土器を見た時に「なんだ、コレは!」と叫んだとされる。記者は北海道で見たアイヌ民族の服と土器の文様が似ていると感じた。文化庁の文化遺産オンラインには火焔型土器について、こう書かれている。「縄文人は何をイメージして作ったのでしょう? あなたにはどんなふうに見えますか?」

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/さながら縄文人気分-本物の火焔型土器に触れてみて-新潟の体験施設/ar-AA1qyqVf?ocid=BingNewsVerp


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