先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

音楽療法知ろう 27~29日 札幌で大会

2024-09-14 | アイヌ民族関連

編集委員 荻野貴生 会員限定記事

北海道新聞2024年9月14日 4:00

「第24回日本音楽療法学会学術大会」は27~29日、札幌コンベンションセンター(札幌市白石区東札幌6の1)で開かれ、無料で参加できるイベントもある。

 初日の27日午後5時~6時半には「ミュージック セラピー コンサート~音楽で楽しく、音楽で元気に」が開かれる。音楽評論家の湯川れい子さんらが道先案内人を務める。左手のフルート奏者畠中秀幸さん、ピアニストの小川紗綾佳さん、HBC少年少女合唱団が出演する。参加無料で、未就学児の入場も可。

 教育講演(市民公開講座)は28日午前10時~11時半に開かれ、北海道博物館研究職員の甲地利恵さんが「アイヌの伝統音楽について~『カムイ』とのつながりを意識する」をテーマに話す。参加無料。

・・・・・

一般の人は1日2500円で参加できる。オンデマンド配信による多数の講習会も用意されている。詳しくは大会ホームページ(https://ec-mice.com/jmta24/)を参照。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062721/


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札幌の郷土史研究会、高齢化で休会 活動40年超「掘る会」、民衆史に光

2024-09-14 | アイヌ民族関連

鈴木雅人 有料記事

北海道新聞2024年9月13日 22:25

 郷土史を研究する「札幌郷土を掘る会」(小松豊代表)が、高齢化を理由に40年以上にわたる活動を休止した。北電藻岩発電所(札幌市南区)の建設工事で亡くなった労働者を調査し過酷な実態を明らかにするなど、同会が果たしてきた役割は大きく、事務局を維持しながら次の担い手が現れるのを待つという。

 会員は元教員らが多く、現在約100人。7月に発行した機関誌「掘る」で休会を告知。同会の活動をけん引してきた世話人は70~80代で、機関誌では「会報発行も難しく、以前のような精力的な活動も困難になった」とした。

 同会は、小松代表(77)ら教員4人が1982年に立ち上げた。劣悪な居住環境の「タコ部屋」労働の体験者らに聞き取りしながら過酷な実態を明らかにしたほか、「札幌民衆史講座」を開き、情報を発信してきた。

北電藻岩発電所の工事で過酷な「タコ部屋」労働を追体験するため、もっこをかつぐ参加者たち=2009年6月、札幌市南区

 掘る会によると、34年(昭和9年)~36年に行われた北電藻岩発電所の建設では、朝鮮人労働者5人を含む38人が亡くなったとされ、証言集「札幌民衆史シリーズ」を刊行し光を当てた。同会メンバーが中心になって、94年に犠牲者の顕彰碑を建て、現在も追悼式を行っている。

 ・・・・・・・

 札幌郷土を掘る会は、次の担い手が現れれば会を引き継ぐことも考えており、事務局は当面存在させる。問い合わせは同会事務局、電話011・866・2014へ。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062877/


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上富良野中吹奏楽、東日本へ 14年ぶり出場、練習励む

2024-09-14 | アイヌ民族関連

川上舞 有料記事

北海道新聞2024年9月13日 21:48

来月の東日本学校吹奏楽大会に向け、練習に熱が入る上富良野中の吹奏楽部

 【上富良野】上富良野中吹奏楽部が、10月12日に水戸市で開かれる「第24回東日本学校吹奏楽大会」(北海道吹奏楽連盟など主催、東関東吹奏楽連盟主管)に北海道代表として出場する。同校の出場は2007年から4年連続で同大会に出場して以来、14年ぶり。大舞台を前に部員らは練習に励んでいる。

 同大会は30人以下で編成する吹奏楽部が出場するコンクールの最高峰とされ、中学生部門は北海道から北陸までの代表30校が出場する。

 上富良野中は、予選を兼ねて8月30日に札幌市で開かれた、第69回北海道吹奏楽コンクールの中学生B編成(35人以内)で、息の合った演奏を披露し、出場17校の中から札幌市の清田中とともに北海道代表に選ばれた。

 東日本大会で演奏するのは、予選と同じ「アイヌ民謡『イヨマンテ』の主題による変奏曲」(福島弘和作曲)。顧問の大熊勝映教諭(47)が、技術的な面だけでなく、北海道の雄大で自然豊かな雰囲気が思い浮かぶような曲調が今のメンバーに合っていると選定した。

・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062831/


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国交相「アイヌ民族差別あってはならない」 北海道の実態調査受け強調

2024-09-14 | アイヌ民族関連

本庄彩芳 会員限定記事

北海道新聞2024年9月13日 21:29

 斉藤鉄夫国土交通相は13日の閣議後の記者会見で、北海道の2023年度の調査で、アイヌ民族であることを理由に差別を受けた経験があると回答した人が29%に上ったなどの結果を受け、アイヌ民族に対する差別について「あってはならない」と強調した。

 斉藤氏は「関係省庁と連携し、(胆振管内白老町の民族共生象徴空間)ウポポイでアイヌ文化に触れていただくことなどを通じ、文化の理解の促進に取り組んでいきたい」と述べた。

 道は23年度に実施したアイヌ生活実態調査の結果を9日に公表。自身が差別を受けた場面では交流サイト(SNS)などインターネット上の書き込みが31.6%と最多だった。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062795/


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自転車で道南観光拡大 北斗の剱持さん、基盤整備に意欲

2024-09-14 | アイヌ民族関連

鹿内朗代 有料記事

北海道新聞2024年9月13日 21:14 

 2年前に東京から道南に移住した剱持英明さん(59)=北斗市=がサイクルツーリズムの活性化に取り組んでいる。保険業や自転車店経営などの経歴があり、道内で観光業に携わりたいと考えた。「道南は外国人に人気の歴史や自然がそろう場所。観光の幅を広げたい」と意気込んでいる。

 剱持さんは神奈川県出身。大学卒業後は保険会社に勤め、函館や米ニューヨークの支店で勤務した。ニューヨーク時代には同市郊外で高速道路を封鎖してサイクリングを楽しむ行事が月に2回ほど行われており、自転車ランナーの爽快な姿に衝撃を受けたという。

 親戚に頼まれたのを機に2002年から13年間、東京都内で自転車店を経営。外国人観光客の増加を目の当たりにし、その後は英語力を生かしたガイドやタクシー運転手として働いた。

 ・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062773/


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想像上の生物 祭具など展示 ウポポイ

2024-09-14 | アイヌ民族関連

武内敦貴 会員限定記事

北海道新聞2024年9月13日 19:51(9月13日 23:14更新)

角度によって亀や水鳥など、さまざまな生き物に見える縄文時代の動物形土製品

 【白老】胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の国立アイヌ民族博物館で14日から、特別展示「驚異と怪異―想像界の生きものたち」が開かれる。世界の想像上の生きものに関する祭具や衣装、絵画など300点以上を展示する。

 同館や国立民族学博物館(大阪)などの主催。2019年に国立民族学博物館で開かれた特別展の巡回展で、道内では初開催。

 ・・・・・・

11月17日まで。9月16、23日、10月14日、11月4日を除く月曜と、9月24日、10月15日、11月5日休館。入場料とは別に観覧料(大人300円、高校生200円)が必要。中学生以下無料。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062733/


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ゴールデンカムイの世界 間近で 平取で特別展 映画の衣装など公開

2024-09-14 | アイヌ民族関連

石井純太 会員限定記事

北海道新聞2024年9月13日 19:10(9月13日 23:12更新)

映画「ゴールデンカムイ」の撮影に使われた衣装や小道具、新作ドラマの台本などが並ぶ会場

 【平取】北海道を舞台にした人気漫画の実写版映画「ゴールデンカムイ」の撮影で実際に使われた衣装などを披露する特別展が13日、日高管内平取町の町立二風谷アイヌ文化博物館で始まった。初日から作品のファンが訪れ、熱心に見入った。

 1月に公開された映画の続編として、10月6日から「連続ドラマW ゴールデンカムイ―北海道刺青(いれずみ)囚人争奪編―」がWOWOWで放映されるのに合わせ、町が企画した。

 主人公役を演じた山崎賢人さんら主要キャストが着用した衣装6着のほか、地図や金貨といった小道具などファン垂ぜんの品々が並ぶ。初日に訪れた帯広市の主婦前田涼子さん(46)は「作品のファンで楽しみしていた。間近で衣装を見られて興奮する」と喜んでいた。

 展示会場は入場無料で、・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1062689/


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寛一郎主演『シサム』アイヌと日本人との関係性を描いた作品。主人公が救えなかったアイヌの人々への想いを胸にとった行動とは

2024-09-14 | アイヌ民族関連

婦人公論 9/13(金) 12:39

1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!(写真・イラスト◎筆者)

◆映画『シサム』の意義

私は実はアイヌ文化ファン。阿寒湖温泉を訪ねた時にアイヌコタン村を見て、アイヌの踊りと音楽を堪能したのがきっかけ。だから今回の映画『シサム』の完成を知り、早速試写を申し込む。アイヌについては可能な限り資料を見ていたが、彼らは文字をもたなかったので、彼らが日本人による弾圧の中で何を思ったのかは、よくわからなかったが、アイヌの人々を弾圧し、その生きる土地を奪ったのは私たちなのではと心を痛めてきた。

古来アイヌの人々は自由に交易をし、狩りで得た毛皮などを日本本土の人々に売るなどして生活してきたが、江戸時代に入ると徳川幕府の命をうけた松前藩がアイヌとの交易を独占。要するに商社として取引に介入し、アイヌの人々に不利な交易をし、その生活を貧く追い詰めた。其れに対してアイヌ民族が蜂起し、交戦した時代がこの映画のバックグラウンドだ。

時代がさらに下って明治になると、「文明国」への発展目指す明治政府はアイヌの人々の文化を「野蛮」と見下し、強制的に土地を奪い、日本への同化政策を計った。要するにネイティブ・アメリカンを駆逐したアメリカと同じことを、日本政府はアイヌの人々にしたのである。

そのことをはっきりと描く映画や漫画が現れてきたのは、意義深いことだと思う。私達は間違ってきた過去については謝罪し、改めていく責任があるからだ。

しかし、この映画はそういった責任云々の物語ではなく、普通にヒューマン時代ドラマとして見られるので、ぜひ劇場に足を運んでほしい。何よりもおすすめしたいのは、北海道の大自然の中で、たくましくも人間らしく生きるアイヌの生活描写だ。

私達は、電化されて便利になった生活を「文明的」と思うのかもしれないが、自然と共生して生きていくことは、更に知的で文化的なのではと思わせされる。

◆アイヌの生活

アイヌの人々は自然そのものを神「カムイ」として崇め、クマやアザラシさえも狩猟する知恵と技能をもち、それを食するときは感謝の捧げものを神にしてからみんなで分け合う。

男には男の、女には女の役割があり、動物たちがそうなようにその関係性は平等に見える。ムックリなど自然界の音を音楽とする楽器を奏で、川を上ってくる鮭の漁は、産卵が終わった後で。そうすれば来年の鮭の水揚げ量の確保にもなるからだ。そんな風に豊かに暮らすアイヌの人々を、日本人は悲しいことだが迫害した。

映画の主人公で松前藩武士の息子・高坂孝二郎(寛一郎)と兄の栄之助(三浦貴大)は、アイヌの人々からコメとの交換で得た交易品を他藩に売る仕事をしている。孝二郎は交換される米俵が年々小さくなっていることを疑問に思うが、兄は「コメの値段が上がっているから仕方ないのだ」と言う。

要するに、アイヌの人々に不利な交易がはじまっているわけで、例えば元々はアザラシの毛皮5匹が10kgの米になっていたのが、8kg、6kg、と言った具合に減っていっているという事。本当はもう少し江戸幕府と松前藩の悪事をはっきり書いてほしかったところだが、映画は、使用人の善助が不審な行動をしているのを兄の栄之助が見つけ、咎めた栄之助が殺される事件から、「孝二郎が兄の仇討ちを決意して蝦夷の森に分け入る」という方向転換をする。

わたしは寛一郎と言う俳優を初めて見た。芝居はやや固いが逸材だと思う。アップに耐える甘すぎない美青年、体躯も立派、真摯な人柄が外面に透けて見えるような俳優だ。

さて、孝二郎は善助を見つけて斬りかかるも、反撃されて川へ転落。しかし傷を負いつつも川岸に流れ着き、アイヌの村人に発見されて救出され、手当てをうけることになる。孝二郎は言葉も通じない異文化の村の中で体が回復するのを待ちながら、だんだんアイヌの生活になじみ、彼らと心を交わしていく。

アイヌの人々が和人、即ち日本人のことを呼ぶ言葉が即ちこの映画のタイトルとなる「シサム」だ。

「我々を苦しめるシサムをなぜ手当てし、匿うのだ?」と言う村人も当然出てるが、心優しい村の長や女たちに守られ、孝二郎はだんだん回復、鮭漁にも参加する。このあたりになると、皆さんも相当に「アイヌファン」になってしまうのではないか。私も体が丈夫であったら、こんなふうに大自然の中で暮らしてみたい。実際はすぐに寒さや病にやられ、半年と持たないと思うが、憧れる生活だ。

さて、孝二郎とアイヌ娘との甘い恋愛も始まるのかと思ったが、本作はそんなイージーさを許さなかった。孝二郎はやがて善助と再会するが、その時には和人とアイヌの衝突と交戦が既に激化していた。

そんな中で遂に孝二郎は兄の仇、善助と再会。一度は完全に叩きのめされた善助に孝二郎は勝てるのか? 実は善助には、松前藩を裏切る理由があった。そのうえ更に重い宿命を抱えていることを、孝二郎は知ることになる。

孝二郎は仇討ちの「義」と、人としての「仁」の板挟みに懊悩することになるのだが、最終的に孝二郎がとった行動とは!?

善助との再会以降の展開は息を飲むばかり。実際は映画以上に残虐な殺戮があったろう。心に刺さる様々なシ―ンが続き、最終的にアイヌの苦難の未来を感じさせるが、映画を見終わって一抹のエクスタシーを感じるのは主人公や数人の武士たちの行動の中に、人間らしさを垣間見せてもらえたからだ。

◆見ごたえのある作品

最後、孝二郎は救えなかったアイヌの人々への想いを胸に、ある行動を選び取る。

孝二郎のような日本人がいたから、私たちは今、一抹でもアイヌの人々の生活を知り、その苦難の民族史を想像できるのだ。

その行動とは、文字をもたなかったアイヌの人々の悲哀を書き残すことだ。このストイックな役柄を、まだ若い寛一郎は立派に演じたと思う。

悲劇の女性を演じたサヘル・ローズ、過去を背負った仇の善助を演じた和田正人、松前藩を率いる大川役の緒形直人、和人に対抗するアイヌのリーダーに藤本隆宏など、実力派俳優が脇を固め。見ごたえのある作品になっている。是非劇場へ!

さかもと未明

https://news.yahoo.co.jp/articles/8191a0772cb426cfe40f73d9e909fddcc2b167bd


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蝦夷地が舞台の時代劇「シサム」…主演・寛一郎、アイヌに共鳴する純粋な青年武士をこよなく魅力的に

2024-09-14 | アイヌ民族関連

読売新聞 2024/09/13 11:00

 江戸時代初期の 蝦夷えぞ 地を舞台にした時代劇「シサム」(中尾浩之監督、9月13日公開)の主人公は、松前藩の青年武士。アイヌの村(コタン)に身を寄せたことがきっかけで、彼の人生は変わる。演じるのは、最近の活躍から目が離せない寛一郎。その演技は観客の目を柔らかに開く。(編集委員 恩田泰子)

「シサム」はアイヌ語で隣人の意。和人を含めアイヌ以外の人を指す言葉でもあるという(ムの表記は、正式には小文字)。

 寛一郎が演じる主人公・高坂孝二郎の物語は、旅立ちから始まる。松前藩の主な収入源であるアイヌとの交易のため、兄・栄之助(三浦貴大)とともに蝦夷地を目指す。行先は高坂家の商場・シラヌカ。孝二郎にとっては初めての交易の旅。栄之助と比べて未熟者扱いされるのは面白くないが、頼れる兄がいるのは心強い。

 その兄が殺される。敵討ちを期して森に入った孝二郎も襲われて深手を負うが、アイヌの人々に助けられる。あるコタンに身を寄せた孝二郎は次第に、自然と共生するアイヌの生活や風習、豊かな精神文化に共鳴していく。だが、その生活は和人に脅かされていて、近隣のコタンでは蜂起の気運が高まる。松前藩は黙ってはいない。きなくさい状況下、孝二郎は兄を殺した男を見つける。孝二郎は葛藤する。藩を支え、家の名誉を守るか。それとも……。

 分断か、共生か。戦争か、平和か。どちらが正しいかははっきりしているはずなのに、現実の世界は往々にして逆を行く。どうしてそうなるのか。どうすれば変えられるのか。この映画を見て、孝二郎の「旅」に同道することは、それを見据えることでもある。

 今こそ見据えるべき大切なことを扱うストーリー。そうした作品は、へたをすれば説教くさくみえかねない。ただ、この映画、そこを切り抜けている。寛一郎という俳優が、観客を、孝二郎の物語へと自然にひきつけていくからだ。

 孝二郎は、未熟で、武芸の腕もそれほどではない。だが、彼は純粋だ。現実を懸命に理解しようとして、目を凝らし、行動する姿は、ナイーブであぶなっかしいが、ひたむきでうそがない。そんな人物を、寛一郎は作為を感じさせずこよなく魅力的に演じる。くもりのないまなざしの価値を再発見させる。はまり役。「せかいのおきく」「ナミビアの砂漠」などでの活躍でも強い印象を残した、この28歳の俳優は、自身の個性で役を生かして作品の世界を広げる人になった。

 兄役の三浦をはじめ、和田正人、坂東龍汰、サヘル・ローズ、古川琴音など、共演者も気になる顔ぶれ。孝二郎の母親役の富田靖子や先輩藩士役の緒形直人は、武家の人間像をしかとあらわす。

 ぐっとくるのは、物語の終盤で主人公が選ぶ「戦い方」。真実を記録することの意味をくっきりと刻み付ける映画でもある。

 多くの場面の撮影は、北海道白糠町で、同町の全面支援・協力のもと行われたという。アイヌの衣・食・住も丁寧に描かれている。アイヌでない俳優たちが発するアイヌ語のせりふがこなれているのかどうかはわからなかったが、全員が日本語で通すより自然なのは確かだ。また、従来の時代劇と比べれば、建物のセットはかなり絞り込まれているものの、撮影地の自然の風景を活用しながら、目に映るもの一つ一つに神経をいきわたらせようとしているのが伝わってくる。

 米国の有料テレビチャンネルによる真田広之主演・プロデュースのドラマ「SHOGUN 将軍」の米エミー賞最多ノミネートで、日本を描く時代劇の可能性が改めて注目されている。海外と比べ、日本の映像作品は予算規模が小さいが、ポイントを絞り込んで映像と物語の密度を高めた時代劇が近年、気を吐いている。塚本晋也監督「斬、」や、福永壮志監督による日米合作の「山女」などがそうだ。本作も健闘している。コンパクトで個性的な作品もまた、時代劇の可能性を広げているように思う。

(C)映画「シサム」製作委員会

 ◇ 「シサム」 =上映時間:113分/企画・製作:プロテカ/配給:NAKACHIKA PICTURES=9月13日から、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20240911-OYT1T50184/


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「都会育ちの僕には衝撃でした」川で体を洗い、食事も自分たちで作る…アイヌの子どもたちと暮らした“2週間の記憶”

2024-09-14 | アイヌ民族関連

文春オンライン 2024年9月14日(土)7時0分 

撮影/小見山峻

『せかいのおきく』『首』、そして現在公開中の『ナミビアの砂漠』など、話題作への出演が続いている俳優の寛一郎さん。まもなく公開となる主演作『シサㇺ』では、反発し合うアイヌと和人(日本人)との間で悩み、揺れ動く青年武士に扮する。強い目力の中に、武士としての意志の強さと繊細な若者らしさを同居させる演技は圧巻で、まさに納得のキャスティングだが、寛一郎さん自身も、本作に特別な縁を感じていたという。

「小学生の頃、北海道にあるアイヌの集落に2週間ほど宿泊して、その文化に触れるという体験をしているんです。当時通っていた塾の課外活動の1つだったんですけど、以来、アイヌのことはいつか、もっと深く学んでみたいと思っていました」

アイヌの集落「コタン」での異文化交流、それは本作で描かれるテーマのひとつだ。

 江戸時代前期、松前藩はアイヌとの交易を主な収入源としていた。寛一郎さん演じる高坂孝二郎の家も、米をアイヌが獲った熊や鹿の皮などと交換し、それらを他藩に売ることが生業だ。物語は、孝二郎が兄の栄之助(三浦貴大)と共に初めて蝦夷地へ交易の旅に出るところから始まる。

 ところが浜辺での野営中、栄之助は使用人の善助(和田正人)の裏切りによって命を落としてしまう。兄の仇を追い、孝二郎は森の奥へ。斬り合いの果てに深手を負った彼が目を覚ますと、そこは見慣れぬ風俗の人々が暮らす村――アイヌのコタンだった。

「演じながら思い出しました。あの時、一緒に過ごしたアイヌの子どもたちも、川で体を洗うし、川で用を足す。食事だって自分たちで一から作る。都会育ちの僕には、子どもながらに衝撃でしたね。彼らは本当に自然と一緒に生きているんですよ。しかも、消費者ではなく“循環者”として」

 彼らのやり方で漁をし、鮭を捌き、祈りを捧げ……孝二郎は、徐々に自然と生きるアイヌの文化に共鳴していく。

「どのシーンも印象的でしたが、一番響いたのは、撮影に立ち会われていたアイヌの血を引く男性が、アイヌの歌をうたってくださった時です。何というか、迫力が違う。ああこれがアイヌなんだっていう感覚が、ちょっとわかったような気がしました」

 本作の監督は、正確な時代考証とリアルな風俗再現で評価の高い歴史番組「タイムスクープハンター」シリーズを手がけた中尾浩之さん。今回もそのこだわりは健在で、メイクや衣装、料理、アイヌの伝統住居「チセ」に至るまで、専門家の協力を得て、当時のアイヌの暮らしを見事にスクリーンに描き出している。

「大変そうだったのは言葉ですね。僕は和人の役なのでそれほどでしたけど、アイヌ語で演技をする俳優たちは、かなり苦戦していました(笑)」

 さらなるリアリティが追求されているのが戦のシーンだ。自分たちの土地に踏み入り、伝統的な生活を脅かす和人の存在をよく思わないアイヌもいる。軋轢はやがて武力衝突へ。鉄砲を携えた松前藩の軍勢に、アイヌ側はゲリラ戦で立ち向かうが、一方的な戦況に孝二郎は苦悩する。

「文化は違えど同じ人間ですからね……。理想論だと言われても、やっぱり共存への願いはあります。たとえ時代劇であっても、そこは現代の感覚で描くべきだし、演じるべきだと僕は思っているので」

 やがて孝二郎は、止めることの叶わない大きな歴史の流れに、ある行動で立ち向かうことを決意する。それが本作のもうひとつのテーマだ。

「考えうる限り最高のやり方じゃないですか。素晴らしい選択をしたと僕は思います」

「シサㇺ」とは、アイヌではない人を指す、「隣人」という意味のアイヌ語だという。“よきシサㇺ”に、私たちはなれているのか。自問は尽きない。

かんいちろう/1996年生まれ、東京都出身。2017年公開のデビュー作『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。その後も次々と話題作に出演。今年は映画『プロミスト・ランド』(W主演)、『ナミビアの砂漠』に続き、『グランメゾン・パリ』が公開を控えるほか、ドラマ『HEART ATTACK』(W主演)の世界配信も予定されている。

INFORMATIONアイコン

映画『シサㇺ』(9月13日公開)
https://sisam-movie.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年9月19日号)

https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0914/bso_240914_8878079152.html


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なぜ映画『シサム』は大物漫画家たちに応援されているのか?ハロルド作石×発起人対談で明かされる、公開までの道のり

2024-09-14 | アイヌ民族関連

ムービーウォーカー 2024/9/13 12:30

“蝦夷地”と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行っていた史実を基に描く壮大な歴史スペクタクル映画『シサム』(公開中)。江戸時代前期を舞台に、アイヌと和人をめぐる人間ドラマが映しだされていく。本作の主人公、北海道南西部に位置する松前藩士の息子、孝二郎(寛一郎)は、兄の栄之助(三浦貴大)と共に、アイヌの交易品を他藩に売る仕事をしていた。ある夜、使用人の善助(和田正人)の不審な行動に気づいた栄之助は、善助に殺害されてしまう。孝二郎は兄の敵討ちのために善助を追い蝦夷地の奥地へ足を踏み入れる。

そんな本作を応援するため、「ゴリラーマン」「BECK」の人気漫画家、ハロルド作石をはじめ、「島耕作」シリーズなどで知られる弘兼憲史、「デトロイト・メタル・シティ」の若杉公徳、「アイアムアヒーロー」の花沢健吾、「殺し屋1」の山本英夫、「監獄学園」の平本アキラ、「外道の歌」の渡邊ダイスケ、「コウノドリ」の鈴ノ木ユウ、「BLUE GIANT」の石塚真一、「僕等がいた」の小畑友紀、「正直不動産」の大谷アキラ、「健康で文化的な最低限度の生活」の柏木ハルコと、日本を代表する漫画家12名がイラストを描き下ろしたことも話題となっている。
北海道白糠町の協力で撮影が行われた本作のエグゼクティブ・プロデューサーは嘉山健一。漫画編集者としての経験を活かし、現在も漫画制作に関わりながら漫画家などのクリエイターの法務サポートや契約管理などを行っているが、本作で初めて映画製作に携わることに。嘉山の初の映画製作の過程を企画段階から見守ってきたハロルド作石とは、漫画「7人のシェイクスピア」では編集者と漫画家という関係だったが、現在は友人として温泉旅行を一緒に楽しむほどの間柄だ。漫画編集者がなぜ映画をプロデュースすることになったのか。嘉山には企画誕生のきっかけや映画製作への想いを、ハロルドには元担当編集で友人の映画製作初挑戦をどのように感じていたのか、ざっくばらんに打ち明けてもらった。

「映画に関わりたいとは思っていましたが、作りたい、ましてや自分に作れるとも思ってなかった」(嘉山)

――今回、映画プロデューサーとハロルド作石先生という異色の対談が実現した理由に興味を持つ映画、漫画ファンも多いと思います。まずは、お二人がかつての担当編集と漫画家という関係から、友人関係になったきっかけを教えてください。

嘉山健一(以下、嘉山)「出会いはいまから20年ほど前。漫画家さんを介して知り合って。その後、一緒にやらせていただいた作品が終わってから、友人としてお付き合いさせていただき、今日に至るという感じです」
ハロルド作石(以下、ハロルド)「あまりがっつり仕事上の付き合いがなかったから、逆に気が合ったのかな。密にやっている担当とは仕事上の関係に終始してしまうものだけれど」

嘉山「作石さんの編集として関わらせていただいた時も、メインは上司で僕はサブ。サブは作品の核の部分に意見することもなく、周辺をいろいろと整える役目なので、そういう意味で接しやすかったというのもあるんじゃないですかね」
ハロルド「そうかもしれない」
嘉山「だから、意見の食い違いが起きることもなく、雑談する機会が多かったですよね。お互いに温泉が好きで、一緒に行ったりして」
ハロルド「旅も好きだよね」
嘉山「そうですね。そんな感じでいろいろな場所に一緒に行くことも多くて、気づけばいろいろと話すような関係に」
――今回の映画製作の相談も、割と早い段階からお話をされていたと伺っています。お話を聞いた時はどのように思いましたか?

ハロルド「映画を作りたいことも、そもそも映画が好きっていうのも聞いたことないよ、ね?」
嘉山「映画はずっと好きですよ」
――いずれ映画を作りたいとか、ハロルド先生の漫画を映画化したいといった話が出たことは?
ハロルド「ない、ない。映画が好きなんて言っているのも聞いたことがない」
嘉山「お話する機会がなかっただけですって(笑)。僕、小学館でアルバイトをする前は、映画の買い付けがやりたくて、求人していない映画の配給会社に履歴書と手紙を添えて送るくらい、映画に関わりたかったんですから」
――映画への情熱を抱えたまま漫画編集者に?
嘉山「映画業界には縁がなかったようで、1社もOKが出なくて。そんな時に大学の先輩からアルバイトを紹介してもらったのが小学館でした。漫画は普段からよく読んでいたし、いいかなって軽い気持ちで」
ハロルド「漫画も漫画編集も興味ないもんね(笑)」

嘉山「読むのは好きでしたよ、人並みに」
ハロルド「でも編集には興味なかったでしょ?」
嘉山「最初は…そうですね(笑)。でも、軽いノリでやった小学館のアルバイトが楽しくなっちゃって、映画のことは忘れてしまいました」

――忘れてしまっていた映画業界への道。しかも今回は製作で関わることになりましたね。
嘉山「自分でもびっくりしています。映画に関わりたいとは思っていましたが、作りたいと思ったことも、ましてや自分に作れるとも思ってなかったので」

「時代考証や制作費の問題をクリアしながらまとめる、尾崎将也さんのテクニックはさすがです」(ハロルド)

――今回の映画製作のきっかけは居酒屋で見かけたとあるパンフレットと伺っています。
嘉山「居酒屋に置いてあった白糠町のふるさと納税のパンフレットを見た時に、漫画編集者の血が騒いだのか、もっとイラストを使うといいPRになるのにとお店の大将に言ったのがきっかけです。22時を過ぎていたのに大将が白糠の町長に電話して、しかも電話に出てくれて(笑)。そこでご挨拶して、頼まれてもいないのにアドバイスまでしてしまって。とんでもないですよね。なのに、『ぜひ一度白糠町に遊びに来てください』と言ってくださったんです。そういえば担当している作家さんが避暑で釧路に行く予定だったことを思い出し、その話をした作家さん、さらにその後輩漫画家さんも一緒に行きたいとなったので、打ち合わせがてら足をのばそうかなと。気づけば漫画編集者と漫画家2人、電話の1週間後くらいには白糠町にいました(笑)」
――おもしろい展開、しかもスピーディー!
嘉山「そのスピード感があったからか、一緒におもしろいことをやろうという話になったんです。アイヌの方を含めて地元のいろいろな方を紹介していただくなかで、音楽フェスがいいのか、映画祭がいいのか、漫画を使ったイベントなのか…などいろいろなアイデアが出ました。行き着いたのが手塚治虫先生の『シュマリ』を白糠町で実写化するという企画でした。すごくいいアイデアだと思って『シュマリ』を読み返したら、あとがきに興味が出てしまって。『シュマリ』ではなくあとがきの実写化を手塚プロダクションに提案したのですが、残念ながら実現できず。最終的に現在のオリジナル映画を作る方向に落ち着いたんです」

――映画製作の経験なしでオリジナル作品、躊躇はなかったのでしょうか。
嘉山「脚本家の尾崎(将也)さんに、お弟子さんで脚本を書いてくれる方がいないか相談するために、経緯をお話ししたんです。そうしたら、『僕がやります』と言ってくださって。そこから二人三脚で取材してプロットを作り始めたころに、作石さんと温泉に行って『実は映画を作ることになりました』ってお伝えしたんです。作石さんの漫画は実写化もされているから、映画製作に関して僕よりはるかに経験値が高い。プロットのアドバイスをもらえるかなと思っていたのですが」
ハロルド「尾崎さんとも面識があるし、彼は脚本作りを教えられる立場の方。その尾崎さんが作ったもの、ましてや時代考証と予算を反映させて何度も修正したものに、初見であーだこーだ言えるわけないですよね。意見を言うのは簡単。でもちゃんと理由があって、いろいろ考えて作り上げたものにはなにも言えないです。下手くそな脚本家さんなら、『ここはダメだよ』とか言っちゃうかもだけど(笑)。時代考証や制作費の問題をクリアしながらまとめる、尾崎さんのテクニックはさすがです」
嘉山「オリジナルでやりますと言って引くに引けなくなってしまったけれど、運よく尾崎さんが引き受けてくれて、うまくことが進み出しました」

「寛一郎さんが苦悩している若者を繊細に、かつしっかり表現していてすばらしかったです」(ハロルド)

――映画製作未経験、ゼロから作り上げるオリジナル、さらにアイヌを扱うということで、大変なことだらけかと思いますが、一番難しさを感じたのは?
嘉山「やはり、アイヌというテーマを扱うことはとても大変でした。『ゴールデンカムイ』のおかげで、アイヌという存在が身近になってきたような気がしますが、とてもデリケートであることは変わっていなくて。いろいろな問題をはらんでいることは実感しました。ただ、この時代にはアイヌと和人はこういう関わり方をしていたんだと、アイヌ入門映画のように観てほしいです。また、プロデューサーという仕事の大変さも身に沁みて感じましたね」

――ハロルド先生から見て、嘉山さんはプロデューサー、映画作りに向いていると思いますか?
ハロルド「いろいろな立場の人を調整していく仕事はすごく向いていると思います。でも、製作過程の話を聞いていると、いろいろな人の思惑がある大変な世界だなって」
――漫画とは違う作り方ですからね。
ハロルド「おっしゃるとおり。僕は1人で描いているので、気楽なもんです(笑)」
嘉山「僕はやってみて映画製作は向いてないなって思いました(笑)」
――公開されてみなさんの反応を見たら、またやりたくなるかもしれませんね。ハロルド先生はCGが入る前の映像で本編をご覧になっているとのことですが、いかがでしたか。
ハロルド「脚本は何度も読んでいます。戦いのシーンや海のシーン、漁のシーンなど、CGが入った完成版を観るのがいまからとても楽しみです」
――役者さんのお芝居はいかがでしたか?
ハロルド「寛一郎さんがすごくよかったです。立ち回りでかっこいいという役ではなく、新しい文化に出会って、元の世界に戻って、自分なりの行動をし始める。苦悩している若者を繊細に、かつしっかり表現していてすばらしかったです。アイヌの青年を演じた坂東龍汰さん、諫早幸作さんもよかったですね」

嘉山「お二人とも、日本語は無し、アイヌ語しか喋っていません。今回、アイヌ役を演じていただいたキャストのみなさんは本当に大変だったと思います。頭が下がります。そういえば、先生はオーディションにも同席してくださって」
ハロルド「後ろで観察させてもらっただけですが、いろいろな人のお芝居を見ることができてすごくおもしろかったです。個人的にはKEYTALKの(小野)武正さんのシーンも楽しみです。どんな感じに仕上がっているのか」
嘉山「エキストラで参加してくださって。作石さんも面識があるので、楽しみにしてくださっているんですよね」
ハロルド「知り合いが出ていると気になるよね」

“自分ならどうするか”と考えるきっかけになればいいなと思います」(嘉山)

アイヌ入門映画のように観てほしいとのこと

[c]映画「シサム」製作委員会

――映画を通して伝えたいこと、伝わってほしいことを教えてください。
嘉山「孝二郎が担架で運ばれるシーンでは、アイヌの人たちの担架作りを参考にしています。ほかにも傷が治った孝二郎が小屋から出てくる時に老婆が葉っぱで魔払いするシーンは、いままでのアイヌ映画にはない珍しい描写なので注目してほしいです。映画では普通にそこで暮らしていただけなのに、突如巻き込まれてしまったアイヌの村の様子が描かれています。世界ではいま、同じような出来事が起きている。他人事ではないからこそ、自分ならどうするか、そんなことを考えるきっかけになるといいなと思います」
――アイヌ入門編映画として観てほしいとのことですが、確かに、観やすさ、わかりやすさを感じました。
嘉山「『ゴールデンカムイ』とは別の切り口でアイヌの人たちのことをちょっとでも知っていただくきかっけになればいいなと。興味を持ったら、北海道に行くもよし、本を読むでもよし。知る方法はいくらでもあるので、映画がそのきっかけになればと思っています」

――ハロルド先生が本作のためにイラストも描き下ろしました。どのようなオーダーがあったのでしょうか。
ハロルド「渡されたお手本を見て描かせていただきました。資料や脚本をたくさん読んだせいか、この衣装の時は彷徨う表情だな、苦悩する表情だなというのはわかっていたので、描きやすかったです。今回のイラストは僕の創作ではなく、あくまで映画に沿うように」

――表情、そしてやっぱり目がいいですよね。
ハロルド「よかったー!」
嘉山「作石さんらしさがありますよね」
ハロルド「わかってるの?僕らしさ(笑)」
嘉山「いやいや、これはもう、誰が見ても作石さんのイラストってわかりますから」
ハロルド「ほかの漫画家の方にもイラストをお願いしてるんでしょう?」
嘉山「ありがたいことに、作石さんを含めて、12名の方々にご協力をいただいてます」
ハロルド「愛されてるね~(笑)」
――お二人の会話からも、嘉山プロデューサーには、協力をしたくなる魅力があるのだと感じました。最後に、これまで見守られてきたハロルド先生から嘉山プロデューサーに一言いただけますか?

ハロルド「持ち前の行動力と高いコミュニケーション能力でいきなりこのような難しい映画を作り上げたこと、完成したことはすばらしい。立派なものを完成させて、シンプルにすごいと思います。嘉山くんは、基本的に人に好かれる人間。しかも運もある。今回映画の完成まで見てきて“持ってる”と思いました。あとはたくさんの方に観てもらえることを願うばかりです」

取材・文/タナカシノブ
※「シサム」の「ム」の正式表記は、小文字表記
※「アクノ」の「ク」の正式表記は、小文字表記

https://moviewalker.jp/news/article/1214538/


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【世界史】南アメリカの先住民族といえば?(第99問)

2024-09-14 | 先住民族関連

citrus 9月13日

SNSで盛り上がった選りすぐりのネタを紹介するcitrus。

今回は話題の情報から少し離れてひと休み。頭の体操でリフレッシュしましょう!

出題するのは世界史に関するクイズです。

■気になる解答は…

答えは……「インディオ」でした!

こちらの問題は、『一般常識一問一答.com』を参考に出題しています。

サイトでは、ほかにも国語、算数、理科、社会、音楽などなど……日本人として最低限知っておきたい義務教育レベルのキーワードを中心に、数多くの問題が掲載されています。

一般教養を学びたい方だけでなく、定期試験や受験の対策をしたい学生やクイズ番組をより楽しみたい方にもおすすめですよ! 興味のある方はぜひ見てみてくださいね♪

出典:世界史クイズ問題1000問以上にチャレンジ

https://www.msn.com/ja-jp/lifestyle/life/世界史-南アメリカの先住民族といえば-第99問/ar-AA1qu0Df


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ニュージーランド先住民マオリに27歳の女王誕生 通例は男子継承、指導力に期待

2024-09-14 | 先住民族関連

産経新聞2024/9/13 15:13

マオリの女王になったナ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポ・パキさん(ニュージーランド政府のホームページから)

ニュージーランドの人口の15%を占める先住民マオリの王に、前の王の27歳の長女が選ばれた。2人の兄がいるが、異例の女王の誕生となった。ロイター通信などが報じた。

女王になったのはナ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポ・パキさん。8月30日に前の王が死去したことを受け、指導者らが今月5日に選出した。王には法的地位や政治的権限はなく、儀式的な役割を担う。

男子による継承が通例で、女王はナ・ワイさんの祖母に次いで2人目という。若さと指導力が期待されたとみられる。

マオリは9~10世紀にポリネシア地域から現在のニュージーランドに渡ってきたとされる。ラグビーのチーム「マオリ・オールブラックス」が試合前に伝統的なダンス「ハカ」を踊ることで知られている。

天皇、皇后両陛下が皇太子ご夫妻時代の2002年にニュージーランドを訪れた際、歓迎式典でマオリの人らの出迎えを受けられた。

https://www.sankei.com/article/20240913-C3IYIW47J5D6HMI66VM4WOPA2I/


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ブラジル先住民が神聖視していた1.8メートルの遺物、335年ぶりに返還

2024-09-14 | アイヌ民族関連

2024年9月13日 10時47分 中央日報

ブラジル南東部の先住民社会で神聖視される象徴的遺物の一つ、トゥピナンバ・マントが欧州から返還された。

12日(現地時間)、ブラジル・メディアG1とAFP通信によると、リオデジャネイロ所在のブラジル国立博物館がデンマーク国立博物館からトゥピナンバ・マントの返還を受け、一般公開した。

このマントはリオデジャネイロとサンパウロ一帯に居住する先住民トゥピナンバ族が重要視していた外套の一種だ。呪術師や酋長などが主な儀式に使ったものと類似した形とされている。

広げると1.8メートルの長さで、ショウジョウトキ(scarlet ibis)の羽毛を利用して作られたという特徴を持っている。

G1によると、ポルトガル植民地時代に欧州に渡った後、1689年からコペンハーゲン(クブンハウン)に保管されていたが、335年後の7月に戻ってきたという。

ブラジル当局は、自国に返還された最初のトゥピナンバ・マントだと説明した。そして、現存する標本のうち残りの10個はすべて欧州の博物館にあると述べた。

AFPの報道によると、返還祝賀行事のために博物館近くに到着し、キャンプしていたトゥピナンバ族の一人は「欧州人がまるで動物園のように(マントを)展示施設に入れていた」とし「我が民族だけがこの象徴と疎通し交感できる」と話したという。

ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ政府は、世界中に散らばった遺物を取り戻すために努力している。トゥピナンバ・マントの返還は昨年8月にデンマークと合意した。

現在、約8000世帯規模とされているトゥピナンバ族は漁業と農業で生計を維持している。彼らは自分たちの領土を認めてもらうため、政府に持続的な要請をしていると、日刊紙フォリャ・デ・サンパウロが伝えた。

https://news.livedoor.com/article/detail/27177429/


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アングル:激戦州アリゾナ、銅鉱山開発巡る対立が大統領選左右も

2024-09-14 | 先住民族関連

ロイター2024年9月13日午後 1:43 

By Ernest Scheyder

[12日 ロイター] - 米大統領選の激戦州アリゾナでは、資源大手の英豪系リオ・ティント(RIO.L), opens new tab(RIO.AX), opens new tabと豪BHP(BHP.AX), opens new tabによる銅鉱山開発に先住民族が反対しており、選挙結果を左右しかねない争点となっている。銅はクリーンエネルギー移行に欠かせない重要鉱物であり、鉱山開発を巡る意見対立をの根深さが浮き彫りになっている。

両社が開発を計画する「レゾリューション・カッパー」鉱山は、米国の銅需要の4分の1以上を賄えると見られている。世界最大の銅加工・消費国である中国の牙城切り崩しを狙う米政府の取り組みにおいて、重要な役割を担いそうだ。

米地質調査所によると、米国は銅の必要量の約半分を輸入に頼っている。銅の国内産出量は2021年以来11%減少しており、国内には銅製錬所が2つしかない。

しかしレゾリューション鉱山を開発すれば、先住民族サンカルロス・アパッチが崇拝する宗教的な土地を飲み込むほどの巨大クレーターが発生する見通しだ。そのため、同州の先住民族の22部族のうち21部族とアメリカインディアン国民会議議は強い反対の声を上げている。

11日には、リオとBHPによるこの土地へのアクセス阻止を求める申し立てが米最高裁判所に行われた。両社のアクセスは2014年、環境報告書の公表を条件に米議会と当時のオバマ大統領が承認した経緯がある。是が非でも可決する必要のあった軍事費調達の法案に、土壇場で盛り込まれたものだ。トランプ前大統領は、退任直前の21年にこの環境報告書を公表したが、2カ月後にバイデン政権がこれを撤回した。

最高裁がこの件を審理するか否か、また審理するとしても、どのような形でいつまでに判決を下すかは不明だ。

11月5日の大統領選の勝者は、開発を承認することも、バイデン氏と同じく事実上凍結したままにすることもできる。2020年の大統領選の出口調査によると、アリゾナ州の人口の約5%にあたる40万人の先住民族は、民主党のバイデン氏と副大統領候補だったハリス氏を勝利に導いた。

8月29日に公表されたロイター/イプソスの世論調査によると、今年の大統領選では、アリゾナ州の有権者登録者の間で共和党のトランプ氏が民主党のハリス副大統領を僅差でリードしている。同州は選挙結果を左右しそうな数少の激戦州のひとつだ。

https://jp.reuters.com/markets/commodities/4KYSLEQLCVPYHKD2XUOI4PQDPQ-2024-09-13/


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