先住民族関連ニュース

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北欧先住民族サーミに学ぶ 評議会議長、浦幌で講演

2024-09-19 | 先住民族関連

藤本陽介 有料記事

北海道新聞2024年9月18日 21:29

北欧の先住民族「サーミ」の暮らしや政治活動などについて講演するアスラック・ホルンバルグさん(左)

【浦幌】北欧の先住民族サーミについて学ぶ講演会が町立博物館で開かれた。先住民族の権利を訴えるサーミ評議会議長でフィンランドのサケ漁師アスラック・ホルンバルグさんがサーミの伝統的な生活様式や政治的な要求を行う議会、メディアなどについて話した。

 町立博物館が主催し、北大先住民・文化的多様性研究グローバルステーション(GSI)、ラポロアイヌネイション(旧浦幌アイヌ協会)などの共催。11日に開かれ、町民ら約40人が参加した。

 ホルンバルグさんはサーミ語について「言語はわれわれのアイデンティティーで知識が集約された大事なもの」とした。

 土地を巡って観光産業や趣味で狩猟をする人との権利争いも多く「精神的なプレッシャーがかかることもある」と述べた。伝統衣装については「目に見える重要な文化だ」と強調した。

 国が新たな法律を作る際、議員21人で構成するサーミ議会にヒアリングを行うという。ただ、・・・・・・

 

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1064438/


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先祖、神々に祈り 本別イチャルパ

2024-09-19 | アイヌ民族関連

大井一平 有料記事

北海道新聞2024年9月18日 21:19(9月18日 22:08更新)

「本別イチャルパ」で神々に祈りをささげる参加者

【本別】本別アイヌ協会(小川哲也会長)は16日、先祖供養の伝統儀式「本別イチャルパ」を町上本別生活館前で開いた。道内外の関係者約100人が参列し、鎮魂の祈りをささげた。

 2021年、20年ぶりに復活させた。神々への祈りの儀式「カムイノミ」の後、祭壇に供物を供えて先祖を弔った。

 その後、帯広カムイトウポポ保存会のメンバーら約40人が、アイヌ民族の古式舞踊を披露。・・・・・・・

 ※「イチャルパ」の「ル」、「チェプオハウ」の「プ」は小さい字。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1064428/


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歴史的音源、帯広市図書館が提供開始 明治~昭和の十勝ゆかりの楽曲、民謡も

2024-09-19 | アイヌ民族関連

伊藤駿 有料記事

北海道新聞2024年9月18日 20:08(9月18日 20:12更新)

 帯広市図書館は明治や大正、昭和の音楽や落語、浄瑠璃などの音源を配信するサービス「歴史的音源(れきおん)」の提供を始めた。国立国会図書館のサービスで、帯広市図書館は十勝管内では初の配信参加館となった。十勝ゆかりの作曲家や作詞家の音楽も聴くことができる。

 れきおんは1900年代初頭から50年ごろまでに国内で製造されたSP盤や金属原盤に収録された音楽や演説など約5万点をデジタル化し、配信するサービス。著作権の保護期間が過ぎた一部音源はインターネットでも聴けるが、約8割は配信参加館のみに利用が限られる。

 れきおんでは幕別町出身の作曲家万城目正が作曲した「旅の夜風」「リンゴの唄」、本別町ゆかりの作詞家、吉川静夫の「落葉しぐれ」などを聞くことができる。音更町ゆかりの作曲家伊福部昭の楽曲や、帯広や幕別のアイヌ民族の民謡や子守歌もある。

・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1064388/


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アイヌ文化に触れる  鼎地区で合同講演会

2024-09-19 | アイヌ民族関連

南信州新聞 2024年09月18日(水) 06:00

鼎地区の合同講演会

 飯田市鼎公民館と小中学校PTA合同の講演会が12日、鼎中学校であった。アイヌにルーツを持ち文化や言葉について発信している関根摩耶さん(25)=横浜市=が「私にとってのアイヌ」と題して語った。 3団体…

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シサム

2024-09-19 | アイヌ民族関連

映画.COM 2024年09月18日

劇場公開日 2024年9月13日

寛一郎×坂東龍汰、芝居という“共通言語”で深める仲 お互いの役者としての魅力は?

北海道の大自然を背景にアイヌと和人(日本人)との歴史を描いた映画「シサム」(9月13日から公開中 ※ムは小文字が正式表記)で初共演を果たした寛一郎坂東龍汰。実はプライベートでは5年ほど前からの仲だといい、「ついに共演できる」と喜び合ったという。撮影舞台裏のほか、お互いの役者としての魅力を聞いた。(取材・文/編集部、撮影・山口真由子)

【「シサム」あらすじ】

江戸時代前期。北海道南西部に位置する松前藩は、アイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩士の息子である孝二郎(寛一郎)と兄の栄之助(三浦貴大)は、アイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしている。ある日、栄之助は使用人・善助(和田正人)の不審な行動を見つけるが、そのせいで善助に殺されてしまう。復讐のため善助を追って蝦夷地へ向かった孝二郎は、そこで異なる文化や風習に触れ、それを理解することで自身の人生を見つめ直していく。

主演の寛一郎は主人公の孝二郎、坂東は和人に反発心を抱くアイヌの青年・シカヌサシを演じており、劇中では対立するシーンがある2人。インタビューでは互いの発言に笑い合い、信頼できる役者仲間でありながら、気心の知れた友でもある関係性が伝わってきた。

――本作に惹かれた一番の理由を教えてください。

寛一郎:小学生のときに、アートなどいろいろ学べる学習塾みたいなところに通っていたのですが、そこの行事の一つとしてアイヌの集落に2週間ほど滞在しました。そこから20年くらい経ってこういう作品のオファーをいただいたことは縁だなと思いましたし、アイヌの文化についてもっと知りたかったという思いもありました。

坂東:僕はもともと北海道に15年くらい住んでいて、家族で自給自足のような生活を送っていました。自分たちで肥料から作って野菜を育てたり、そういうサイクルのなかで生きてきたので、アイヌとも小さい頃からつながりがありました。ポロトコタン(編集部注 アイヌ民族の文化を紹介する施設)に家族で行ったり、父親がチセ(アイヌの伝統的な住居建築)を作るのが好きで実際に建てたりもしていました。あと、一番の出演の決め手は主演が寛一郎だったからです! 出ないっていう選択肢はなかったですね。

――今回が初共演ですが、以前からお知り合いだったんですね。

寛一郎:もともとは共通の知り合いが多かったんです。

坂東:かれこれ5年くらいの仲ですね。オーディションでかぶったりもして。

寛一郎:彼の魅力はもとから知っていたので、今回共演できて嬉しかったです。

坂東:まさかのアイヌ語と日本語でのやり取りだったね。「やった、ついに寛一郎と共演できる!」と思って喜んだのもつかの間。いただいた台本を開いたら、僕のセリフは全編アイヌ語だったのでぞっとしました(笑)。最初、台本には日本語でセリフが書いてあって、後にアイヌ語になりますって書かれていました。そんなに多くはなかったので、いけるかもしれないと思ったのですが、アイヌ語に直訳するとものすごい量になって。2行のセリフが5行くらいに増えました。

寛一郎:日本語では一言でも、アイヌ語に訳すと3倍くらいになるんです。

――お2人がそんなに仲良しだったとは知りませんでした。

坂東:周りの人から聞いた印象だと、寛一郎とは仲良くなれないだろうなって思っていました。でも、意外と仲良くなれました。

寛一郎:僕も周りの人から「坂東のこと苦手だと思う」って言われていました(笑)。でも、会ってみたら全然そんなことなかったです。

坂東:会う前の寛一郎は、人を見抜く力があって、一定の距離がちゃんとある人っていうイメージでした。本当に仲いい人とはすごく仲いいけれど、そうじゃない人には興味がなくて、寛一郎にとっての興味がある人になれる人はあんまりいないんだろうなぁって。

寛一郎:そのイメージは当たっていると思います。彼(坂東)とは近しいところもありますが、外から見た印象は真逆に見られることが多いです。そういった意味では、彼の人の懐にすぐ入れるところは僕にはない才能なので、魅力的だなと思います。知り合う前からみんなが彼のことを知っている状態だったので、当時は「坂東って一体何者なんだ」って思っていました(笑)。

坂東:そうだよね(笑)。当時僕は芸能界に入りたてで、活動を始めるのが遅かったこともあって、いろんな人とつながることに必死だったんだと思います。まだ“自分”というものができていなくて、いろんな人に興味がありました。役者って何?っていうのを人から摂取したかったんだと思います。

――お互いに気心知れた相手が現場にいて、嬉しかったのでは?

寛一郎:嬉しかったですね。

坂東:でも、寛一郎は3日くらいで僕に胃もたれしていました。撮影後に毎日、寛一郎の部屋に行って、何もしないのにだらだらいて。そしたら、やめてほしいって言われました。「もういい」って(笑)。

寛一郎:僕は極端にあんまり人と会わなくてもいいタイプなのですが、彼はありがたいことにずっと一緒にいてくれるんです(笑)。だから、「一回休憩しよう」って言って。

坂東:そこからちゃんと自分の部屋にこもるようになりました。

――俳優としてはお互いにどんな印象を抱いていますか?

寛一郎:坂東君はふわふわっと見えて、すごく真面目なんです。感覚的なことも鋭いですし、論理的にもできる。一緒にやっていてすごく助かりましたし、バランス感覚が素晴らしいなと思っています。

坂東:(照れ笑いをしてから)僕も寛一郎はバランス感覚がすごいなと思っています。「シサム」でも、それ以外の出演作品を観ても、役に一貫性があってぶれない。今回、寛一郎は主役でしたが、長時間スクリーンに映っていて、ここまで飽きさせない魅力がある人はそんなに多くいないと思うんです。現場でも感じていましたが、映画館で「シサム」を観て、改めて寛一郎の役の組み立て方が勉強になりました。こういう主演が真ん中にいるから、周りの人が生き生き演技できるんだなと思います。

――坂東さんのセリフは全編アイヌ語でした。かなり練習されたと思いますが、覚えるまでの苦労や、発音の難しさはありましたか?

坂東:撮影の2週間前くらいからアイヌ語に取り組み始めました。最初は音源だけを聞いて覚えて、現場に行ってからはアイヌ語をずっと研究されている藤村(久和)さんという方に教えてもらえました。

アイヌ語は文法の情報が少なく、セリフを覚えるときには、日本語とアイヌ語を見比べていって、現代語として理解できるブロックと、音と響きでなんとなく意味を理解できるブロックに分けて、気持ちを込められるよう準備しました。それ以外は歌を歌っているような感覚に近かったかもしれないです。孝二郎とぶつかる役だったので、ちゃんと自分の気持ちをのせられないと困るなと思っていました。

――撮影は1カ月半ほど白糠町で行われたそうですね。

坂東:普通の撮影とは全く違うので、印象的なことだらけでした。アイヌの衣装も当時に近いものでしたし、近くで熊が出るかもしれないとも言われていました。

寛一郎:定期的に爆竹を鳴らしたり、撮影所にご飯は持っていかないよう対策をしたり。

坂東:虫もすごくて、いろんなものと戦っていました。でも、とにかく料理が美味しくて。

寛一郎:毎日みんなでご飯を食べて、地元の皆さんと交流していました。7月に撮影していたのですが、気候も素晴らしかったです。白糠の宿には冷房がないくらい涼しかったので、ロケがしやすい環境でした。

坂東:あとは、寛一郎が筋トレ器具をたくさん買って、部屋がジムみたいになっていました。

寛一郎:武士の役なので、体を鍛えないとなと。

坂東:寛‘sブートキャンプみたいになって、男4人くらいで部屋に集まって筋トレをして。みんなすごく仲良しでしたね。

――お2人とも映画、テレビと広く活動されています。忙しい毎日を過ごしていると思いますが、役者を続けていくうえでどんなことがモチベーションになっていますか?

寛一郎:いい作品と良い人に出会うことはモチベーションの一つになっています。そもそも、自分が観たいと思う映画がそんなに多くはないので、そういった作品を観るために自分が作る。あとは、「シサム」のような作品を通して、歴史や文化を知ることも好きです。

坂東:どんな役をやっても、常に満足することがまだないです。やってもやっても、どこか埋まらない感じに突き動かされるのかなと思います。きっと、何歳になってもそれを埋められるよう頑張り続けるのが役者なのかなとも思います。僕はすごく飽き性なんですが、まず7年もこの仕事を続けられると思っていなかったです。続けられたのは、寛一郎みたいに、芝居という共通言語があって、同じ方向を向いてくれる役者仲間がいてくれたからかもしれないです。そういう人たちから「残念だな」って思われるような芝居をしたくないっていう思いも強いです。指摘してくれる人はどんどんいなくなっていきますし、そういう人たちにがっかりされたくないからもっと頑張れるんだと思います。

――貴重なお話をありがとうございました。最後に、お2人が何度も繰り返し観るくらい好きな映画、ずっと心に残っている映画を教えてください。

坂東:最近何回も観ているのは「レインマン」です。ここ半年で5、6回は観ました。緻密に作られているなって思うので、一か所観ていいなって思ったら、もう一回観直しています。すごいって思うシーンが毎秒あって勉強になります。

寛一郎:定期的に観たくなるのは、「L.A.コンフィデンシャル」です。役者もすごくて、ケビン・スペイシーが輝いていて、画もかっこいいので好きです。

https://eiga.com/movie/101480/interview/


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アイヌが理由の差別あってはならない 国交相

2024-09-19 | アイヌ民族関連

エコノミックニュース 2024年09月18日(水)07:03

 斉藤鉄夫国交大臣は17日までの記者会見で昨年度に北海道庁が行ったアイヌ生活実態調査の結果で「差別を受けた経験があると回答した人が29%」あったことに「アイヌであることを理由として差別することはあってはならない」と憂慮した。

 そのうえで「特にSNSなどインターネット上の書き込みによる差別が多いなどの結果がとりまとめられた。

SNS対応についてはアイヌ施策全体を担当する内閣官房でインターネット上の書き込みに対する削除申請に適切な対応を取るよう大手プロバイダ事業者に要請するなどの取組みを実施することとされている」と語った。

 また「国土交通省としても内閣官房など関係省庁と連携し、国民の皆さまにウポポイにおいてアイヌ文化に触れていただくことなどを通じて、アイヌ文化の理解の促進に取組んでいきたい」と述べた。

 北海道庁が昨年10月1日時点で実施した調査によると、調査対象5322世帯、1万1450人。それによると世帯の年間所得は100万円未満が5.8%、199万円までの世帯が全体の2割に上った。回答者の21%は「生活がとても苦しい」と答えた。

 アイヌであることを理由に差別を受けたことがあるかでは、29%があると回答。自身が差別を受けた場面に関して最近3~4年の間のこととして、就職が10.5%、職場が15.8%、SNSの書き込みなどが31.6%とSNSでの差別が最も多かった。

 差別を受ける原因では「人種的な偏見」が69.9%と最も多く、「アイヌ民族の歴史的・社会的背景に対する無理解」(54.9%)が続いた。(編集担当:森高龍二)

https://www.excite.co.jp/news/article/Economic_0000102806/#goog_rewarded


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カナダ俳優が口を覆う「赤い手形」でレカぺに。フェイスペイントが伝えたメッセージとは

2024-09-19 | 先住民族関連

ハフポスト 2024年09月18日 10時6分 JST Kelby Vera

ディ・ファラオ・ウーン・ア・タイさんは、北米に蔓延する先住民族の女性への暴力と沈黙に対し、言葉を使わずに抗議した

カナダ出身でオジ・クリー族の俳優ディ・ファラオ・ウーン・ア・タイさんが、9月15日(現地時間)にロサンゼルス開催された第76回プライムタイム・エミー賞で、言葉を使わずに強いメッセージを伝えた。

レッドカーペットに登場したウーン・ア・タイさんの顔には、口に覆い被さるような赤い手形のフェイスペイントが描かれていた。

この赤いフェイスペイントは、北米に蔓延する先住民族の女性への暴力に警鐘を鳴らす象徴だ。

国立先住民女性リソースセンターによると、アメリカでは先住民の女性が殺される割合は平均より10倍高く、性的暴行の被害に遭う割合も高い。

しかし、アメリカやカナダの先住民族女性たちへの暴力に対する十分な対策や調査は行われていない。

NPOネイティブ・ホープによると、口に覆い被さる赤い手形は、この問題を伝えるMMIW(行方不明になったり殺害されたりした先住民女性 / Missing and Murdered Indigenous Women)運動のシンボルになっており、「メディアと警察の沈黙」や「先住民族の女性に対する抑圧」を表している。

ディ・ファラオ・ウーン・ア・タイさんGetty

CNNによると、ウーン・ア・タイさんはレッドカーペットの写真をインスタグラムに投稿し「自分のためでも、皆さんのためでもなく、ここにいない人たちのためにやったんだ」とつづった。

ハワイ出身の俳優アウリイ・クラヴァーリョさんも、2023年にニューヨークで開催されたAmazonプライムビデオのドラマシリーズ『The Power』のプレミア試写会で、顔に赤い手形のフェイスペイントをしている

第76回エミー賞では、テレビ業界で活躍する先住民族たちが脚光を浴びた。

ウーン・ア・タイさんはドラマ「レザベーション・ドッグス」でコメディ・シリーズ部門主演男優賞にノミネートされた。バラエティによると、先住民族の俳優が、主演男優賞にノミネートされたのは初めてだ。

また、俳優のリリー・グラッドストーンさんとカーリー・レイスさんは、アメリカ先住民族の女性として初めて、エミー賞の演技部門にノミネートされた

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_66e8f06ce4b06998fbecb319


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失われた「平和の海」=鉄のカーテン復活、閉ざす国際協力―科学研究に打撃、先住民分断・第1部「二つの北極」(6)〔66°33′N=北極が教えるみらい〕

2024-09-19 | 先住民族関連

時事通信 2024-09-18 07:30国際

「北極を平和圏にしよう」。かつてこう宣言したゴルバチョフ元ソ連大統領が2022年8月、死去した。冷戦終結以降、北極は他の地域の紛争に影響されず、各国が科学研究や漁業規制で協力し合う国際協調の舞台だった。
 だが、同年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で一変した。協力は凍結され、フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟。北極はNATOとロシアで二つに分断された。ゴルバチョフ氏の死は、再び「対立の海」となった北極の変容を象徴するかのようだった。
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 ◇紙一重の議長国交代
 米国やロシアなど北極圏8カ国から成る北極評議会の「閣僚級」会合が23年5月、議長国ロシアの北部サレハルドで開催された。ノルウェーに議長を引き継ぐ重要な会合だったが、参加した加盟国閣僚はゼロ。実務者だけがオンラインで出席する異例の事態となった。
 ロシアがウクライナに侵攻した数週間後、その他7カ国はロシア主催会合のボイコットを宣言。評議会は「機能不全」に陥った。
 西側諸国と対決姿勢を強めるロシアが2年ごとの議長国交代を拒否すれば、評議会が空中分解する恐れがある。ノルウェー政府の実務者代表としてロシアとの折衝に当たったモルテン・ホグランド氏は、議長国交代が行われるか「閣僚級会合前夜まで確信がなかった」と明かす。
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 ◇東西分かつ「壁」
 北極評議会は今年2月、動植物や海洋環境の保護などの個別課題を話し合う作業部会の一部会合をオンラインで再開した。だが、ロシアとの政府間協力が再開できる見通しは立たず、研究者の往来も容易ではない。北極で急速に進む「気候崩壊」の原因や影響を解明しようとする研究の多くが滞っている。
 「情報の半分を失った」。国際北極社会科学協会のグレテ・ホベルスルード理事長は、北極海沿岸のほぼ半分を占めるロシアから観測データを入手できなくなり、気候科学や海洋環境の研究に支障を来していると話す。
 西側の科学者と連絡を取ると自身の身が危険にさらされるため、メールを送らないよう求めてきたロシアの研究協力者もいるという。同理事長は「東西を分かつ冷戦時代の『壁』が戻ってきた」と指摘する。
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 ◇途絶えた交流
 北欧とロシアにまたがる地域でトナカイの放牧などを行う先住民族サーミも分断に直面している。ロシアのサーミ団体は22年3月、ウクライナ侵攻を支持する声明に署名。全サーミの権利擁護を目的とする「サーミ評議会」はこれを受け、傘下のロシア側団体との交流凍結を決めた。
 それから2年以上、交流は途絶えたままだ。サーミ評議会のアスラート・ホルムバルグ代表は「われわれのような西側の人権擁護団体と緊密に連絡を取っていると、ロシア側のメンバーが当局に目を付けられる恐れがある」と説明する。
 冷戦終結以降、地道に築いてきた協力関係はもろくも崩れた。ホルムバルグ氏は悔しさをにじませる。「今はさまざまな通信手段があり、昔ほど強固な『鉄のカーテン』ではない。ただ、あの時代と多くの共通点があるのは間違いない」
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 ▽北極評議会
 北極評議会 1996年に米ロをはじめとする北極圏8カ国によって設置された多国間フォーラム。2023~25年はノルウェーが輪番制議長国を務める。北極圏の持続可能な開発や環境保護など共通課題での協力を目的とし、軍事や安全保障問題は協議しない。日本や中国、韓国は13年にオブザーバー資格が与えられた。 

https://sp.m.jiji.com/article/show/3340445


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世界の先住民族と連帯を訴え 沖縄の自己決定権の確立へ 琉球独立学会がトークイベント 那覇

2024-09-19 | ウチナー・沖縄

琉球新報 公開日時 2024年09月18日 14:28 有料

国連で採択された先住民族権利宣言の内容などについて説明する(後列左から)アレクシス大城さん、酒井莉沙子さん、親川志奈子さん=15日、県立博物館・美術館

この記事を書いた人吉田 健一

 琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)主催のトークイベント「ウィナグと国連」が15日、那覇市の県立博物館・美術館であった。辺野古新基地建設や米兵による性犯罪など戦後から続く沖縄の不条理を国連などで主張してきた酒井莉沙子さんとアレクシス大城(うふぐしく)さんが登壇した。2人は基地問題の解決や先住民固有の自己決定権の確立に向けて、世界のウチナーンチュや海外の先住民族との連帯を図る必要性などについて訴えた。

 ACSILs共同代表の親川志奈子さんがモデレーターを務めた。親川さんは国連本部で開催される先住民族問題に関する常設フォーラムやスイス・ジュネーブでの先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)会合に参加した際のやりとりなどについて報告した。

 トークイベントでは、日本政府が琉球民族を先住民族と認めず、基地建設を強行するなど軍事植民地化していることが先住民族権利宣言(UNDRIP)に違反しているとの指摘が相次いだ。

 ・・・・・・・

 (吉田健一)

https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-3478100.html


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