蓼内明子さんが新刊をだされました。
あざやかで、かわいい表紙。とても目につきます。
その表紙にふさわしい、女の子のいろんな気持ちがぎゅっとつまって、重層的にふくらみのある佳品でした。
おもしろく、また、じーんとしました。
出だし、小六のふみちゃんは、孝太郎くんに好きだといわれます。でも、あんまりいきなりな出来事に、いい友だちだった孝太郎くんをきらいだって思ってしまいます。
このあたり、女子のうれしいけど、とまどって、めいわくなような気までなってしまう微妙な気持ち、よく伝わってきます。
幼稚園の延長保育で、おかあさんを待つ気持ちも思いだして、ていねいに美しく描いています。
また、いいなって思うのは、絵描きのおかあさんのキャラクター。ちょっと雑で料理もへたで、でも愛すべきキャラクターです。
インドカレーをつくる場面もでてくるのですが、このとおりにつくりたくなりました。でも、スパイスがたくさんいるので、あきらめました。うーん。でも、おいしいてづくりカレーが食べたくなる、そんな作品です。
ぜひ、秋の読書の一冊に手にとってくだい。