いつものように耳に馴染んだ音で音楽に聴き耽りながら、小用があって止む無くリスニングルームを離れる・・、しばらくして戻ってみると、あれっ、こんな音で聴いていたのかと、音の印象が変わって愕然となることがある。
皆様はそういうご経験はありませんか?
人間の耳は「音の変化に敏感に出来ている」と専門書に書いてあった。言い換えると、「変化のない音」には、つい鈍感になってそのまま聴き流してしまう。
そう、オーディオマニアはときどき「音のギアチェンジ」が必要だと思うわけ・・、ちょっと手前味噌かな~(笑)。
作家の「五木寛之」さんの「心は今日も旅をする」に、似たようなことが書いてあった。小題は「人生のギアチェンジ」(95頁)。
関係部分を抜粋してみよう。
「日々の生活には気分転換が必要だろう。同じことばかり長く続けていると疲れてくる。仕事の能率がおちるし、何よりも生きることに飽きてくる。
私は子供の頃から飽きっぽい性格で、一つのことを長く続けてやることが苦手だった。「Keep On」という言葉をモットーとしてきたのは、そんな自分の欠点を意識してのことだった。
一つのことを長く続けるのは難しい。そこを何とか乗り切るためには、何が必要か。それは変化である。
生活を変える。仕事のやり方を変える。気分を変えて、やる気を起こす。
では、どうすれば日々の生活に変化をあたえることができるのか。そのことが私の人生の大きなテーマだった。
変化は向こうからはやってこない。何か自発的なきっけが必要だ。大事なのは変化である。そうだ。精神の変化は、生活の変化、日々の暮らしの変化からもたらされるのではないか。~中略~
人生は長い。長い日々を生き抜くには、ときどき生活を一新する必要がある。百人百様で、それぞれに自分の思いつくやり方で何かを変えるのだ。心を変えるのは難しい。まず形を変える。暮らし方を変える。幾つになっても、人間は変わることができるのだ、と自分に言いきかせながら。」
というわけで「変化が大切」、言い換えると「マンネリ」は脳が嫌うとも言えそう。
我が家では日々「6系統のスピーカー」と「10台の真空管アンプ」に取り囲まれて、いわば「酒池肉林」状態にあるが、これでその理由の一端がお分かりいただけたかな~(笑)。
あっ、そういえばずっと昔、あるオーディオ雑誌を読んでいたら大要、次のような記事があったことを思い出した。
「阪神淡路大震災で家が倒壊してしまい、当然のごとく愛用していたオーディオ機器もすべて全滅した。しかし、めげずに改めて一からオーディオを見直して再構築したところ、以前よりもずっと気に入った音が出てくれたので今ではそういう機会を与えてくれた大震災を満更(まんざら)悪いことばかりではなかったと思っている」
いくら変化が大切と言ってみたところで、やはり大地震でもない限り思い切った再構築は無理ですよね~(笑)。
西日本では東南海地震の到来が刻々と近づいているが、自分の息のあるうちに「来て欲しい」or「来て欲しくない」・・、「音のギアチェンジ」のためには前者がいいけどね~、ただし、その前に命の方が持つかな(笑)。
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