「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「信じるか、信じないか」~

2011年01月28日 | オーディオ談義

これまで鳴り物入りで展開されてきたテレビの「地上デジタル」方式への切り換えがいよいよ今年の7月24日〔日)へと迫ってきた。

あと半年ということで刻々とタイムリミットが近づいているが、その切り換え状況の現在の進捗率は全国でおよそ90%という。

我が家の場合は現在5台のテレビのうち4台が地デジ対策完了済みなのでどうにか平均レベル。

つい最近、食堂の小さなテレビ(13インチ)に地デジチューナーを接続したが、なかなかきれいな画像。

これまでのアナログ画像にもそれほど不満を抱かなかったが、こうして比べてみるとデジタル画像の優秀さはつとに明らか。

100人中、100人ともがアナログ画像よりもデジタル画像のほうが「ずっといい」と、きっと言うに違いない。

ところが、これが「音質」となると少々話が違ってくる。

いまだに「CDの音」(デジタル)よりも「レコードの音」(アナログ)のほうが「いい」という方が沢山いるのは一体どうしたことだろうか?

実際に身の回りの友人、知人のうちいまだにレコードを熱心にやってる人が数多くいるのでその辺の状況は身につまされるほどよく分かる。

デジタル「画像」の優劣に比べて「音質」ではどうしてこうもはっきり差がつきにくいのかホントに不思議。

そもそも「画像」と「音質」とでデジタル技術の完成度は違うのだろうかなんて素朴な疑問が湧いてくる。

まず「画像」の場合はたとえば被写体に人間を例にとると、顔色の自然さとか髪の毛の1本1本がどれだけ鮮明に写るかなど優劣の判断基準が比較的しっかり把握できるのが大きなメリット。

ところが「音質」となると「良し悪し」の明確な基準がしっかりしておらず、各人の好みも手伝ってその差が分かりにくいところにも一因がありそう。

そもそも「目」と「耳」の機能に違いがあるのも一考すべき余地がある。

オーディオ仲間で物識り博士のMさんにズバリ訊いてみた。

「仮定の話ですが完璧に調整されたアナログの音と同じく完璧に調整されたデジタルの音では果たしてどちらが音がいいんでしょう?」

「理屈ではデジタルのほうがいいに決まっているが、CD発足のときにフォーマットとかが専門家不在のままあまり煮詰めないでスタートしたため、いまだに不完全さを引き摺っているなあ。現実的には今のところ完璧に調整されたレコードの音の方が一枚上なんじゃない。」

「ただし、完璧に調整されたといってもアナログでホントにいい音を出そうと思ったら中途半端なお金では無理。もし同じお金をかけるのならCDのほうが断然有利だろうね~。」

結局、アナログにしてもデジタルにしてもいい加減のところで妥協せざるを得ず、現時点で論争に終止符を打つことは無理のようだ。

とにかくこの分野については「百家争鳴」でいろんな議論があろうが、自分のような過去のオーディオの全盛時代を知る人間にとって、今日の惨憺たるオーディオ人口の現状は実に淋しいものがある。

「電気回路を利用した機器で芸術を鑑賞する」という、無機的な機械と芸術のコラボレーションが出来る至高の役割を担ったオーディオは、ずっと「キング・オブ・ホビー」〔趣味の王様)と呼ばれてきたが今では悲しいことに「死語」になりつつあってトンと聞かない。

こと、ここに至った原因のひとつに「レコード」から「CD」に移り変わって音に味わいが少なくなったことも挙げられるように思う。

たとえばレコードが再生できる周波数レンジは最高域にかけては際限が無いがCDが再生できる周波数レンジは最低域の20ヘルツから最高域の2万ヘルツと枠にはめられている。

先日読んだ音響関係の本に「人間の耳は2万ヘルツ以上の音を聴き取るのは難しいが、その替わりに皮膚がその役割を果たしており2万ヘルツ以上の情報を
感じ取って脳に伝えている」と書いてあった。

これからするとオーディオ装置と向き合うときは出来るだけ肌を露出して聴くのがいいようで、その点夏場なんかは最適のはずだが。

とにかく「音の世界」はまだまだ分からないことが多い。

「音」がいまだに科学的によく解明されていないものだから、オーディオに至っては「いい音」を得るためにそれこそいろんな迷信めいたものが存在するのも故無しとしない。

結局「信じるか、信じないか、それが問題だ!」


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