今年(2023年)の6月に「AXIOM80を聴かせてください」と岡山県から我が家にお見えになったオーディオ愛好家の記事をご記憶だろうか。
仮に「Y」さんとしておこう。当時のブログを抜き書きしてみると、
「Yさんによると「使っているPM6A(ローサー)のバッフルは厚さ4mmの薄板です。ドイツから取り寄せたものでギター材に使用されているものです。」
「なるほど・・。バッフルを薄くして共振させるのは大いに納得です。我が家のAXIOM80も現在1.5cmの薄板を使ってますが、楓(かえで)材あたりの4mm厚に取り付けてぜひ鳴らしてみたいですね。とてもいい音色になりそうな気がします」
翌日、Yさんからさっそく画像を送っていただいた。
これが表側から見たバッフルで、状況に応じて小さな穴にコルク栓を埋め込むタイプ。
そして、これが裏側から見たバッフル。
響きの伝達と補強を兼ねて丁寧に「桟」が放射状に施してあり、丁寧で緻密な工作にほとほと感じ入った。これまでいろんなオーディオの工夫を見てきたがこれがベストだと思います・・。」
という内容だった。
SPユニットと箱の関係はオーディオ最大のテーマであり、最大の謎と言っていいと思う。
なぜなら、箱の振動一つをとってみても盛大に響かせるか、あるいは響きを止めてしまうのか、否、響かせるにしてもどの程度に収めるか・・、箱の寸法、板厚の薄さ、背圧の逃がし方と相俟ってこれほど難しいテーマはないというか、答えが無数にありそうな気がするから。
我が家の「AXIOM80」もいずれ、ギター材を使ってせめてバッフルだけでも代えたいものだが・・。
そうこうするうち、オーディオ仲間から「ギター材を使ったスピーカーがオークションに出ていますよ」との情報が入った。
まさしく、ギターと同じ素材と製法で作られたスピーカー「D-TK10」(オンキョー)
以下、オークションの説明を羅列してみよう。
受注生産の特別モデル。高峰楽器製作所とのコラボレーションで作られた世界初のギターアコースティックスピーカー。キャビネットにはマホガニー材を使用。
アコースティックギターならではの技法を随所に採用。内面の適所にはギター工法独特の「力木」を配置し、綿密なチューニングを施している。
バッフルを含むほかの面は、1枚の積層板を大きくラウンドさせることで、キャビネット内部・外部での有害な定在波や回折波を根本的に排除する。
■ 豊かな音色を再現するマホガニー板材を採用
ギターアコースティック・スピーカーのキャビネットには、響きのよいマホガニー板材を、側板には3.5mm厚の単板、胴部には3mm厚の積層合板にして採用。
素材の選別、湿度や温度管理をすべて高峰楽器で行い、ギターとまったく同じ製法で加工、組立、塗装がなされています。楽器の豊かな響きをそのままに生かした、生々しい音色を実現します。
■ より力強い中低域再生を実現
より力強いサウンドを再現するため、ウーファーユニットには
剛性の強化を主軸にして開発した振動板NewA-OMFコーンを採用しています。剛性が高く、固有音が極めて少ないPEN繊維と、天然繊維、アラミド繊維をハイブリッド成形して、従来のA-OMFよりも3.5倍の剛性を実現。センターキャップまで一体化することで、剛性をさらに高めています。
■超高域までクリアな再生を実現
ツィーターユニットには、新開発した口径30mmのリング型振動板を採用。徹底した形状解析により分割振動を大幅に低減して、
可聴帯域全体にわたるピストンモーションを実現しています。
【製品仕様】
型式:2ウェイ バスレフ型
定格インピーダンス:4Ω
最大入力:200W
定格感度レベル:80dB/W/m
定格周波数範囲:50Hz~100kHz
クロスオーバー周波数:3.5kHz
キャビネット内容積:4.2リットル
外形寸法(幅×高さ×奥行):133×276×220mm(ターミナル突起部含む)
質量:2.9kg
使用スピーカー:ウーファー:10cm New A-OMFコーン型、ツイーター:3cm リング型
ターミナル:バナナプラグ対応金メッキ真鍮削り出しネジ式スピーカーターミナル
防磁設計(JEITA)
とまあ、以上のとおり。
現在、似たようなスピーカー「PL100」(モニター・オーディオ)を持ってなければ、ダボハゼみたいに飛びつくんだけどなあ・・(笑)。
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