当局の7MHz用の3エレの短縮八木アンテナが先日の台風が通過した後から急にSWRが高くなり3近くをフラフラする様に成った。昨日の夕方にタワーに上がり原因を調べたらトラップ・コイルのシールドケースをエレメントに接続しているのだが其の部分の接触不良と判断した。実は此の部分は1年少し前に対応していたのだが其の部分の対応方法に少し問題があった様だ。
メーカーの元々の構造はトラップコイルの外装(アルミの円筒ケース)部分の先端の一部、先端から1cm位の所に全周囲の2箇所に切り込みを入れ其の部分を谷側に押さえ一番谷の所をエレメントにリベットで接続した形状に成っていた。其の部分は防水キャップで隠れて居るのだが前回の故障時は時々SWRが1.8~2.5くらいの近辺をフラフラする症状で冬の間は症状が出にくいのだが夏場や気温の高い日に症状が出やすかったが今年の春先だったと思ったが症状が出っ放しの状態に成り原因追究の為に輻射器を地上に下ろして徹底的に原因を追及した。
故障原因はトラップコイルの外装の円周から谷折した2箇所の角で金属疲労に寄る罅割れによってケース外装の金属部部分が亀裂、電気的に導通が無くなった為と解った。結果的に温度の低い状態では金属の膨張が少ないので亀裂部分が如何にか接触しているのだが夏や天気の良い日に成ると金属が膨張し、亀裂したエレメント側のアルミ部分はリベットでエレメントに確り固定されて居るのと防水ゴムの内部で直接日が当らず温度が上がり難いのだが亀裂した外装側のアルミ部分は直接日光が当るので温度に寄る膨張が大きく最終的に亀裂部分の導通が悪く成ったり完全に不導通に成って居る事が原因らしい事が解った。
此の時の修理対応はケースの部分の交換はリベット止めなのでトラップとエレメントの交換に成るので、安い修理方法で修理する為にトラップの外装部に穴を空け銅線をボルト・ナットで挟み確り固定(アルミ・ケースは非常に薄く鉄板ビスでは将来に熱膨張でビスが浮き接触不良に成る可能性が高いと判断)エレメント側は2本のステンレスビスでエレメントのアルミ・パイプにビス止めした。パイプの肉厚は1mmm以上あったので下穴より可也太いビスで接続した。
しかし今回の症状は前回の故障状況と良く似ていた為、此の部分の修理対応の甘さに原因が有る様に思えた事と輻射器を下ろすには建物と大きい立ち木の間に降ろさねば成らないし修理完了後にエレメントを上げるにしても手間が掛かるので今回は輻射器を地上に降ろさず、ブームに平行に他のエレメントの上に輻射器を移動して置き修理する方法を取った。此の方法は思いの外に上手く進んで順調に問題部分と思われるトラップ部分をタワーの作業台まで上手く移動出来た。トラップの防水キャップを外して目視した段階では水が入った形跡やビス部分の錆も無かったがビスの頭をプラスのドライバーで締め増しをするとドライバーが少し廻ったので「此れがトラブルの原因だ」と思って防水対策をして輻射器を接続してタワーから降りた。逸る気持を押さえてキャリアを注入しSWRを測定、だがしかし期待は無残に砕かれてSWRは3の少し手前、エレメント側のビスが矢張り接触不良なのか?気分は落ち着かないが既に外は真っ暗で今日は既に時間切れ・・・・・・
今日は昼過ぎの2時頃から風があったが作業を開始、昨日の失敗からエレメント側の接続は2箇所を設け貫通ネジで親の敵の様にエレメントに締め付ける心算で電気ドリルでエレメントに穴を開ける事にした.其の為にコード・リールをタワーの最上部に上げる羽目に成ったが今日ほど今の時代バッテリーで動く強力電動ドライバー(ドリル兼用)が欲しいと思った事は無かった。作業は昨日と同じ事を繰り返したが手元の作業に気を取られ不用意にエレメントを回して作業をした為、先端のキャパシティハット(先端近くの矢の様な部品)をブームに当て片側を折ってしまう失敗を遣らかし、「あっ」と思ったら其の部品は木の葉の様に舞いながら地面に落ちた。仕方が無いので部品を拾いに一度下に下りる羽目に・・・・
輻射器を元通り固定してバランからのリード線を輻射器の端子に接続しようとしたら片方のリード線が根本から折れて無い 此の部分は以前はより線であったがカラスの暇潰しに嘴で突かれ引き千切られたので太い軟銅の単線を使用していたが長い年月でもろく成ったのだろう。今回は偶々予備を持って上って居たので事無きを得、其れで対応した。全作業終了時には周りは既に薄暗く成って折り「此れで直らなかったら如何しようか?」の一抹の不安は有ったが注意してタワーから降りた。
無線機をRTTYモードに切替えてSWRを測定すると7.050MHz辺りで 1を表示「やったぁ~」アンテナは直った事が解った。昨日からタワーの上がり降り5往復、随分手間隙が掛かったが直ってしまえば此方のもの、疲れも吹っ飛ぶ、先程、お風呂に入ると3時間強の高所作業の為か?少し足腰が痛いが此の充実感は何物にも替え難い。最近7Mhz帯を運用する事は余り無いが終日無線を楽しめる唯一のバンド、此れで「備え有れば憂い無し」に成った。