折にふれて

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あるカメラ考  MINOLTAの系譜 

2017-02-25 | 折にふれて

昨日の朝のこと。

日本経済新聞に目を通していたら、

「カメラ展示会 主役はソニー」なる見出しに釘づけになった。

横浜で開催されているアジア最大のカメラ展示会「CP+」でソニーが最も大きなブースを確保し、

キャノン、ニコンという二強を差し置いて気を吐いているという。


記事を要約すると。

  「日本企業のカメラ出荷台数は減少が続き、その背景にはスマホのカメラ機能の向上がある。」

  「幅広い商品群を持つ首位のキャノンも市場縮小の影響を受け、ニコンは構造改革を余儀なくされている。」

  「その一方、ソニーは画像センサーを内製する強みを発揮、高価格帯のレンズ交換式カメラの売上高を2年間で3倍に伸ばした。」


ともすると、家電品の延長のように揶揄されてきたソニーのカメラだが、

そのユーザーとしてはまことに喜ばしい話だ。

ソニーの一眼レフを使い始めてやがて10年となる。

なぜ、ソニーを選んだのか。

その理由がこの写真の中にある。

右のカメラが常用しているSONY α99。

そして左が30年前のフィルムカメラ、MINOLTA α7700i で、

子供たちの成長を記録しようと、当時、薄給の身でありながらボーナスをつぎ込んで買い求めたものだ。

1975年、EOS、Nikkon、PENTAXといったブランドの後塵を拝していたMINOLTAが起死回生を狙って発売したカメラがα7000。

本格的なオートフォーカス機能を搭載し、「αショック」なる言葉まで生みだした名機だ。

α7700iはその2代目で、やはりそのオートフォーカス機能が購入の決め手となった。

それから10年ほど、外出の傍らには必ずこのカメラがあり、

子供たちの成長の記録は大量のアルバムとなって今も残っている。

しかし、子供たちが大きくなるに従っていっしょに外出する機会は少なくなり、

やがては写真への興味も薄れて、いつの間にかこのカメラも棚の奥深くに仕舞い込まれたままになった。

話は変わるが、もう少し昔の話が続く。

10年ほど前からブログを書いている。

最初は仕事場での気づきなど文章が中心だったが、

少しずつ写真を差し込むようになり、

gooブログへ引っ越すあたりから、写真中心のブログとなり、再びカメラへの興味が湧きはじめたのである。

最初はコンデジを使っていたが、次第に高機能な一眼レフが欲しくなり、

カメラ雑誌を立ち読みしたり、カメラ店へも通うようになった。

いろいろと調べるうちに、MINOLTAはすでにカメラ事業から撤退、

αシステムはソニーが継承し、レンズ資産も受け継がれていることを知った。

α7700iで使っていたレンズがいくつかあったので、

それがソニーを選ぶ理由のひとつではあったのだが、

そもそも30年前のレンズなど、使えたとしても、

デジタル技術はもちろん、今の自動化技術では制限が多いことは理解したうえでのこと、

資産継承は表向きで、「滅びゆくもの」への感傷がソニーを選ばせたように今では思っている。

現に、今使っているレンズはすべて最近買い求めたもので、MINOLTAのレンズを使うことはもうない。

といいながらも、当ブログの使用カメラにいまだにMINOLTA α7700iと書いているのは自分ながら滑稽なところだ。

 

そして、これがソニーのデジタル一眼を常用としたころ、最後にα7700iで撮った写真。

写真として焼き付けたものをスキャナーで読み込んでいるので、

解像度など、再現に制限はあるが、

諧調の豊かさなどアナログの良さが存分に伝わってくる...

そう勝手に思っていて、当ブログのサイドバーにも表示している。

 

さて、この話には実は大きなオチがある。

ソニーのαシステムにはAマウントとEマウントがあって、

AマウントはいわゆるMINOLTA以来の系譜、

そして、Eマウントは最近話題のミラーレス一眼のレンズ群を指す。

つまり、同じαシステムでもAとEではまったく異なるレンズ群なのである。

新聞記事を紹介した「CP+」で脚光を浴びているのは、

今やAマウントにとって代り、αシステムの主流になりつつあるEマウント。

一方で、私のカメラα99はAマウント。

ほとほと「滅びゆくもの」にとり憑かれているようである。

 


「滅びゆくもの」から連想した名曲。

感傷など、さほど意味を持たないこだわりから抜け出せないことがある。

そういった人たちへの賛歌のように自分には思える。

The Eagles- DESPERADO

デスペラード

正気を取り戻せよ

その心の壁をとり払うんだ

今は雨降っているかもしれないが、その上に虹が架かることもあるんだ

だから、誰かに愛されたほうがいい

手遅れにならないうちに

 

 

 

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