はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

祖谷川に沿って(剣山の帰り道)

2015-10-20 18:26:50 | 知らない街をぶらり
剣山に登った帰り(10/16)に、時間もあったので祖谷温泉に行くことにしました。
祖谷温泉に行くには、国道439号線を走ります。国道とは言うものの、まあ酷道に近い道です。もちろん舗装はされていて、快適な区間もありますが、1車線で離合困難な区間も多いです。まあ、四国の道路は、八十八箇所お遍路の旅で十分に体験させていただいたのですが、こんな観光地?の道路もこうだったのかという感想です。
この道は、祖谷川に沿って造られているので、風光明媚なところなのですが、なにしろハンドルをしっかり握ったままなので、写真を撮る余裕がありませんでした。
しかし、一箇所だけ車を停めて、写真を撮ったところがありました。車を走らせていると、突然、たくさん人がいる集落にさしかかりました。






でも、よく見ると、かかしでした。ここは「名頃かかしの里」というところのようでした。
よくわかりませんが、撮影もおこなわれていましたよ。


これを見れば、かかしとわかりますよね。




再び国道439号線を走ります。しばらく行くと、山の上まで家のある景色が見えてきました。(写真を撮らなかったことに後悔!)あとで知ったのですが、ここは国指定伝統的建造物保存地区の落合集落というところでした。

この辺から平家屋敷という案内板が増えてきます。ここが平家の落人村かと思いながら車を走らせます。
平家の落人村については、(旅する民俗学者)の宮本常一さんが、あっちこっちと旅して書かれています。文庫本では河出文庫出版の『山に生きる人々』。他に、八坂書房発行の『山の道』などがあります。まあ、平家かどうかはわからいものの、なんらかの都合で山の奥に住みついた人々がいたということです。(文庫本は読む価値ありですよ。その前に『忘れられた日本人』岩波文庫をお勧めします)

そんなこんなで、やっと「かずら橋」までやって来ました。時間も時間なので近くの日帰り温泉に入浴して、帰路につきました。「かずら橋」も、一昔前は秘境といってもいいところだったんでしょうね。
峠を越えたところが大歩危でした。


対岸を、運良く通りかっかった土讃線を写すことができました。(ピンぼけですが)


さあ、ここから大阪まで4時間です。





高野山へ結願の報告に

2015-10-19 20:15:17 | 寺社めぐり
高野山へ四国八十八箇所巡礼の結願の報告に行って来ました。結願したのは5月10日だったので、ずいぶん間があきましたが。


高野山は、開創1200年ということもあってか大にぎわいでした。いつ行っても混んでいる気がしますが、昨日は特に人が多かったようです。(御朱印をもらうにも長蛇の列でした)


紅葉には少し早い時期でしたが、気の早いもみじはすでに赤く色づきはじめています。今月の末が見頃でしょうね。そうそう、イチョウの木も負けじと黄色く染まっています。






高野山はご存知のように弘法大師空海さんが開いた天空の一大宗教都市です。1200年前といえば、815年だから、平安京に都が遷されて20年ほどたったころの事ですね。今でも山深い所ですが、当時はどれだけ山深い所だったか想像に難くないです。


それにしても、こんなに山深いところに、お寺というか宗教都市を建設しようとした空海さんの思いは何だったんでしょう。このへんの詳しいことは、我が司馬遼太郎さんが『空海の風景』に書かれています。(今日、もう一度、下巻の29章を読み返してみました)


高野山に行くには、南海高野線や車で行くのが便利なのですが、昔ながら「町石道」というのがあります。私もまだ歩いていませんが、次回はぜひこの道を歩いて高野山に参詣したいものです。(女人高野として名高い九度山の「慈尊院」から「根本大塔」まで、22キロで約7時間というコースです)



※高野山の名物といえば、高野豆腐や胡麻豆腐ですが、今回お土産に買ってきた「生麩まんじゅう笹巻きあんぷ」は、なかなか美味しかったです。また、九度山~高野山の道中で売っている「富有柿」も安くて美味しかったですよ。












四国剣山へ その2

2015-10-18 07:17:17 | 山歩き
剣山の山頂は天気も最高で、おにぎりを食べながら360度の景色を堪能することができました。
そろそろ下山です。そうそう、もう一度、次郎笈にあいさつをして、一等三角点を撮影して下山です。
(この風景に会いに来ました)

(一等三角点は立ち入り禁止)

紅葉した山道を下ります。帰りは行きとは違う道を下りました。途中に大剣神社があります。
(紅葉した木々の間を進みます)

下り道は、あっという間に高度が下がります。とても歩きやすい道です。
(次郎笈も高くなりました)

今回は天気も良くて、ポカポカの陽気でした。用心をして防寒対策もしていましたが、無用に終わりました。しかし、山では何があるかわかりません。用心にこしたことはないと思います。
(葉っぱは落ちてしまったようです)

(下山路にて)

1時間もかからずに、西島駅に到着です。それにしても、下っている間にもたくさんの登山者と出会いました。平均してお年寄りの方が多かったです。(しかも、70歳を越えていると思われる方々が)みなさんいつまでも元気に登山を楽しんでください。まあ、私も年寄りの一員ではありますが…。

下りのリフトで一気に見ノ越です。リフトあたりの紅葉が見頃のようでした。
(高所恐怖症のつれあいは、リフトにしがみつきます)

今回の剣山への旅は日帰りでした。朝の5時に大阪を出発して、淡路道ー徳島道の美馬ICから国道438号で、見ノ越に着いたのが9時半ごろ。リフトと歩きで、頂上に着いたのが11時です、再び見ノ越に下りてきたのが12時45分ごろでした。(国道438号はなかなかの酷道ぶりでした)

まだ、時間もあるので、ここから祖谷温泉をめざすことにしました。
その話は、次回につづきます。




四国剣山へ(雑誌の風景に誘われて)

2015-10-17 12:06:11 | 山歩き
四国の名峰剣山に行って来ました(10月16日)。
(山頂から見る次郎笈)

実は、昨年の「山と渓谷10月号」に載っていた風景に会いたかったからです。
(去年の「山と渓谷」10月号の記事)

剣山の山頂は、剣という厳めしい名前とはうらはらに、広々としていてのどかな雰囲気です。『日本百名山』の著者深田久弥さんも、「ところが四国の剣山だけは違う。これは頂上はなだらかな草地で、少しも剣らしいところがない。(中略)剣山の頂上は、森林帯を辛うじて抜いた草地で、その広々とした原は、昼寝を誘われるようなのんびりとした気持ちのいい所であった。すぐ真向かいには、こちらよりわずかに低いジロウギュウがなかなか立派であり、北方には幾重も山を越えて瀬戸内海の方が見渡せた。」と書いています。
(のどかな山頂風景)

深田さんが登ったころは、アプローチも長かったようですが、今は見ノ越から登山リフトが通じていて、終点の西島駅からゆっくり歩いても、1時間もかからないほど登り易い山になっています。
もう一つの楽しみ、紅葉を楽しみながらの山歩きになりました。
(西島駅から頂上ヒュッテを見上げる)

私の登山にしてはめずらしく快晴です。(強力晴れ女のつれあいさんのおかげかな?)
紅葉も全山紅葉とはいきませんが、そこそこ楽しめます。
(紅葉もそこそこです)

(きれいな花?か実?)

(足下には苔が)

写真を撮りながら1時間ほどで剣山本宮に着きました。この山も修験者の山なのです。
(後ろの磐座に神が降りるのでしょうか)

そこから5分ほどで頂上です。頂上付近は木道の上を歩きます。けっこうたくさんの登山者がいました。
(頂上までもう少し)

(次郎笈を登る登山者)

深田さんは「北方には幾重も山を越えて瀬戸内海の方が見渡せた。」と書いていますが、残念ながら瀬戸内海は見えませんでした。それにしても奥深い山です。
(幾重も山を越えて…)

つづく。

東京お上りさん紀行 その2

2015-10-14 19:54:49 | 知らない街をぶらり
東京へは来たものの、まったくのノープランなので、どこへ行ったらいいもんやら?
ディズニーランドや六本木、自由が丘という気分ではないし、スカイツリーは高くて苦手だし…。それなら、低いところにしようということで、隅田川の観光船に乗ることにしました。
日の出桟橋から浅草までの40分ほどの船旅です。今にも泣き出しそうな空の下(私の行くところ太陽はお隠れなさるのだ)水上バスは、隅田川を上りはじめました。さすが大東京、隅田川の両岸にはたくさんのビルディングが建ち並び、たくさんの橋の下をくぐっていきます。
(勝鬨橋か?なにしろたくさん橋があったもので…)

しばらく行くと、なんと我が芭蕉さんの像が見えました。このあたりは昨年歩いたところです。『おくのほそ道』へ旅立つのを前に、深川の芭蕉庵の柱に句をかけて残していったのもこのあたりです。 「草の戸も住替る代ぞひなの家」
(芭蕉庵史跡展望庭園と書いています)

やがて船は浅草発着所に到着です。岸に上がれば、浅草寺雷門もすぐそこです。しかし、連休のせいもあってか、大変な人出です。前回に来た時も多かったので、年中混んでいるんでしょう。亀十のどら焼には1時間待ちの行列が出来ていました。
ここは人が多いので、とりあえず移動です。しばらく歩いているとカッパに遭遇しました。いや、「かっぱ橋道具街」です。大阪にも道具屋筋はあるのですが、またひと味ちがった雰囲気です。それにしても、ここも人が多かったです。(やっぱり東京は、どこに行っても人が多いです。)
(全長800メートルの商店街)

とりあえず、目的地は上野の東京国立博物館と決めました。上野まではあと少しです。上野駅を抜けて、(上野駅は昨年、カシオペアに乗った駅です。ちょっと自慢しました。)上野公園にやって来ました。ここも人が多いです。お昼時だったので、トーハクに行く前に腹ごしらえです。ということで、上野精養軒にてカレーライスをいただきました。文明開化?の味がしましたよ。
(普通に美味しかったです。値段は…)

いよいよトーハクです。この呼び方は良くないですね。正しく言いましょう、東京国立博物館です。国宝やら重要文化財やら十分に楽しむことが出来ました。ゆっくり回れば半日はかかると思います。残念ながら、平成館(日本の考古)と法隆寺宝物館が閉館でした。そんなに簡単に来られない所なので、ちょっと悔しかったです。
(写真がOKな展示品もあります)

東京国立博物館の中は、けっこう空いていました。穴場かもしれませんよ。せっかく上野に来たので、正しいお上りさんとしては、やっぱり西郷さんを見なくっちゃいけません。そして見つけました。
(失礼しました)

そうこうしているうちに夜になってしまいました。最後はやっぱり銀座ですね。山手線を有楽町で降りて、コーヒーでも飲もうと喫茶店へ入りました。それにしても銀座のコーヒーは高いですね!せっかくなので、銀座でお寿司を食べようと、オバマさんも行ったあの寿司店はやめて、庶民の店へ向かいました。噂を聞いていた店に行ったのですが、2時間待ちということです。(東京の人は、ねばり強く並んでいますね)なんとか、手頃なお店を見つけて、おいしいお寿司をいただくことができました。お値段も手頃でホッです。
(美味しかったです)

こうして、お上りさんの東京、二日目の夜も更けていくのでした。
ところで、ICOCAカードのことですが、結局8円の端数を残したまま大阪へ帰ってきました。また、しばらくはこの端数とお付き合いです。
おしまい。