絶唱
連作短編になっています。
トンガと阪神淡路震災が
それぞれの物語に絡んできます。
現実から逃避、
不確かな心の中を再確認。
自分という者を見極めたくて、
トンガに訪れた主人公達。
トンガの人達の優しさが、
震災によって心に苦悩を負った
彼女たちを包み込みます。
「楽園」
双子の一人雪絵が震災で亡くなるが
母は毬絵を亡くなった雪絵として育てる。
毬恵は毬恵として生きていくため
トンガにやってくる。
「約束」
トンガを訪れた国際ボランティア隊の女性。
彼女は友人を震災で亡くしていた。
「太陽」
震災ボランティアのトンガ人セミシを探しに
娘、花恋とトンガへ旅行にやってきた
シングルマザーの杏子。
泊まったホテルの経営者の
尚美の亡くなった夫が
セミシだと分かる。
「絶唱」
阪神淡路大震災から20年。
作者自身の体験かと思わせる物語。
ヒリヒリと痛みをもった心の傷口。
主人公の絶唱でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます