はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

星月夜

2007-11-07 21:12:01 | はがき随筆
 俳句の季語に「星月夜」というのがある。「秋の大気が澄んで、満天の星の輝きが、あたかも月の光のように、地上を明るく照らすのをいう」と俳句歳時記にある。今まさにその時期であるが、私はそんな夜がとても好きである。世の中がどんなに変わっても、満天に輝く星を眺めていると心が和む。
 日本には古来、自然の美しさを愛でる心があり、ロマンがある。例えば、月や星座を眺めては「かぐや姫」「七夕」の話を生み出した。今の世こそ、そういう心を大事にしたい。
 最後に私の駄句を。
 ショパン聴くわが家のしじま星月夜
   南さつま市 川久保隼人(73) 2007/11/7 毎日新聞鹿児島版掲載

大連合?

2007-11-07 07:27:14 | かごんま便り
 久しぶりにびっくり仰天した。2日夜、自民・民主のトップ会談で福田康夫首相が打診?した大連立構想だ。
 日々の仕事が一段落し、支局でくつろいでいた記者たちが色めき立った。早速、K県政キャップを中心に関係者の反応を取材する。やがて民主党サイドがこれを断るとの情報が入り再取材。これで一段落かと思いきや、4日夕には小沢一郎・民主党党首辞意表明のニュースが飛び込んできて、二度びっくり。
 両党が連立を組めば国会はほとんど大政翼賛会状態だ。7月の参院選で、自民批判票を取り込んだ民主の大躍進を考えても、受ける訳がないというのが普通の感覚だろう。
 県内の各党の受け止め方はおおむね予想通り。自民党の本坊輝雄・県連幹事長は「今の段階では何も申し上げようがない」。言葉少なだったというから驚きぶりがうかがえた。一方、民主党の泉広明・県連幹事長は「(拒否は)当然」とコメント。「受け入れていれば、参院選の民意を裏切ったと批判を受けたのは間違いない」とも。拒否が決まるまで心中穏やかではなかっただろう。
 ところが小沢党首は党の拒否方針を「不信任」と評した。額面通り受け止めれば、彼は大連立に前向きだったことになるが、ちょっと真意を測りかねる。いずれにしろキナ臭い雰囲気になってきた。大連立頓挫が政界再編(再々編?)のきっかけになるとの見方もあるからだ。
 元々寄り合い所帯の自民党は、改憲論議や外交、社会保障など個別案件では驚くほど見解の違いを抱える。民主党はさらにウイングが広い。足して2で割り、主義主張の近い者同士に再編した方が分かりやすい。もちろんその場合は選挙の洗礼が必要になるが……。
 政局というのは、誰もが真に受けなかったことが、何かの弾みで現実味を帯び、転がり出すと止まらなくなる。05年衆院選が好例だが、今回はどうなるのか。目が離せない。
   毎日新聞鹿児島支局長 平山千里 2007/11/5 毎日新聞鹿児島版掲載