庭のモクセイが香る秋の一日、母が一時帰宅した。104歳の誕生日を我が家でというわけだ。母の好物の品々を作っていたが、それらは少ししか食べず、お菓子と柿を驚くほどよく食べた。
突然、お父さんは?と聞く。「同窓会やんど」と答えると「それは良かった」と安心したように言う。しかし、その後も何度も聞く。何かおかしいと感じているのだろう。
母を大切にしてくれた優しかった夫。便りにしていた夫が逝ったと知ったらどんなにがっくりするかと思うと本当のことは言えない。これでいいのだと母に隠れてあふれる涙をふいた。
霧島市 秋峯いくよ(67) 2007/11/10 毎日新聞鹿児島版掲載
突然、お父さんは?と聞く。「同窓会やんど」と答えると「それは良かった」と安心したように言う。しかし、その後も何度も聞く。何かおかしいと感じているのだろう。
母を大切にしてくれた優しかった夫。便りにしていた夫が逝ったと知ったらどんなにがっくりするかと思うと本当のことは言えない。これでいいのだと母に隠れてあふれる涙をふいた。
霧島市 秋峯いくよ(67) 2007/11/10 毎日新聞鹿児島版掲載