深夜3時、なんとなく物の動く音に目覚め、灯をともすと、部屋の隅の木彫り道具のあたりからこげ茶色の虫が──。もしやゴキブリかと見定めるが、逃げ足が遅い。やがてのっそりゴソゴソとお出まし。すばやく捕らえると、なんと小クワガタがツノを広げ、まるで捕まるのはイヤダ、イヤダとしている。
いつ、どこから入って来たものか。昨日、あまりのぬくさに入り込んだか。それとも幼虫時代を私の木彫材の中で過ごし、たまたま生まれたのか。孫へ見せよう。ラジオは「いつまでもいつまでも」の曲が流れ、クワガタと友に聞いている。
鹿児島市 東郷久子(76) 2010/8/22 毎日新聞鹿児島版掲載
いつ、どこから入って来たものか。昨日、あまりのぬくさに入り込んだか。それとも幼虫時代を私の木彫材の中で過ごし、たまたま生まれたのか。孫へ見せよう。ラジオは「いつまでもいつまでも」の曲が流れ、クワガタと友に聞いている。
鹿児島市 東郷久子(76) 2010/8/22 毎日新聞鹿児島版掲載