悼みに耐えられなかった。しばらく、ぼうーっとして棺で眠る顔が受け入れられない。
友は、今年の5月63歳の若さなのに病気で他界。彼とはよく行き来し、困って相談した時は温かく対応してくれた。
4月の「はがき随筆」で、彼が知人の辞世の句を、自分の辞世の言葉のように書いた。「ありがとう これでさよなら 夏あざみ」。私は胸がつまった。
ごめんなさい。助けられることばかり。何も返せぬまま。
もう会えないかと思うと、どうしても涙が出てくる。さようなら、かけがえのない友。
出水市 小村 忍(67) 2010/8/30 毎日新聞鹿児島版掲載 写真はフォトライブラリ