はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

骨ガッツリ

2013-01-07 16:10:05 | はがき随筆
 テレビ、ラジオなどで「65歳以上の高齢者」というのに元気な私は抵抗がある。でも指を使う仕事を根を詰めてしたら親指の付け根の痛みが強くなり病院へ。母指CM関節症と診断された。指の使いすぎと老化の一端とか。骨密度検査では同じ年齢の平均値に比べかなり丈夫とのこと。「すごい。生まれながらか運動、食事によるものか。今の生活を続けてください」と言われた。そういえば母を火葬したとき94歳にしては骨が立派だった。運動は毎日、友達との散歩と水中ウォーキング。食事は主人の求めで種類を多く作り一緒に食べる。みんなに感謝。
  阿久根市 的場豊子 2013/1/7 毎日新聞鹿児島版掲載

書き初めに挑戦

2013-01-07 15:52:25 | アカショウビンのつぶやき
何十年ぶりでしょう…書き初め大会に参加しました。



「道具はこちらで用意します。伝統的な書、
アートな書どちらでも体験できます…」
反骨精神の塊である、田貫独心先生のお誘いをいただき
錦江町まで行ってきました。
「体育館で行いますから、寒さ対策をお願いします」
高齢者への優しいお言葉に、カイロに襟巻き、
指先を切り取った特製の手袋まで用意して出掛けました。


まず、独心先生の辛口の講話です。


南大隅高校書道部のパフォーマンスです。   




お見事でした。

次に先生方の模範演技
  


さすが…


大人も児童も真剣に筆を下ろしています。


いよいよ講評…。独心先生はどの書の中にも
きらりと光る物を見つけてほめて下さいます。ホッ。

みなさんは、「生」「飛」「翔」「愛」「跳」
など、新年に相応しい
力強い一文字をお書きになりましたが、

私、アカショウビンは

「また 春がめぐってきました」

これは、パスカーリアの絵本「はっぱのフレディ」
の最後のフレーズ、大好きな言葉です。

独心先生は、褒めようがなく、困ったようですが、
「優しいですね、何歳の人が書いたと思いますか…」と
歳を褒めてくださいました…。

日々の中で

2013-01-07 15:49:37 | はがき随筆


 朝、目が覚めた。生きている。感謝。窓を開けると朝日が昇る。感謝。ほほに風を感じながら青空を眺める。感謝。庭に花壇に菊の花が咲いた。感謝。
 野辺でホトトギスの花を見つけた。感謝。小さな集落で観音像に出会った。感謝。不平不満を口にしながらも働ける場所がある。感謝。
 食事ができる。お茶を飲める。感謝。病気はあるが、手と足が動く。感謝。今まで艱難辛苦の日々もあった。でも感謝。妻がいて娘がいて義母がいる。感謝。生かされている命。感謝。毎日毎日が感謝、感謝、感謝。そして感謝です。
  鹿児島市 吉松幸夫 2013/1/6 毎日新聞鹿児島版掲載

小さいけんか

2013-01-07 15:37:48 | はがき随筆
 かごしま弁で「よか」は「よい」と「いけない」という両方の意味がある。
 畑に使い終わった黒マルチが1列あったので「これ取ってよか」と尋ねたら「よか!」と言ったので、早々に取り除いたら「それは『よか』と言ったよ」と、しなくてもよいことだった。
 老夫婦で小さなけんかになった。ささいなことだが、日常起こりうることだ。
 言葉を簡略化して言うので正反対の結果になる。
 鹿児島弁では簡略化するので、よくあることだ。言葉の妙味なのだが、言葉遣いは難しい。
  出水市 畠中大喜 2013/1/5 毎日新聞鹿児島版掲載

久連子鶏

2013-01-07 15:24:22 | はがき随筆
 久連子鶏(くれこどり)は、私には不思議な色の鶏に思えた。
 熊本県の秘境・五家荘の一角に久連子という寒村がある。五木を過ぎ、つづら折りの崖道を恐る恐るたどってやっと到着。
 丘の下、朽ちた廃校が目につく。村人は「里にはもう学童はいない」と寂しそうだった。だが、妻と見た平家の落人が伝えたという久連子鶏だけは10余羽、ひっそりと餌をつついていた。
 約800年も継がれてきたという鶏。尾羽の渋い茶色の光沢は久連子の村人や、最近まで分校で学び、泣き、笑ったであろう子供たちの生活の時の流れをどこか映しているようだった。
  出水市 小村忍 2013/1/4 毎日新聞鹿児島版掲載

メジロが多い

2013-01-07 15:10:30 | はがき随筆
 日が昇るとキリキリキリとメジロが飛来する。一群れの中にヒヨドリが混ざり、黄み帯び始めたレモンの木に集まり、まるで会議を終えた人々の如く次へ飛び去る。マユミの実へ言ってひとときついばみ、またレモンの木へ集まる。トゲがあるから気をつけてと声をかけ、何故ヒヨドリまでレモンの木に来るのだろうと思案。別に虫がいるよしもないので不思議だ。出たり入ったりして我が家にしている。
 トゲがあるのにと心配するが、メジロもヒヨドリもどこへ言ってもレモンの木に帰ってくる。安心できるのかしら。それにしても数が多いこと。
  鹿児島市 東郷久子 2013/1/3 毎日新聞鹿児島版掲載

きらめく瞳

2013-01-07 15:03:02 | はがき随筆
 数年前に脳梗塞を患い、昨年、心筋梗塞を発症。後遺症がなかったので主治医も担当医も運が良かったと言う。それを機に何かしないとと思った。リタイアして何もしていなかったのでこのまま埋もれたくなかった。
 「運動会見に来てね」「学習発表会絶対来て」。そんなやりとりで今元気をもらっている。
 校門の前での児童の笑顔とさわやかなあいさつで私の穏やかな一日が始まる。「お仕事頑張ってください」。そう言う小1の女児の瞳に未来を見た。「ありがとう」と返事しながら、さぞすばらしい親御さんだろうと思った。力強い限りである。
  いちき串木野市 新川宣史 2012/1/1 毎日新聞鹿児島版掲載