はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

今年最初のラジオ番組取材でした

2013-01-22 17:42:34 | アカショウビンのつぶやき


今年最初に取材させていただいたのは、90歳のIさんです。

Iさんは、NTTに長年勤務され、退職後は郷土史家として活躍され、
文筆活動、油絵、書道などと多才な趣味の持ち主です。

今回は、日本の電信史上、重要な役目を果たしながら、
人々の記憶から消えようとしている
「大浜電信局」について、紹介していただきました。

大浜電信局は、大隅半島の南端、肝属郡南大隅町・大浜海岸に
ポツンと記念碑だけが残っています。
当時は軍事機密事項もあり、近隣の人々にも知らされることなく
歴史の中に埋もれそうになっていた、大浜電信局の歴史を
地道に資料を集めて、まとめて下さいました。

Oさんは「トンツー屋(モールス通信)」の誇りを大切にしています。
既に死語となってしまった「モールス通信」ですが、
仲間も高齢化した現在、今のうちに当時の事をまとめておきたい。
とおっしゃってました。

「次はそれを話題にした番組を作りませんか」
とお願いしましたが、
「んにゃ、もうだれたがよー」と。

どう見ても80代前半にしか見えない、
万年青年のIさん、頑張ってくださいね。




画像はサイトより拝借




梅が香に…

2013-01-22 17:20:31 | アカショウビンのつぶやき


大寒から少しずつ春に向かったかに見える大隅半島。

我が家の梅もほころびはじめました。
この画像は大寒直前の猛烈に寒かった日。
たった1輪開いていました。
去年は、開花してから雪をかぶった梅ですが、
今年はまだ雪がありません。
しかし3月に大雪の記録もありますから…。

今日は午前中、とっても暖かでした。
午後は雲が出て、気温もぐっと下りました。

梅の馥郁とした香りに包まれる日もまもなくでしょう。

桜島は相変わらず活発な活動を続け、
年が明けてから60回を超えました。

つもった火山灰で紅梅は色褪せてしまいます。

柿の実の謎

2013-01-22 15:39:45 | はがき随筆
 11月に帰省した時、向かい側の兄の家の柿の木に、小さな柿の実が鈴なりになっていた。小粒で珍しい柿の実だ。この柿の木は、自然に自分で生えてきて、ぐんぐん大きくなった。
 種を運んできたのは鳥だろか、風だろうか。渋柿だろうか、甘柿だろうか。食べられるのだろうか、山柿だろうか……。そんなことを母と話しながら眺めていた。
 12月に帰省した時「カラスが熟して落ちた柿の実を食べていたよ。(兄が柿の枝を落としたので)食べてみたら甘くて種がたくさんあったよ」と母。柿の実の謎が少し解けた。
  屋久島町 山岡淳子 2013/1/21 毎日新聞鹿児島版掲載

老いの出発

2013-01-22 15:21:15 | はがき随筆
 傘寿を感謝に超えて3ヶ月が過ぎて、新しい生活リズムを心している。
 見える時間への密度、質を深くしたい願望がある。80代の人たちが抱く共通の考えだと自分の中で納得している。
 毎日の流れが特に速い。「老いは量より質を大事にせよ」という人の言葉にひかれる。従来の良いものを継続しながら、新しい生活恒心がほしいと思いながら、例年より寒気の強い冬空の青さ、透明感に触れて新しい出発にしたい。これより一日を一層大事にしたい。
 寒風の中、隣家のユズの実が豊かに光っている。
  鹿屋市 小幡晋一郎 2013/1/22 毎日新聞鹿児島版掲載

今浦島

2013-01-22 15:11:21 | はがき随筆
 コンポとCDアルバムを買ってきたが、コンポのどこにCDを入れるのか分からない。説明書を読むが、どこかの星の言葉のようでさっぱり分からない。
 行商をしていた私は、50歳を機に人里離れた地で育苗の仕事を始めた。物を売る生活から解放され、育苗の仕事は離宮で遊ぶ浦島の感覚だった。この間私は、完全に時代に遅れたようだ。私はゴルフもパソコンも携帯電話もできない。
 育苗の仕事をしたので、ローマを見なくてもマツタケを食べなくてもいいが、カラオケ一曲くらいは歌って死にたいなと、この頃、今浦島は思う。
  伊佐市 清水恒 2013/1/20 毎日新聞鹿児島版掲載