はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「今だったら」

2013-01-24 19:51:14 | 岩国エッセイサロンより
2013年1月22日 (火)

岩国市  会 員   片山 清勝

 子どもの頃から頭が大きいと言われ、自覚もしていた。それに髪は硬くてフサフサ。丸刈りから長髪になる時、「こりゃあ料金割り増し」と日ごろ無口な散髪屋の主人が笑った。
 あれから何十年。しゃがんだ姿を上から撮られた写真、なんと頭頂に皮膚丸見えの薄毛の域が広がる。髪が減り寒暑の季節感をもろに感じてはいたが、「ここまで抜け落ちているとは」。隠しようのない状態に驚きとがっかりが入り交じる。 
 あの主人、はさみを使いながら、今なら「割り引いてあげる」と笑顔かも。3色の回転灯の灯が消えて、もう7年になる。
  (2013.01.22 毎日新聞「はがき随筆」掲載) 岩国エッセイサロンより転載





書き初め展

2013-01-24 11:31:12 | アカショウビンのつぶやき






ドキドキしながら、半世紀ぶり(+20y)の
書き初め会に参加したアカショウビンでしたが、
19日から27日まで、
肝属郡錦江町の文化センター・町民ギャラリーで
書き初め展が開催されています。

錦江町は鹿屋市から離れており、参加できない私のために、
「写真だけでも見てください」と、
一部の画像を送って下さいました。

書家の田貫独心先生のもとで指導を受けてる方々の作品は
本当に素晴らしい!

自由にのびのびと書かれた文字には、力強さを感じます。

その中に加えて頂けただけで、本当にうれしいことでした。

79歳のアカショウビンの書は、いったいどれでしょうか…

中沢さんを悼む

2013-01-24 11:08:02 | はがき随筆


 「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さんが亡くなった。
 広島での原爆体験から「ゲン」を通して、放射能の恐ろしさや平和の尊さを訴え、核兵器の全てを憎んだ。近年は病と闘いながら福島の原発事故を強く非難し、脱原発を叫び続けた。願いがかなわず命尽きるのはさぞ無念であったに違いない。
 以前、中沢さんの教師向けの講演を聴いた。中でも被爆者の髪や衣が焼け落ち、腕の皮膚が溶け、垂れて地に着くと痛いので手を前に伸ばして歩く話に涙した。結びに教師の平和教育への役割を説かれ責任を感じた。
 中沢さんのご冥福を祈る。
  出水市 清田文雄 2013/1/24 毎日新聞鹿児島版掲載

画像は広島原爆ドーム

義弟の死

2013-01-24 10:53:50 | はがき随筆


 昨年11月、義弟が急死したという知らせを受けて、びっくり。あんなに元気な義弟が本当に死んだの?
 何かの間違いであってほしいと思いつつ、喪服をケースに入れて上京した。
 「前日の夕方も水泳をして何も変わった様子はなかったけど、朝起きてこなくて……」と義妹が話した。
 義弟宅はスカイツリーのすぐ近く。見に行きたいと思ってはいたが、まさか、こういう成り行きで見ようとは。
 天高く堂々とそびえ立つスカイツリーの先端を見上げていたら、喉に涙が流れてきた。
  鹿児島市 馬渡浩子 2013/1/23 毎日新聞鹿児島版掲載