4年前、父の膵臓に大きながんが見つかった。87という年齢を考慮して一切治療を受けないことにした。自宅でゆっくりと好きなように過ごした日々。死ぬ1カ月前には和室にベッドを入れ、寝起きするようになった。訪問診療を受けながら最後まで家族と生活し、私の作ったプリンを毎日口にしてくれた。
ある日の昼下がり、ベッドでじっと天井見つめている父に母が聞いた「何見てるの?」「星」「え?」と聞き返すと「星だよ。スター」と言ったそうだ。私も星空が大好きだ。人生の最後に板張りの天井に星が見えたら、ちょっと幸せかもと思う。
鹿児島市 種子田真理 2013/9/11 毎日新聞鹿児島版掲載
ある日の昼下がり、ベッドでじっと天井見つめている父に母が聞いた「何見てるの?」「星」「え?」と聞き返すと「星だよ。スター」と言ったそうだ。私も星空が大好きだ。人生の最後に板張りの天井に星が見えたら、ちょっと幸せかもと思う。
鹿児島市 種子田真理 2013/9/11 毎日新聞鹿児島版掲載