子供の頃、近所に愉快なおじさんがいた。
ある日、自転車に乗った青年が通りかかり、庭にいたおじさんに道を尋ねた。両足を地に付けた姿勢で。すると、くだんのおじさん「いっ時待て」と言うと、自分の自転車を持ち出してきた。その青年と同じポーズを取って、
「どこよ」。
青年は慌てて自転車を降り、「駐在所はこん道を行けばよかとけな?」「真っ直ぐいけ」。
今思い出しても楽しい話でクスリと笑ってしまう。青年はこの短い会話で、きっとエチケットを学んだに違いない。
鹿屋市 門倉キヨ子 2015/4/4 毎日新聞鹿児島版掲載
ある日、自転車に乗った青年が通りかかり、庭にいたおじさんに道を尋ねた。両足を地に付けた姿勢で。すると、くだんのおじさん「いっ時待て」と言うと、自分の自転車を持ち出してきた。その青年と同じポーズを取って、
「どこよ」。
青年は慌てて自転車を降り、「駐在所はこん道を行けばよかとけな?」「真っ直ぐいけ」。
今思い出しても楽しい話でクスリと笑ってしまう。青年はこの短い会話で、きっとエチケットを学んだに違いない。
鹿屋市 門倉キヨ子 2015/4/4 毎日新聞鹿児島版掲載