幼い娘がたっぷり楽しんだお下がりのツリーを窓辺に置いた。点滅する光に浮かび上がる雪や星を闇に透かしてベツレヘムの馬舎を思い浮かべていた。ところが、数年前硬派で整理魔の神父が焼いてしまった。
今年もやって来た神父に「ツリー買おうかな」と言ったら「だめっ」。堅物には太刀打ちできない。「心に飾るか」と言ったとたんに気がついた。待降節に入り心にほんのり明りがともっていたことに。イエスを待つ喜びはどこからともなく沸いてくる。ツリーの助けを借りる必要はなかったようだ。
新婦の意図はこれだったか。
鹿屋市 伊地知咲子 2015/12/27 毎日新聞鹿児島版掲載
今年もやって来た神父に「ツリー買おうかな」と言ったら「だめっ」。堅物には太刀打ちできない。「心に飾るか」と言ったとたんに気がついた。待降節に入り心にほんのり明りがともっていたことに。イエスを待つ喜びはどこからともなく沸いてくる。ツリーの助けを借りる必要はなかったようだ。
新婦の意図はこれだったか。
鹿屋市 伊地知咲子 2015/12/27 毎日新聞鹿児島版掲載