友達を待っているらしい高校生に「おはよう」と声をかける。少し間をおいて返ってきたのが「おはよう」。「おいおい、年長者に返すならおはようございます、じゃないのかい」と思いながら通り過ぎる。
知人に話したら「昭和生まれとは違うんだ。平成時代は知らぬ人に声を掛けられても返事しないように、と教育されてるくらいだから」と笑われる。
長幼の序は厳として存在すると思いたい一方で、敬語抜き、友達感覚の短いあいさつでも返ってきたのを良しとすべき時代なのかという感も。複雑な気持ちは簡単に消えそうもない。
熊本市東区 中村弘之(83) 2019/8/3 毎日新聞鹿児島版掲載