はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

へびと出合う

2019-08-06 21:27:34 | はがき随筆

 散歩中、細い土の道にさしかかった。すると目の前に1㍍くらいのしまへびが道の右側をふさいでいた。全身に鳥肌が立つのが自分でもよく分かった。

 この道を通過する時、私の方へ来たら嫌だな。仕方ないので引き返して別の道を通って行こうかと考えて、ちょっとへびを見た。へびも私を見たような気がした。すると、すっと動き出し、左の70㌢くらいのコンクリートの土手をするすると上っていった。そして、また私をちょっと見たような気がした。きっと君も怖かったよね。おあいこだね。道をあけてくれてありがとう。私はまた歩き始めた。

 熊本県玉名市 立石史子(65) 2019/8/6 毎日新聞鹿児島版掲載


思案のしどころ

2019-08-06 21:19:42 | はがき随筆

 ワープロしか使わないので、私のパソコンはネットにつないでいない。子どもが海外に赴任していたとき、スカイプ(テレビ電話)を使うためタブレットを買った。でも帰国してからはめったに開けない。もったいないのでスマホに買い替えて、いよいよスマホデビューするか。それともネット社会に組み込まれなくても生きていけると大見え切って、ガラケーで頑張るか。ただ今、思案の真っ最中。

 あと数十年、私がこの世にいる間は今のままで暮らしていけそう。支払いは現金で、予約は電話で。道路地図帳があれば、ナビがなくてもたどり着く。

 鹿児島県 出水市 清水昌子(66) 2019/8/5 毎日新聞鹿児島版掲載


フレーフレー富島

2019-08-06 21:12:51 | はがき随筆

 テレビから母校の校歌が流れている。久しぶりに聞いて、懐かしく思わず口ずさんだ。

汗まみれで、胸の校名も見えないくらいに泥まみれの子もいる。普通なら汗臭くて暑苦しいのにのテレビに映る高校生たちの爽やかなこと。駆け寄って応援したいくらいだ。

 今年はなんと母校が夏の甲子園に行く。私の卒業はいつだったか忘れるくらいはるか彼方のことだが、なんだかうれしい。ずっと前、妹の母校が甲子園に行った。その時も同じふるさと、一生懸命応援した。それが我が母校。応援にも力が入りそう。

 フレー、フレー、富島。

 宮崎市 高木真弓(65) 2019/8/4 毎日新聞鹿児島版掲載