Aさんの年賀状に「岡田さんと仕事をしていた頃が一番良かった」と添え書きがあった。
Aさんに電話してみると「こりゃ懐かしい人から」と嬉しそうに応対してくれた。奥さんが認知症で施設入所、自身も肺ガンで闘病中とのこと。「当時を思い出したものだから」とはにかんでいた。
私の一番良かった頃は、大牟田市の社宅で過ごした子供時代。懐かしい社宅は、今はその面影もない。ただ、当時の通学路、赤レンガ造りの小トンネル、防火水槽などが残っている。
なぜか、それはとても小さく見える。
熊本市北区 岡田政雄(72) 2020/3/2 毎日新聞鹿児島版掲載