ワールドカップ日本開催で、にわかラグビーファンが急増した。ニュージーランドチームらによる、試合前の「闘いの舞」ハカも話題になった。
高校一年の同じクラスにラグビー部員がいた。彼は部活が始まる前にいち早くグラウンドに出て、一人奇妙な動作をしていた。私はその姿を、教室の木枠の窓越しに見ていた。ある日彼に、準備運動のような動きについて聞いた。彼はオールブラックスに憧れてラグビーを始めたことから、ハカの由来や舞うときの掛け声の意味まで一気にしゃべった。W杯を観戦しながら彼の汗の臭いまで思い出した。
鹿児島市 高橋誠(68) 2020/3/10 毎日新聞鹿児島版掲載