お湯を沸かそうとケトルのふたを開けようとするが開かない。向きを変えて引っ張ってみるがびくともしない。しっかりと押し込まれでいる。
仕方がないから、蛇口にケトルの出口を差し込んで、片手で持っていたら重くなった。水を止めようと脳が逆の指示を出したから「あっヤバイ」「あああー」。慌てて対処するが何とも情けない「どじ」をしてしまった。
沈みかけていく気持ちで椅子にもたれ掛かっていると急にケトルの笛が勢いよく鳴った。「はいはい、ちょっとお待ち」とやっと立ち上がった。
鹿児島市 竹之内美知子(90) 2022.8.21 毎日新聞鹿児島版掲載