はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

流れ星飛んだ

2009-12-01 00:00:44 | かごんま便り
 18日未明。千鳥足で帰宅後、一人で2次会?をやりつつ本を読んでいた。ふと気になって外をうかがうと昼間の曇り空がうそのような晴天だ。
 部屋の明かりを消し、多少着込んで出窓の下に横になる。窓を全開にすると、ビルの谷間からオリオン座と冬の大三角が視界に入った。転落して記事になるとシャレにならないから、気をつけながら出来るだけ身を乗り出す。お目当てはもちろん、しし座流星群だ。やがて明るい軌跡が一筋、また一筋。周囲の建物が街灯や車の明かりを遮ってくれるので、市街地でもそれなりに楽しめた。 
 流星群の元は、彗星(すいせい)や小惑星から軌道上に放出されたちりだ。それが大気圏で燃えて光るのだが、ある一点(放射点)を中心にして外に広がるような軌跡を描いて飛ぶ。流星群の名称は、放射点のある星座の名で呼ばれる。毎年決まった時期に出現するが、中には数年から数十年ごとに大発生するものがある。しし座流星群もその一つで「流星雨」と話題になった01年が記憶に新しい。今年もそれなりの当たり年とされていたが、日本では極大が夜明け後だったこともあり、8年前ほどには騒がれなかった。
 春は視界が悪く、夏は蚊に悩まされるので、流星ウオッチングは秋から冬にかけてが好機だと思う。もちろん防寒対策や安全面での配慮は欠かせない。長時間仰ぎ見るのは首が痛いので寝転がって見る体勢が取れればべストだ。街明かりや月明かりを出来るだけ避け、なるべく放射点から離れた空を眺めるのがコツ。その方が長い軌跡を拝めるので見やすいからだ。
 いわゆる「三大流星群」のうち、ふたご座群(12月中旬)、しぶんぎ群(1月上旬)の二つがこれからシーズンを迎える。皆既日食でちょっぴり天文に興味を持った人たちにも見てほしい。寒空でじっと待つのはつらいが、一度見ると病みつきになること請け合いだ。
鹿児島支局長 平山千里 2009/11/24 毎日新聞掲載

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