はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

はがき随筆7月度入選

2007-08-25 09:46:41 | 受賞作品
 はがき随筆7月度の入選作品が決まりました。
△鹿児島市武2,鵜家育男さん(62)の「け忘れ病」(2日)
△山口県光市丸山町、中田テル子さん(61)の「先生ありがとう」(29日)
△出水市武本、中島征士さん(62)の「遠い日」(27日)
の3点です。

 夏祭りでにぎわう8月ですね。この暑さの中「はがき随筆」に取り組んでいる皆さんの姿が目に浮かびます。
 鵜家さんは「け忘れ病」で、忘れないよう外出に必要なものを置く場所を決めたいが、その場所すら忘れたと書きました。「け忘れ」という方言が共感を呼びますね。また別枝由井さんの「ぼけ&ぼけ」(1日)は母娘のおしゃべりの中で2人の物忘れの様子を書き、会話体で文が展開します。これらの文章は物忘れを題材としながら、それぞれ特色が面白いですね。
 中田さいの「先生ありがとう」は喜びと感謝の気持ちが書かれています。先生のやさしさもよく出ました。中島さんの「遠い日」は、2人の信頼関係がはっきり読み取れますね。小川のせせらぎが聞こえ、ウナギ釣りの様子が立体的に浮かび上がってきました。
 自分を見つめることは大変意味のあることです。東郷久子さんの「冷やし中華」(5日)は、毎日の朝食を意識したものです。上野昭子さんの「胴体着陸」(7日)は、自分が転んだいきさつを面白く前向きに描き、年神貞子さんの「烏骨鶏」(21日)は、長年飼っている烏骨鶏の様子や産卵を細かく描き、大いに喜びます。老齢の鶏に「もう頑張らなくていいよ」とことばをかけたりしています。
口町円子さんの「アメコンコン」(25日)は、1歳のお孫さんが暮らしの中で覚えたことばの行き違いを楽しんでいる様子が書かれて、何ともなごやかな文章です。
 有村好一さんの「ツーリング」(20日)は、若い時分に大型バイクの旅で出会った人たちとの思い出を、ほのぼのとした文章にまとめました。夏はいろいろな人たちとの出会いの季節でもありますね。
(日本文学協会会員、鹿児島女子短大名誉教授・吉井和子)
 係から 入選作品のうち1編は25日午前8時20分からMBC南日本放送ラジオで朗読されます。「二見いすずの土曜の朝は」のこーなー「朝のとっておき」です。


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