はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

都大路へ

2011-11-08 17:48:10 | ペン&ぺん
 師走の都大路を目指す高校駅伝の県予選が2日、指宿で行われた。
今年は、指宿市の陸上競技場が改築中。発着点は競技場近くの駐車場に移された。「あいにく」というよりも、応援に駆けつけたOBや父母らには、ゴール目前までコースの両脇から間近で声援できて、良かった面もあったのではないか。
 私もゴール後方で、見守っていた。ゴールしたあと、ぼうぜんとたたずむ選手。倒れ込みそうになる選手をチームメートが抱きかかえる姿が見られた。
 そうしたゴールシーンが続く中、男子で優勝した鹿児島実業の選手たちは、いち早く整列し、報道陣のインタビューを受けていた。昨年の全国制覇で、いわばディフェンディング・チャンピオンという立場の鹿実。高田康暉主将は「プレッシャーはあったが、大会へ向けて選手一人一人が成長していけた。まだまだだが、全国で上位入賞を目指します」と静かに話していた。
 この日の指宿は正午の気温が約20度。北東の風6㍍。各学校が沿道に立てたのぼり旗が大きく揺れることも。さらに時折、小雨が降るなどコンディションはあまり良くなかった。
 鹿実の上岡貞則監督は「こうした悪条件の中でも勝つことができたことがレースの収穫。重圧や不安から自信につなげていくタイミングが大切。県大会へ向けて体と気持ちを高めていくことができた」と語っていた。
 一方、女子の県代表となった神村学園。昨年の都大路では、鹿実の全国制覇の陰に隠れた形となったが、全国4位という堂々の成績だった。今年も県大会では1区を除く4区間で区間賞を獲得し他校を寄せ付けない圧勝だった。
 レース後の閉会式で鹿実、神村学園の選手に代表旗を手渡した。その際「全国大会でも健闘を」と声をかけた。力走を期待したい。
  鹿児島支局長 馬原浩 2011/11/7 毎日新聞掲載

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